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休日出勤は違法?定義やよくあるトラブルについて弁護士が解説!

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1.休日出勤の定義とは

体調不良のためにシフトなど交代したりして、上司から出勤してほしいと言われたこともあるでしょう。

休日出勤とは、会社で休みと決めた日に、出社して働くことです。

原則として、労働基準法の定めにより会社が休日出勤を命じることはできません。

ただし、36協定という、時間外や休日に働かせることに関する手続きを行っていれば、出勤させることができます。

また、36協定に則って休日に働かせても、労働基準法に違反していれば、違法にはなる可能性があります。例えば、賃金支払いの際に、休日出勤に対して支払うべき割増賃金が支払われていなければ違法となります。

労働基準法では、労働者が働くうえで、労働時間や休日に関する決まりを定めています。原則として、労働者は1日8時間、週に40時間が働く上限です。

休日は、週に1日以上または4週間あたり4日以上を休まなければならないと定められています。休日出勤をした際には、代わりに別の日に休むこともできます。振替休日や代休が該当します。

管理職になると、休日出勤が増える傾向にありますが、法律によって休日手当は適応されないというルールも存在します。労働者がみんな休日出勤をしても手当がもらえることではないということです。

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2.休日出勤は違法なのか

休日出勤は違法なのか、という疑問があるでしょう。場合によっては、労働基準法違反となる可能性もあります。違法になる出勤とならない出勤について解説します。

違法になる休日出勤は、法定休日に働かせることです。法定休日とは、労働基準法で定められている「週に1日は休まなければならない」という最低限の休みのことをいいます。

水曜と日曜を休日と定めていた場合、水または日のいずれかが法定休日となります。何曜日を法定休日とするかは会社が決められますので、水曜日が法定休日と指定されている会社もあります。

他方で違法にならない休日出勤は、36協定を結んでいる場合です。36協定とは、休日に働く条件や、月で働く時間の上限を会社と労働組合(組合がない場合には労働者の過半数)との間で約束するものです。

そして、約束をした上で、労働基準監督署へ届け出ることで、36協定が有効となり、休日出勤は違法なものではなくなります。

法定外休日の場合は、出勤しても違法とはなりません。週に1日でも休みが確保されていれば、法律的には問題ないとされています。

たとえば、水曜と日曜が休みと決めていて、水曜はいつもどおりに休んで、日曜は出勤しても違法にはなりません。水曜が週に1日の休日にあたるため、法定休日は取れているという認識だからです。

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3.休日出勤でもらえる賃金

休日出勤でもらえる賃金は、割増賃金を払う場合と払わなくてよい場合があります。それは、法定休日に出勤か、所定休日に出勤かで異なります。しかし、所定休日でも割増賃金が発生する場合もあるため、休日の認識に注意しなければなりません。

また、割増賃金は法定休日に出勤した場合の対象となるため、「法定外休日」の出勤は割増賃金を払う必要はありません。ただし、週40時間の法定時間を超える労働時間に対しては、時間外労働として割増賃金を支払う必要があります。

以下に法定休日に出勤した場合の割増賃金について詳しく解説します。

3-1.休日出勤の割増賃金

会社は、法定休日に出勤させた場合は35%を割り増しして賃金を支払う義務があります。

わかりやすく時給で働く労働者の例で解説します。

時給1,500円で法定休日に4時間働いた場合は、1,500円×1.35×4時間で8,100円という計算です。

割増でなければ6,000円となるため、2,100円が時給に上乗せされていることになります。

会社によって、割増賃金率が変わったり、そのほか条件を付けていたりする場合は、その規定に則った計算をしなければなりません。

あくまでも、労働基準法の最低限の決まりが割増35%のため、会社の規定を細かく確認する必要があるでしょう。

割増賃金とならないのは、法定外休日に出勤したときです。

たとえば、水曜と日曜が休みの会社で、水曜を出勤して、日曜を休みとした場合。週に1日の休みである法定休日は取っているため、水曜の出勤は「休日」の割増賃金の支払いはしなくてもよいでしょう。

