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債権回収とは?回収方法や把握するべきポイントを弁護士が解説!

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1.債権回収とは

債権回収とは、あらかじめ定めた期限までに支払いを受けることができなかった債権について、債権者の側からアクションを起こして回収することを指します。

債権回収の対象となるのは主に「金銭債権(債務)」です。これは相手に金銭の支払いを求める権利のことをいい、個人間の契約から企業との取引まで、様々な場面で金銭債権が生じます。

ほとんどの場合、取引は正常に完了し、債務者は期限までに債務を弁済(支払のこと)します。ところが、債務者の経済状況の悪化などの理由により、弁済が滞ることがあります。このような場合、どのようにして債権を回収するかが問題になります。

債権回収が問題となる状況は、個人間の場合と法人や個人事業主の場合で異なります。以下、詳しく見てみましょう。

1-1.個人間の債権回収の場合

個人間で債権回収が問題となる場面としては、一般的に「貸したお金が返ってこない」「養育費の支払いが滞っている」「事故の加害者から治療費が支払われない」などが考えられます。こうした個人間の債権回収が問題となる状況としては、以下のような特徴があります。

  • 契約書や借用書などの書面を作成していないことが多い
  • 法人や個人事業主の債権回収に比べて低額
  • 債務者に財産上の支払能力がないことが多い

親しい間柄であれば、お金の貸し借りを口約束で済ませてしまうこともあるでしょう。しかし、お金のトラブルは時に人を変えてしまうものです。「この人なら信頼できる」と思っていても、万が一のことを考えて、しっかりと対策をとりましょう。あらかじめ債権回収の方法を確認し、証拠作りをしておくとスムーズです。

1-2.法人や個人事業主の債権回収の場合

企業などの法人や個人事業主の債権回収では、商品や仕事の対価が支払われないケースがほとんどです。例えば「商品を売ったが期限までに売掛金が支払われない」「請負工事が完了したが代金が支払われない」などが考えられます。

企業間の取引では一般に、相手方の経済状況を確認しておくものです。しかし、社会情勢の変化や経営状態の悪化などにより、やむをえず支払いができない場合があります。こうした法人や個人事業主の債権回収には以下のような特徴があります。

  • 契約書や借用書などの証拠資料が残っている
  • 金銭債権の金額が高額である
  • 債権が回収できない場合に備えて資金繰りを考慮する必要がある

企業間の取引から発生する債権はかなり高額になることがあり、債権回収に失敗できない場合も考えられます。取引先と共倒れにならないためにも、あらかじめ資金を確保する手立てを考えておくべきでしょう。加えて、債権回収に詳しい弁護士に依頼するのも一つの手です。

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2.個人で債権回収を行う方法

2-1.催促や交渉を試みる

債権回収には様々な方法がありますが、まずはカジュアルな方法から始めることをおすすめします。親しい友人や知人間のお金の貸し借りなど、あまり大事にしたくない場合もあるでしょう。手始めに以下のような方法を試しながら、相手の出方を見てはいかがでしょうか。

(1)電話やメール、SNSで連絡

最初は電話やメール、SNSなど、普段から使っている手段で連絡を取りましょう。この時には、なるべく友好的な対応をとることが望ましいです。しかし、「特定の金銭債権があること」(※例えば貸金であれば、「いつ、いくらを貸し渡した」ということ)「弁済してほしいこと」の2点は確実に伝える必要があります。

可能であれば、録音やスクリーンショットなどの証拠作りも並行して行うことをおすすめします。相手から「後から返す」などの発言があれば、法的措置に移行する際にも有利な証拠となります。

(2)自宅訪問

相手との連絡が取れなければ、自宅に訪問することを検討しても良いでしょう。直接会って要望を伝えることで、相手の情に訴えることができます。ただし、自宅を訪問する際は夜間や早朝を避け、相手と話す時は感情的にならないように注意しましょう。

(3)内容証明郵便

連絡が取れず、直接会うこともできない相手には内容証明郵便が有効です。内容証明郵便とは「いつ・誰が・誰に・どのような内容」の書面を送ったかを郵便局が証明してくれる郵便です。法的措置の際に証拠としても利用できます。

