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不倫カウンセリングとは?効果やメリットなどを弁護士が解説!
配偶者に不倫をされた場合、気が動転する・感情的になるなどで、一体どうすれば良いのか…ということが分からなくなってしまうことがあるでしょう。
親や兄弟などの親族、友人などに話しづらい、気軽に相談できる相手がいないという場合には、相談できる専門家を探すことになります。
このようなときに「不倫カウンセリング」というものを目にすることがあるのですが、これはどのようなものなのでしょうか。
このページでは、不倫カウンセリングとはどのようなものかについてお伝えします。
目次
1.不倫カウンセリングとは
不倫カウンセリングとは、夫婦問題のカウンセリングの中で、配偶者が不倫をした場合に受けるカウンセリングを言います。
特に「不倫カウンセリング」という名前がつけられている、法律で決められているというものではないので、夫婦問題カウンセリングなど・浮気相談カウンセリングなど様々な名称がついていることがあります。
不倫カウンセリングは主に精神科医や公認心理師・臨床心理士・夫婦カウンセラーなどの資格を持っている人が実施しています。
2.不倫カウンセリングで相談できる内容とは
不倫カウンセリングでは、不倫をしている側の配偶者・不倫をされている側の配偶者・不倫相手いずれもが相談することができます。
不倫をしている側の相談としては、
- 不倫関係から抜け出したい
- 不倫を続けているとどうなるか
- 夫婦関係を解消するための方法
- 配偶者からどのような法的責任を追及される可能性があるか
ということを相談することが一般的です。
ただし、上記のうち「どのような法的責任を追及される可能性があるか」について相談に応じる(回答する)ということは、不倫カウンセリング事業者が弁護士法72条(弁護士以外の者が法律事務を扱ってはいけないという法律です)に違反することになりかねませんので、答えてもらえないかもしれません。
また、不倫相手となっている場合には上記に加えて
- 不倫相手の配偶者からどのような法的責任を追及される可能性があるか
を相談することも考えられますが、これも、同様に弁護士法72条の問題がありますので、答えてもらえないかもしれません。
最後に、不倫をされている側の配偶者としては、
- 配偶者に浮気をやめさせるにはどうすればいいか
- つらいので話を聞いて欲しい
- 不倫の証拠をおさえる方法を知りたい
- 配偶者や不倫相手にどのような請求ができるのか
といったことを相談することが考えられます。「どのような請求ができるのか」については上記と同様に弁護士法72条の問題があります。
人にもよるのですが、不倫カウンセリングの提供をしている専門家は、おおよそ不倫についての心理に関する専門知識に加えて、不倫をした場合の賠償についての基本的な知識について習得していることが期待できます。
そのため、基本的には不倫をきっかけに相談したい内容であれば、当事者のいずれもが相談可能であるといえるでしょう。ただし、弁護士法72条の問題がありますので、主に精神的サポートを得たい場合に利用するようにしましょう。
また夫婦で揃ってカウンセリングを受けることも可能な場合があります。
3.不倫カウンセリングで見込める効果
不倫カウンセリングによって見込まれる効果としては次のようなものが挙げられます。
3-1夫婦関係を改善する効果
夫婦関係を改善する効果が期待できます。
夫婦の一方が不倫をしていることが明らかになると、夫婦関係は非常に悪化します。
関係が悪化した状態で特に対策せずに生活をすると、今まで気になっていなかった些細なことが気になり、さらに関係が悪化し、修復不能となる可能性があります。
不倫カウンセリングを受けることで、専門知識を持った人が客観的に冷静に関係改善のためのアドバイスをしてくれるので、夫婦関係を改善する効果が期待できます。
3-2.精神的ストレスを緩和してくれる
精神的ストレスを緩和してくれる効果が期待できます。
夫婦関係がどのような段階なのかにもよるのですが、通常は他方の配偶者が不倫をしていることを知っているような状態では、大きな精神的ストレスを受けることになります。
なかなか親・親族・知人に気軽に相談できる内容でもないものであるにもかかわらず、同居を続けている場合には毎日顔を合わせるのですから、そのストレスは計り知れません。
また、不倫をしている当事者も、このような関係を続けて良いのか、相手に迷惑になっていないのか、などの不安を抱え、不倫をされている人以上に他人に公言できない状況です。
これらを不倫カウンセリングで話すことによって、精神的ストレスの緩和という効果が期待できます。
3-3.問題解決の整理をしてくれる