ただし、週40時間以上働いていて、さらに水曜も出勤した場合は、また、別の割増賃金の対象となるため、計算には注意が必要です。

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4.見落としがちな休日出勤

休日出勤をしているが、見落としてしまっている場合もあり、割増賃金が支払われていると気づくこともあるでしょう。

見落としがちな休日出勤は以下の3つが挙げられます。

  • 強制参加の研修など
  • 休日出勤を見て見ぬふり
  • 課題や仕事の持ち帰り

休日出勤は割増賃金の対象となり、見落としていては違反となります。休日出勤をしっかり把握して、賃金が正しく支払われているか確認する必要があるでしょう。

4-1.強制参加の研修など

看護師や営業職、販売職などは研修が頻繫にあります。そして、休日に行われることが多いでしょう。

このように、休日に行われる研修が強制参加であったり、欠席するとペナルティが課せられたりすることがあれば、休日出勤の対象です。

しかし、任意で行ってもいかなくてもよい研修は休日出勤にはならないため、注意しましょう。だだし、任意と行っても、出席しなければ評価が下がったり、実質的に強制のような研修であれば、休日出勤にあてはまる可能性があるでしょう。

また、社内行事も休日に行われることがあります。労働時間内に行うか、休日に行うかで

賃金の発生が関わってきます。

もし、研修や社内行事が強制となっていて、休日出勤扱いされていない場合は、労働問題に詳しい弊社へご相談下さい。メールやLINEからもお問い合わせ可能です。

4-2.休日出勤を見て見ぬふり

見落としがちな休日出勤として、上司などが見て見ぬふりをしている場合です。仕事が勤務時間内に終わらず、休日を返上しないと間に合わないために出勤をしているという状況があるでしょう。

このように、きちんと理由があって働いているのに、「勝手に職場に来ているだけ」と上司に思われます。

業務時間内に終わらない仕事量や、上司が休日に働いているのを認識している場合は、休日出勤となり、賃金を割増して支払わなければなりません。

一方で、労働者が働きたくて来ている場合は休日出勤に該当しません。休日出勤はなるべくしない方がよいですが、見て見ぬふりをされないように、出勤した際は、申告をして、賃金をきちんと支払ってもらうようにしましょう。

また、出勤したという証明もあるとよいでしょう。タイムカードが押せない場合は、メモに記したり、スマートフォンの発信記録や会社の建物の出入りした記録などがあると出勤した証拠になります。

4-3.課題や仕事の持ち帰り

業務以外にも、明日までに課題を終わらせてという上司からの指示で、やらなければならないこともあるでしょう。勤務時間では到底できない量の課題が出され、家に持ち帰ってしているという方も少なくありません。

課題や仕事の持ち帰りをしている場合も、休日出勤または時間外労働と考えてもよいでしょう。

そもそも、仕事は勤務時間内に行うもので、自宅へ持って帰ってまでやることではありません。しかし、自身の仕事の効率や量によっては、終わらせることができず、持ち帰ってやるしかないと考えている方もいます。

また、会社は残業を禁止しているため、定時に上がらせて家で残りの仕事をしなくてはならず、持ち帰るという結果に。

義務づけられている課題であれば、労働時間に該当するため、割増賃金の対象となります。同じく、仕事を持ち帰ってやる分にも労働時間扱いになるため、支払わなければ法律違反となるため、休日出勤または時間外労働の申請を行いましょう。

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5.休日出勤が多い人の対処法3選

仕事が終わらない、または会社からの課題があり、休日出勤が多くなってしまうという人もいるでしょう。休日出勤をしないための対処法として3つ紹介します。

  • 休日出勤を断る理由を作る
  • 代休の交渉をする
  • 正規の休日手当を請求する

休日を取ってしっかり休息しなければ、ストレスも溜まり、仕事の効率も悪くなってしまいます。また、働きすぎで、うつ病や過労死につながる可能性もあるため、なるべく休日出勤を減らすように検討してください。

5-1.休日出勤を断る理由を作る

休日出勤が多くて悩んでいるという人に、断る理由を作ってみましょう。頼まれると断れずに受け入れてしまい、自分の仕事が終わっていないのにさらに仕事が増えてしまうこともあるでしょう。そのような場合は、断る勇気も必要です。

たとえば、病院へ行く、子どもなどの家庭の事情、冠婚葬祭などの理由で断ると、上司も納得する可能性が高まります。

断るときは、できるだけ具体的な内容を伝えることが大切です。しかし、何度も同じ理由で休日出勤を断っていては、怪しまれることがあるため、注意しましょう。

さらに、一度休日出勤できると返事したのであれば、後にやっぱりできませんと断らないように気を付けましょう。

このように、頼まれてもしっかり理由を作って断り、休日出勤を減らす努力をしましょう。

5-2.代休の交渉をする

休日出勤が多い人は、代休の交渉をしてみるのも1つの方法です。代休とは、休日出勤したときに、その代わりとして休むことをいいます。休日出勤した場合は、代休がもらえないか上司に交渉をしてみましょう。