(4)直接交渉

債務者が交渉に応じてくれるのであれば、法的措置に踏み切る前に直接交渉を検討しても良いでしょう。お互いに歩み寄ることで、円満な解決ができる可能性があります。ただし、交渉がうまくいく保証はなく、逆に相手との関係が悪化してしまうことも考えられます。

交渉の結果、話がまとまれば、契約書などの書面を作成しましょう。支払が将来となったり、分割となる場合には、当事者の同意に基づいて役所で作成する「公正証書」を活用するとより確実です。

2-2.比較的簡易な債権回収の手段を検討する

債権回収の中には、専門家の手を借りずに個人で行うことができる手段もあります。法的措置よりも心理的な負担が少ないため、検討しておくと良いでしょう。

(1)代物弁済

代物弁済とは、代金を支払う代わりに、債務者の財産や債権を引き渡すことです。

債務者によっては金銭を支払う能力がなくても、同程度の価値を持つ商品や財産を持っていることがあります。その財産を譲渡することで弁済とすることができます。他の人に対する債権を譲渡する方法でも構いません。

ただし、財産や債権が本来の債権の価値より低い場合であっても、弁済が行われたとされ、特段の合意のない限り債権は消滅します。反対に、財産や債権の価値が大幅に高い場合には、債権者はその差額分を債務者に支払わなければならない可能性があります。

(2)相殺

もし、債務者も債権者に対して金銭債権を有している場合は、お互いの債権を相殺することが可能です。もちろん、消滅するのはお互い同額です。相手の債権額が上回っている場合には、自分の債権額の限度で消滅させることができます。

相殺は当事者どちらか一方の意思表示によって行うことが可能です。内容証明郵便を利用して、書面で相殺する旨を伝えましょう。債務者と話し合う必要がないため、利用しやすい債権回収の手段だと言えます。

(3)債権譲渡

債権譲渡とは、債権の内容はそのままに、第三者に譲渡することを指します。債権回収でよく使われる手法で、実務上は2つに分けられます。

  • 債権を第三者に買ってもらう
  • 債務者が持っている債権を譲渡してもらう

債権を第三者に買ってもらうと、実際の債権額よりは低額になるものの、いち早く債権を回収できます。債務者が持っている債権を譲渡してもらう方法では、債務者の債務者(第三債務者)からも直接債権回収ができるようになります。シンプルに債権回収の選択肢が増えるため、債権回収の確率が高まると言えます。

(4)債権者代位権の行使

債務者が別の債権を保有している場合、この債権が時効を迎えるなどして消滅してしまうと、債権を回収できる財産が減ってしまうことになります。これを防ぐため、債権者は債務者に代わって、債務者が持つ債権を行使することができます。こうした制度を「債権者代位権の行使」と言います。

代位行使した債権が金銭債権の場合、事実上優先して支払いを受けることができます。代位行使には「債務者が無資力」「債権を保全する必要性」など、複数の条件があるため、あらかじめ確認しておきましょう。

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3.個人で債権回収を行う際の注意点

3-1.債務者が応じてくれるとは限らない

個人の債権回収では債務者が応じてくれるとは限りません。個人での話し合いはあくまで「交渉」であり、法的な拘束力はありません。弁護士や裁判所を通すまで、素知らぬ顔をし続ける債務者も多いです。

さらに、個人で交渉を行う際には、本来の債権額を下回る条件で合意する可能性が高まります。法的措置を望まない場合は、根気よく対応を続けることが必要になってきます。

3-2.回収方法によっては違法行為となる恐れがある

個人で債権回収するときは違法行為に注意しましょう。お金に関するトラブルは感情的になりやすいものですが、グッと堪えて冷静に対応することが求められます。

債権回収で違法行為に問われることがある行動の例としては以下が挙げられます。

  • 恐喝罪・・・乱暴な言葉で脅す、暴力をふるう
  • 不退去罪・・・自宅訪問時に「帰って」と言われても帰らない
  • 私文書偽造・・・借用書や契約書を書き換える
  • 名誉毀損・・・他人に言いふらす、SNSに書き込む
  • 威力業務妨害罪・・勤務先への訪問で債務の存在が公になる