不倫問題では、どうやって不倫を止めるか、当事者相互にどのような取り決めを行うか、慰謝料などの請求をどう精算するかなど、様々に問題を整理して解決する必要があります。
不倫相手にどのような連絡をするか、夫婦の関係改善のために専門家の不倫カウンセリングを受ける、取り決めをする、書面を作成するなど、不倫がどのような状態にあるかによって順をおって行う必要があります。
不倫カウンセリングでこれらの具体的な内容までアドバイスをすることは弁護士法に違反する可能性がありますが、こうした問題解決に向けて心の整理を行うという点で、不倫カウンセリングを受ける効果が期待できます。
3-4.不倫の原因を理解し再発防止ができる
不倫カウンセリングをする中でどうして不倫をしてしまったのかを、夫婦の従前の関係などを参考に検討します。
不倫が発生するまでには、例えば夫婦がまともに会話をしなくなっていた、セックスレスであったなど、様々な原因があることがあります。
不倫カウンセリングをすることで、何が不倫の原因であったのかを理解することができ、これによって再発防止が可能となる効果が期待できます。
4.不倫された場合にカウンセリングを利用するメリット・デメリット
不倫された場合にカウンセリングを利用するメリット・デメリットには次のようなものが挙げられます。
4-1.メリット
不倫カウンセリングを利用することには次のようなメリットが挙げられます。
4-1-1精神的に楽になる
不倫をしている側も不倫をされている側も、精神的なストレスをかかえることになり、カウンセリングによって精神的に楽になる効果があることは上述した通りです。
不倫カウンセリングによる最も大きなメリットは、精神的に非常に楽になることが挙げられます。
4-1-2.不倫問題が解決しやすい
不倫カウンセリングによって、不倫問題の解決のための問題の整理や、原因を理解して再発防止をする効果があることは上述した通りです。
不倫カウンセリングによって、不倫問題が再発防止も含めて解決しやすくなることは、大きなメリットであるといえます。
4-1-3.オンラインで相談をすることができる場合もある
オンラインで相談をすることができる場合もあります。
インターネット・スマートフォンの普及により、オンラインで各種サービスを展開していることがよくあります。
不倫カウンセリングも、カウンセラーとオンラインで相談できるサービスが展開されていて、自宅に居ながら相談することができます。
4-2.デメリット
一方で不倫カウンセリングには次のようなデメリットもあります。
4-2-1.費用がかかる
不倫カウンセリングは、医師や心理系の資格を有している人が、仕事として行っています。
そのため、これらのカウンセリングを受けるには、どうしても費用がかかり、これはデメリットであるといえるでしょう。
4-2-2.カウンセラーは慎重に選ぶ必要がある
カウンセラーは慎重に選ぶ必要があります。
不倫カウンセリングを行うには、内容にもよりますが、基本的には医師・弁護士のように資格が必要ではありません。
不倫によって精神的苦痛を受けて精神疾患を発症しており専門的な治療が必要になる場合や、慰謝料などの賠償問題が隣り合わせである不倫問題で、これらについては医師や弁護士に相談を促すなどの適切な業務を行うカウンセラーを選ぶ必要があります。
保有している資格や、過去の口コミなどを参考に、カウンセラーは慎重に選ぶべきであるといえます。
4-2-3.不倫カウンセラーには解決できない問題がある
不倫カウンセラーには解決できない問題があります。
上述した通り、精神疾患を発症しているような場合には、適切な治療が必要となるため、不倫カウンセラーでは解決できず医師による治療を受ける必要があります。
また、弁護士法72条所定の法律事務といえるものについては、法律の例外がない限り弁護士以外の者が報酬を得て取り扱うことができないことになっています。
慰謝料請求に関して、当事者を代理することはもちろん、一般的な情報提供を超えた具体的アドバイスをすることなどは、弁護士法違反となってしまう可能性があるので注意が必要です。
5.不倫カウンセリングの費用相場
不倫カウンセリングの費用相場はどうなっているのでしょうか。
特に、法律などで費用を決めているものではないので、カウンセラーが自由に設定しています。
例えば、夫婦問題のカウンセラーで有名な、岡野あつこさんの対面のカウンセリングは2時間で50,000円となっています。
岡野あつこさんが運営している、岡野あつこの離婚相談救急隊では、所属しているキャリアカウンセラーと相談するのに、
- 対面(90分):16,500円(税込み)
- 電話(60分):11,000円(税込み)
となっています。
インターネットを利用したビデオ・通話などを利用する場合でも、この60分10,000円程度が相場となるでしょう。