休日出勤をした場合に、代休を取ることで減ってしまった休みを補うことができるでしょう。会社にとっても、代休を取ってくれた方が、割増賃金が発生しないため、メリットがあります。

このように、代休を取りたいと交渉し休息にあてましょう。身体を休めることが仕事をする上でとても大切なことです。

5-3.正規の休日手当を請求する

休日出勤をしたが、賃金を割増で支払ってもらっていないという方は、正規の休日手当を申請しましょう。また、時間外労働の割増賃金がきちんと支払われていない方も対象です。

休日出勤や時間外労働をした際は、割増賃金を支払う必要があります。支払えないと言われた場合は、違法にあたります。労働した分は払う義務があり、労働基準法によっても定められています。

会社と賃金のことで揉めるのはなるべく避けたいですが、正当な賃金が支払われていない場合は、法的に請求することも可能です。

休日手当など未払いがあり、会社に請求したい場合は労働基準監督所、または弁護士に相談しましょう。弊社には労働問題を得意とする弁護士が在籍しています。1人で悩まずご相談ください。メールやLINEからも受け入れております。

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6.休日出勤から発展するよくある労働問題とは

休日出勤から発展するよくある労働問題を3つ挙げます。

  • 手当が支払われていないなどの賃金問題
  • 代休または振替休日をもらえない
  • 新人だからと出勤を多く命令するなどのパワハラ

割増で賃金を支払わないと違法であり、代休を交渉しても取らせてくれないなどのトラブルがあります。さらに、休日出勤の命令が嫌がらせや不当な動機によってなされているなどは、労働問題に発展します。

以下に解説しますので、参考にしてください。

6-1.手当が支払われていないなどの賃金問題

休日出勤から発展する問題で多いのが、賃金の問題です。休日出勤をした場合は、通常の賃金に対して、35%割増で支払う必要があります。

また、休日出勤には、休日手当や時間外労働、深夜手当の割増賃金が発生する可能性があるため、きちんと計算されて支払われているか確認してみましょう。

賃金の計算は複雑であるため、自分で行うと間違っている場合もあります。割増賃金の正しい知識を持ち、間違っている、または支払われていないと認識できるようにすることも大切です。

手当が支払われていないとわかれば、会社に未払いであることを申し出ましょう。労働した分は対価として賃金を支払らっていない場合は労働基準法違反となります。

6-2.代休または振替休日をもらえない

休日出勤をしたにも関わらず、代休または振替休日をもらえない場合も問題となります。たとえば、月の休みが10日あるはずが、7日しか与えられなかったということもあります。

休日出勤の代休をなしにすることは違法ではありませんが、週に1日または4週で4日の休みを与えず、代休も取らせないとなれば違法です。

代休は休日出勤をした方に認められた権利です。繁忙期や交代してくれる方が見つからないという場合は、休みを取れないこともありますが、基本的には、代休を取れるように決められているでしょう。

代休の取り方は会社によって異なるため、確認をしておくことも大切です。

また、振替休日の取得を強制することもあるでしょう。たとえば「土曜に出勤して欲しいから、別日に休みを取るように」と上司から言われる場合もあります。

この場合、違法となるのではと思ってしまいますが、必ずしも違法ではないため注意しましょう。

6-3.新人だからと出勤を多く命令するなどのパワハラ

会社に入りたての新人だからといって、早く仕事を覚えてもらおうと、休日出勤を命令することはパワーハラスメントに該当するでしょう。

パワーハラスメントとは、パワハラと呼ばれ、職場で働く者に対して、嫌がらせや精神苦痛を与える行為のことです。

休日出勤は、正当な理由があれば休むことができ、理由がなければ、出勤しなければなりません。

また、労働者本人の健康状態や家庭の事情で休日出勤できないと伝えているにも関わらず、強制する場合はパワハラと見なされることも。パワハラだと思われるような休日出勤の申し出であれば、拒否できる可能性もあるでしょう。

このように、不当な理由で休日出勤をさせられる、強制や命令をするのは、職権乱用にもあたります。休日出勤を理由にパワハラをされた場合は、社内の相談窓口や弁護士に相談しましょう。

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7.休日出勤から発展するよくある労働問題を弁護士に相談、依頼するメリット