3-3.相手が債務整理や自己破産に踏み切る可能性がある

債務者が多額の借金を抱えるなどして、債務整理や自己破産を検討している様子があれば要注意です。債務整理や自己破産に踏み切ると、十分な債権回収ができず、最悪の場合は回収額がゼロになる可能性もあります。

こうした場合にはすぐに法的措置に切り替えることをおすすめします。支払督促など迅速に債権回収ができる手段を用いましょう。

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4.債権回収を個人以外で行う方法

話し合いによる債権回収が難しい場合、法的措置を検討します。法的措置としては主に、民事調停、支払督促、少額訴訟、通常訴訟、強制執行があります。

法的措置の中には比較的簡易な方法もあり、個人で行うことも可能です。ただし、相手の出方によっては通常の裁判に移行することもあるため、あらかじめ弁護士に相談しておくと安心です。特に債権が高額である場合は、弁護士などの専門家に依頼すると、債権回収の可能性が高まるでしょう。

以下、それぞれの法的措置の内容について解説します。

4-1.民事調停

民事調停は最もハードルの低い法的措置です。基本的には話し合いでの解決となりますが、一般市民から選ばれた調停委員が間に入ってくれます。中立的な立場から当事者双方の意見をまとめてくれるため、相手と直接交渉するよりも合意に至りやすいでしょう。

当事者が合意すれば、調停調書を作成します。これは通常の裁判の判決と同じ効力を持つため、相手が支払いに応じなければ強制執行をすることもできます。

費用が低額で、短期間で解決することもあるため、双方にとって負担の少ない方法だと言えます。一方で、調停が成立しないこともあり、その場合には通常の裁判に移行することになります。

4-2.支払督促

個人での督促で解決に至らなければ、裁判所に支払督促を申し立てる方法があります。書類の提出だけで済むため、法的措置の中では比較的簡単に利用できます。費用も裁判を起こす場合の半額です。

書類審査が通れば、裁判所から相手に支払いを求める書面を送付してくれます。一定期間内に相手から異議がなければ強制執行も可能になります。

ただし、相手が異議を申し立てた場合には通常の裁判に移行します。支払督促自体は個人でも容易に行えますが、裁判に発展することも考えて弁護士に相談しておくと安心です。なお、通常訴訟では、債権者(請求する側)の住所地を管轄する裁判所に訴えを提起することができますが、支払督促に対する異議によって通常の裁判となる場合には、相手方の住所地を管轄する裁判所が管轄裁判所となることに注意が必要です。

4-3.少額訴訟

少額訴訟は通常訴訟よりも比較的簡易的な訴訟です。相手に60万円以下の支払いを求める場合に提起できます。1回の審理で判決が下されるため、短期間での解決が望めます。費用も2万円程度と低額です。

しかし、相手が希望すれば通常の訴訟に移行することもあります。また、簡易的であっても訴訟には変わりないため、証拠の提示が必要です。契約書や借用書などの書面、相手とのやりとりなどを用意しておきましょう。

4-4.通常訴訟

これまで説明してきた法的措置で解決ができなければ、最終的には通常訴訟で争うことになります。通常訴訟の中でも140万円以下の事案は簡易裁判所が管轄します。

訴訟では証拠の提出が求められます。どれだけ明確な証拠を示せるかが勝訴の鍵です。勝訴すれば、裁判所は相手に支払いを命じます。支払いが滞る場合には強制執行も可能です。

通常訴訟は一度の審理で終結する少額訴訟と違い、何度も裁判所に足を運ぶことになります。労力や時間がかかるほか、心理的な負担も大きいため、弁護士に依頼するとより安心です。

4-5.強制執行

調停調書や判決によって相手が支払うことが決まったにも関わらず、相手がそれに従わない場合、強制執行をすることができます。強制執行は相手の財産を差し押さえて、強制的に債権を回収する方法です。

強制執行で差し押さえができる対象には、大きく分けて3つの種類があります。相手の財産状況に合わせて実行しましょう。

  • 預貯金や給与(債権執行)
  • 土地や建物(不動産執行)
  • 家具家電、貴金属、株券など(動産執行)