急いで相談をしたいという場合や、出張をしてもらいたいという場合には、さらに加算されることもあるので注意が必要です。
6.不倫カウンセリング以外の相談先
不倫問題について、不倫カウンセリング以外にはどのような相談ができるのでしょうか。
6-1.医師
不倫問題を抱えていると心身に不調をきたす可能性があります。
ストレスが原因となる各種疾患や、精神疾患については、当然ですが医師に相談し、必要に応じて治療や投薬をしてもらう必要があります。
不倫に起因する心身の不調については、医師に相談するようにしましょう。
6-2.弁護士
不倫をされたことによって慰謝料を請求したい、離婚をしたい、という法的問題を解決する場合には弁護士に相談することになります。
上述もしましたが、慰謝料請求や離婚についての法律相談・交渉・訴訟などの代理については、弁護士法72条で報酬を得て行うことができるのは、法律で例外が規定されている場合を除き弁護士にしかできないことになっています。
不倫カウンセリングで法律問題のみを相談するのは、カウンセラーが弁護士であるか、その他の士業で法律上の例外として認められる場合でなければ、一般論を伝える程度しかできません。
また、どのような証拠が認定に用いられるか、どのような事情が慰謝料に影響するかなど、高度な法律問題は、実際に日々交渉や裁判を行っている弁護士でないと判断が難しいことがあります。
そのため、法律問題については弁護士に相談するようにしましょう。
6-3.司法書士
司法書士は弁護士法72条の法律による例外として、司法書士法に規定されている事項について、報酬を得て業務を行うことができます。
不倫問題については、裁判所に提出する書面の作成や、140万円までの金銭請求の請求について代理をする権限があります。
しかし、これらは不倫問題の一部に過ぎず、140万円を超えるような慰謝料の代理や、離婚の請求について書面を作成してもらうこと以上に、裁判所に離婚を求めて調停・裁判を起こす代理をしてもらうということができません。
そのため、調べた結果慰謝料の額が140万円以下である場合に慰謝料請求を依頼することができるにとどまります。
6-4.行政書士
離婚問題や慰謝料問題について、行政書士という専門家が相談にのっていることがあります。
これは、行政書士が権利関係に関する書面の作成をすることができることから、離婚協議書や慰謝料請求する場合の内容証明の作成を業務としてできるためです。
しかし、行政書士ができるのはあくまで書面の作成のみで、相手との交渉や裁判所での手続きなどを代理することはできません。
権限が非常に限られているので注意が必要です。
6-5.探偵・調査会社
相手が不倫をしたことを認めていない場合に、慰謝料請求や離婚の請求を行うためには、証拠を収集する必要があります。
不倫の証拠の収集については、どのような証拠の収集が必要かにもよりますが、そもそも不倫をしていることの証拠がない場合には、探偵・調査会社に相談すべきといえるでしょう。
6-6.市区町村
不倫をされた以上離婚したい場合でも、離婚後の生活に不安があり、親族・友人などに助けてもらえないような場合には、早めに市区町村に相談をしておくようにしましょう。
児童扶養手当の受給や、生活保護の受給をするような場合には、市区町村における手続きが必要になるので、早めに相談をしておくと、手続きがスムーズです。
7.不倫に関するトラブルを弁護士に相談するメリット
不倫に関するトラブルを弁護士に相談するメリットには次のようなものがあります。
7-1.法的なサポートを受けることができる
不倫に関するトラブルの法的な問題を解決するためには、民法や裁判事例などの法律的な知識や、調停・裁判などの裁判所での手続きに関する知識が必要不可欠です。
不倫問題で精神的に滅入っている中で、これらの知識を調べて、自分の事例ではどうなるのか、ということを考えなければならなくなるのは大変厳しいものがあります。
弁護士に相談すれば、法的な問題についてのアドバイスを受けることができます。
また、依頼をすれば、弁護士に交渉や調停・訴訟を任せてしまうことができ、法的なサポートを受けることが可能です。
7-2.精神的に楽になる
弁護士に相談するメリットの2つ目として、精神的に非常に楽になることが挙げられます。
不倫問題で精神的に辛くなる原因として、誰にも話すことができないことや、わからないことが多すぎて不安である、ということがあります。
弁護士には守秘義務があるので、話しづらい不倫問題でも相談をすることが可能です。
また、法的な問題についてはアドバイス・サポートをしてくれるので、法的な問題についてはどのような結論になるのかの見立てを立てることができ、これによって精神的に楽になります。