休日出勤から発展するよくある労働問題を弁護士に相談、依頼するメリットとして2つ挙げます。

  • 休日手当などの未払い賃金の回収ができる
  • 交渉から手続き、訴訟まで任せられる

法律のプロであり、労働問題を専門とする弁護士に相談すると、スムーズに解決に向けて動いてくれるでしょう。

7-1.休日手当などの未払い賃金の回収ができる

休日出勤に対する賃金の未払いがあれば、弁護士に相談、依頼することで回収が見込めます。手当や未払い分の賃金の計算は割増もあるため、複雑化しています。自分で計算するのは難しいため、とても時間がかかる上に、正しいか判断できないこともあるでしょう。

また、正確に計算ができていない未払い賃金を会社に請求しても、会社が取り合ってくれる可能性は少ないと考えられます。賃金を支払ってもらうには時間も労力もかかり、解決がスムーズにいかないこともあります。

しかし、弁護士に依頼することで、未払い分の手当を正しく計算し、会社へスムーズに対応してもらえます。スピーディーに回収できるのは、メリットでしょう。

7-2.交渉から請求手続き、訴訟まで任せられる

労働者の代わりに会社への交渉から、未払い賃金請求の手続き、訴訟まですべて任せられるのが弁護士に依頼するメリットです。

弁護士に依頼すると交渉する際は自分ではなく、代わりに弁護士が行ってくれます。

そのため、会社との言い合いや揉め事もなくなることで、ストレスが減るでしょう。

また、交渉の際には、順序立ててどう言えば受け入れてもらえるかなど、考える必要があります。弁護士は経験も多い上に、法律を熟知しているため、どうすれば解決できるか考えながら進められます。

もし、会社が支払いを拒否すれば、訴訟を行うことになります。弁護士はその手続きも全て任せられるため、心強いでしょう。依頼者に寄り添って解決に向けて尽力をしてくれます。

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8.休日出勤に関するよくあるQ&A

8-1.休日出勤は拒否できますか

休日出勤について就業規則で決められている場合は、原則、拒否することができません。しかし、病気での通院や冠婚葬祭などきちんとした理由がある場合は、断ることができます。

あらかじめ予定がわかっている場合は、上司に伝えておくと断りやすいでしょう。

8-2.休日出勤は何割増しで支払われますか

休日出勤をした場合は、賃金の35%を割増して支払われます。休日出勤をして深夜に残業し重複する場合は、35%に加え25%となるため、60%の割増賃金を支払うことになります。

8-3.休日出勤の手当が支払われていません。どこに相談すればいいですか

賃金がきちんと支払われていない場合は、会社の相談窓口や労働基準監督署に相談をしてみましょう。未払い賃金を請求したい場合は、弁護士に依頼すると交渉から請求手続きまでお任せできます。

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9.まとめ

本記事では、休日出勤の定義や違法であるか、賃金の支払いについて紹介しました。休日出勤とは、会社で休みと決めた日に働くことです。36協定が存在するなど、労働基準法に違反しない範囲で命じられた休日出勤は違法ではなく、原則、拒否することはできないため、働かなければなりません。

しかし、家庭の都合や、通院、冠婚葬祭など、きちんとした理由であれば、断ることも可能です。出勤した際は、.35%の割増賃金が支払われるとお分かりいただけたのではないでしょうか。

会社では、研修や社内イベントなどが休日に行われることがあります。強制参加であったり、欠席するとペナルティが課せられたりすることがあれば、休日出勤の対象となるため、注意が必要です。

もし、休日出勤が多く悩んでいる方は、断る理由を考えたり、代休の交渉をしたりするとよいでしょう。休日出勤をしても、手当が支払われていないなどの問題があれば、弁護士に相談するのも解決策の1つです。

私たち法律事務所リーガルスマートは、休日出勤のトラブルをはじめとする労働問題の専門チームがございます。初回60分無料でのご相談をお受付しています。不安なことがあったら、一人で悩まず、お気軽にご相談ください。

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担当者

南 陽輔
南 陽輔一歩法律事務所弁護士
■経歴
2004年3月 大阪大学法学部卒業
2007年3月 関西大学法科大学院卒業
2008年12月 弁護士登録(大阪弁護士会所属)
2008年12月 大阪市内の法律事務所で勤務
2021年3月 一歩法律事務所設立

大阪市内の法律事務所に勤務し、民事訴訟案件、刑事事件案件等幅広く法律業務を担当しておりました。2021年3月に現在の一歩法律事務所を設立し、契約書のチェックや文書作成、起業時の法的アドバイス等、予防法務を主として、インターネットを介した業務提供を行っております。皆様が利用しやすい弁護士サービスを提供できるよう心掛けております。
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