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5.債権回収を円滑に進めるための流れ

債権回収を円滑に進めるためには、最悪の事態を見据えて入念な準備をすることが求められます。支払い期限を過ぎてから慌てるのではなく、取引前からしっかりと債権回収に向けて取り組むと良いでしょう。ここでは債権回収の具体的な流れを解説します。

5-1.取引前の確認

取引前には相手の経済状況を確認しましょう。これは相手が個人であっても、法人や個人事業主であっても同じです。契約を結んだ場合、しっかりと債務を弁済できるだけの資力があるか経営状態は良好かどうかを確認します。

5-2.取引時の交渉

いざ契約を結ぶ段階になれば、債権回収の際に有利になるように交渉しましょう。個人間のお金の貸し借りであっても、契約書や借用書などの書面は必須です。この時、書面は公正証書で作成すると、のちのち問題になっても有利な証拠として利用できます。

契約時にはできる限り、担保を取ると良いでしょう。担保を取ることで、仮に返済が滞っても、債権者の損害を補うことができます。連帯保証人をつける方法と不動産を含めた財産を担保に取る方法があります。

5-3.話し合いによる解決

期限が過ぎても相手が弁済をしないときは債権回収に動き出します。この時、すぐに法的措置に踏み切るのではなく、まずはカジュアルな方法で相手と接触を図りましょう。ここでは、電話やメールなどによる連絡、自宅訪問、内容証明郵便、直接交渉などの手段を使います。

話し合いによる解決ができれば、相手との関係を悪化させずに債権回収ができます。合意できたら、書面を作成しておくこともポイントです。

5-4.法的措置による解決

相手に歩み寄る姿勢がなければ、法的措置による解決に移行します。民事調停、支払督促、少額訴訟、通常訴訟、強制執行などがその例です。最終的な強制執行を行い、相手の財産を差し押さえることになります。

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6.債権回収に進める前に把握しておくべきポイント

6-1.早めに行動する

債権回収は時間との勝負です。相手の弁済が滞っているということは、他の債務についても支払いができていない可能性が高いでしょう。「もう少し様子を見よう」と放っておくと、相手の財産が底をついてしまうことも考えられます。

特に、債権が高額である場合には、早めの行動が成功の鍵です。他の債権者が債権回収に動き出す前に、自分の債権をうまく回収しなければなりません。相手の資力に不安を感じたら、すぐに弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

6-2.契約内容を確認する

債権回収の前に契約内容をしっかりと確認しましょう。契約書がある場合には、「請求先」「支払期限」「担保の有無」などをチェックします。

支払い義務があるのは契約書に署名した本人ですので、内容証明郵便などを送る際は注意が必要です。支払期限前に催促はできません。また、もし担保を取っていれば、債権回収の手段が広がります。

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7.債権回収の「消滅時効」について

債権回収の際には「消滅時効」にも注意が必要です。消滅時効とは、権利者がその権利を一定期間行使しないことにより、権利が消滅する制度のことです。消滅時効の対象には債権も含まれます。

例えば、貸したお金の返済期限が来たにも関わらず放置し続けると、5年または10年で消滅時効が成立します。相手が消滅時効を援用すると、そのお金を返済してもらうことはできなくなります。

7-1.消滅時効期間

消滅時効が完成する期間は、2020年4月1日を境に変わりました。契約日が2020年3月31日以前であれば旧民法、4月1日以降であれば改正民法が適用されます。債権の種類によっては特別な定めがあることもありますが、一般的な債権に関する消滅時効期間は以下の通りです。

2020年3月31日以前の契約2020年4月1日以降の契約
・基本10年・商行為(貸金業者など)によって生じた債権は5年・債権者が権利を行使することができることを知った時から5年・権利を行使することができる時から10年※いずれか早い方

7-2.時効完成を防ぐには

時効完成によって債権が消滅することを防ぐには、何らかの手段で時効完成を延期する必要があります。消滅時効期間を延ばす手段は大きく分けて「完成猶予」と「更新」の2つです。