また、不倫問題で当事者で交渉をするのは、非常に精神的負担の大きなことです。離婚や慰謝料請求をする場合に、弁護士に依頼してしまえば、交渉等は弁護士が行ってくれ、相手と面と向かう必要がなく、精神的に楽になります。
7-3.スムーズに不倫の法律問題が解決する可能性
不倫の法律問題は、当事者間で交渉を続けると長期化する可能性が高いです。
これは、不倫によって関係が崩れた当事者間で交渉する、不倫相手と交渉をする場合には、非常に感情的になっていることが多いです。
そのため、冷静な話し合いができなかったり、慰謝料の金額が相場よりも多すぎるなど、過剰な要求をするなどで、争いが長期化することがよくあります。
弁護士に相談すれば、どのような主張が適切か、どのような反論が適切か、を冷静に見極めてくれます。
また、弁護士に依頼してしまえば、感情的にならずに交渉ができることが期待できます。
さらには、相手が弁護士に相談すれば争点となることが整理され、弁護士に依頼すれば弁護士同士で話し合ってくれます。
そのため、不倫の法律問題がスムーズに解決する可能性があります。
8.不倫カウンセリングに関するよくあるQ&A
不倫カウンセリングに関するよくあるQ&Aとして次のようなものが挙げられます。
8-1.不倫とはどのようなものか浮気・不貞行為などとの違い
不倫という言葉と一緒に使われる言葉として、浮気・不貞行為というものがあります。
不倫とは、元々の意味は人の道に外れたことを意味する言葉でした。
しかし、1980年代のテレビドラマの影響で、配偶者のいる人が、配偶者以外の人と恋愛・性行為を行うことを一般に、不倫と呼ぶようになりました。
かつては存在した犯罪の名前をもとに「姦通」と呼ばれたり、不倫という言葉が一般的になる前には「浮気」という呼び方をしていることがほとんどでした。
そのため、不倫と浮気という言葉はあまり厳密な区別なく利用されています。
一方で、不貞行為は民法770条1項1号に規定されている「不貞な行為」のことを指す法律用語です。不貞行為は、配偶者のある者が、配偶者以外の異性との性行為を行うことを指します。
これを受けて、不倫を不貞行為と狭い意味で使用することもあるので注意が必要です。
不倫カウンセリング自体は、配偶者が性行為をしている場合でなくても利用は可能です。
8-2.不倫カウンセリングを使うべき人は
不倫についての相談先には不倫カウンセリングのほかに様々なものがあるのは前述の通りです。
不倫カウンセリングを使うべき人としては次の人が挙げられます。
- 不倫をやめたい
- 不倫をされていて何をすればいいのかの整理がつかない
- 不倫をした後の夫婦関係の再構築に悩んでいる
逆に、不倫カウンセリングよりも別の相談をすべき人も併せて確認しましょう。
- 心身に不調をきたしていて日常生活が送れない→医師に相談
- 不倫の証拠を掴みたい→探偵・調査会社に相談
- 慰謝料の請求・離婚の請求をしたい、されている→弁護士に相談
- 離婚後の生活に不安を抱えている→弁護士、もしくは市区町村に相談
慰謝料の請求など法的な主張を考えている場合には、まず弁護士に相談して、どのような行動をとるのが適切か整理することができます。何をすればいいのかわからず混乱している段階からでも弁護士に相談することは有用といえます。
9.まとめ
このページでは、不倫カウンセリングとはどのようなものかを中心にお伝えしました。
不倫の当事者はそれぞれ、人に話せる内容でもなく、多大なストレスを抱えることになります。
不倫カウンセリングで人に話すことで、精神的に落ち着き、不倫問題の解決に糸口が見いだせることになるでしょう。
不倫については慰謝料・離婚などの法的問題の解決も欠かせず、これについては不倫カウンセリングでは解決できません。
法的問題の解決には、まずは弁護士に相談することを検討してみましょう。
法律事務所リーガルスマートでは初回60分無料の相談を行っているので、お気軽にご相談ください。
担当者
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■経歴
2004年3月 大阪大学法学部卒業
2007年3月 関西大学法科大学院卒業
2008年12月 弁護士登録(大阪弁護士会所属)
2008年12月 大阪市内の法律事務所で勤務
2021年3月 一歩法律事務所設立
大阪市内の法律事務所に勤務し、民事訴訟案件、刑事事件案件等幅広く法律業務を担当しておりました。2021年3月に現在の一歩法律事務所を設立し、契約書のチェックや文書作成、起業時の法的アドバイス等、予防法務を主として、インターネットを介した業務提供を行っております。皆様が利用しやすい弁護士サービスを提供できるよう心掛けております。
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