  • 完成猶予・・・一定の期間、時効の完成が先延ばしにされること
  • 更新・・・これまでの消滅時効の進行がリセットされ、また0から数え直しになること

例えば、相手に「お金を返して」という内容の文書を送ると、完成猶予事由の「催告」に該当し、6ヶ月間時効の進行が中断されます。以下、消滅時効が完成猶予・更新されるケースを大まかにまとめました。

事由完成猶予更新
協議を行う旨の合意⚪︎
催告⚪︎
仮差押えなど⚪︎
承認⚪︎
裁判上の請求など⚪︎⚪︎
強制執行など⚪︎⚪︎

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8.債権回収を弁護士に相談するメリット

弁護士は法律のスペシャリストです。特に債権回収に詳しい弁護士であれば、個々の事情に応じた最適な手段を紹介してくれます。債権回収までの見通しが立てられるのも大きな強みです。弁護士に相談することで以下のメリットがあります。

  • 回収できる確率が高まる
  • 相手との交渉を代理してくれる
  • 法的措置も一貫して任せられる
  • 早期解決が望める

債権回収はスピードが命です。特に多額の債権を持っている場合には他の債権者との勝負になります。弁護士に依頼することで回収できる確率が高まります。相手の弁済状況に違和感を覚えたら、なるべく早く弁護士に相談することをおすすめします。

9.債権回収の弁護士費用の相場

弁護士に相談する際、最も気になるのは費用ではないでしょうか。弁護士費用には相談料、着手金、実費、成功報酬の4つの種類があります。以下、それぞれの内容と費用相場についてまとめました。

費用の種類内容費用相場
相談料相談を持ちかけた時点で発生する費用無料〜1万円
着手金依頼成功・失敗に関わらず発生する費用5万〜30万円※依頼内容によって異なる
実費郵送費や交通費、申立て費用など5000〜10万円※依頼内容・額で変動
成功報酬債権回収が成功した場合の報酬回収額の10〜20%

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10.債権回収に関してよくあるQ&A

10-1.借用書や契約書がなくても債権回収できますか?

借用書や契約書など書面を作成していなくても債権回収は可能です。この時、相手とのやりとりの記録や発注書・請求書、振り込み履歴などが証拠として利用できます。

10-2.相手が音信不通になってしまったら諦めるしかありませんか?

相手が音信不通になってしまっても、債権回収をする方法はあります。弁護士に依頼すれば、相手の住民票や戸籍を取り寄せたり、携帯電話の番号から相手の情報を照会したりできます。さらに、相手が行方不明であれば、不在者財産管理人を選定した上で債権回収を図ることも可能です。

10-3.相手が財産隠しをする恐れがある場合はどうすれば良いですか?

相手が財産を隠そうとしている場合には「民事保全手続き」が有効です。これは相手の財産を仮に差し押さえておくための手続きです。相手が財産を現金化して親族に贈与したり、家族名義に変更したりすることを防ぐことができます。

11.まとめ

債権回収は素早い対応と正確な手続きが求められます。早いうちから相手との連絡を取り、それぞれの事情に応じた適切な方法を選択することが必要です。

債務者が個人の場合、まずは電話やメールなどカジュアルな手段を取ることも手です。話し合いによる解決ができれば、相手との関係を壊すことなく、債権を回収することができます。

しかし、債務者によっては、弁護士や裁判所などの通知がないと動いてくれない場合もあるでしょう。法的措置には様々な方法がありますが、より簡易的な方法を取ったとしても、最終的には通常訴訟に移行する可能性があります。あらかじめ裁判を想定し、弁護士に相談するなどして準備しておくと良いでしょう。

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担当者

牧野 孝二郎
牧野 孝二郎法律事務所リーガルスマート弁護士
■経歴
2009年3月 法政大学法学部卒業
2011年3月 中央大学法科大学院法務研究科修了
2012年12月 弁護士登録(東京弁護士会)
2012年12月 都内大手法律事務所にて勤務
2020年6月 Kiitos法律事務所設立
2021年3月 優誠法律事務所設立
2023年1月 法律事務所リーガルスマートにて勤務

■著書
・交通事故に遭ったら読む本 第二版(出版社:日本実業出版社/監修)
・こんなときどうする 製造物責任法・企業賠償責任Q&A=その対策の全て=(出版社:第一法規株式会社/共著)
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