慰謝料請求したい
妻の不倫が発覚した際の対処法や慰謝料請求について弁護士が解説
夫婦の一方が不倫をしているような場合、真っ先に浮かぶことは慰謝料請求ではないでしょうか。
不倫は悪いことであり、慰謝料請求をしたいというのはシンプルなのですが、その法律関係や注意点はしっかり把握しておくべきです。
そこで本記事では、夫婦のうち妻が不倫をしているケースを想定事例として、慰謝料請求について解説します。
目次
1.妻の不倫のよくある原因とは
そもそも妻が不倫をする原因にどのようなものがあるのでしょうか。
1-1.夫に不満がある
まず妻が夫に不満を抱いているようなケースが挙げられます。
結婚をして長期間たつと、夫婦の関係も変わってきます。
妻を女性として見てくれなくなった、体型が変わってしまった、おしゃれをしなくなった、夫は休みの日は寝てばかりである、というような事が積み重なると、妻は夫に不満を持つようになります。
そんなときに、気になる男性が現れて、つい不倫をしてしまうことがあります。
1-2.日常が退屈で刺激が欲しい
日常が退屈で刺激が欲しいという理由で不倫をしてしまうということもあります。
例えば、専業主婦である場合、外の世界との関わりが少なくなってしまいます。
独身の頃にはよく旅行に行ったり、夜に外に出たりしていたけども、結婚してからはできなくなってしまって、日常が退屈に感じたときに、気になる男性が現れて不倫に至ることがあります。
1-3.流されやすい
流されやすい性格をしている人が不倫をしてしまうことがあります。
街で声を掛けられ、結婚しているからと断ろうとしても、声を掛けてきた男性が強引で断るきっかけを失ってしまった、という流されやすい性格の方もいます。
断るきっかけを失ってズルズル交流を続けた結果、不倫に至ってしまうことがあります。
2.妻が不倫していると感じる行動特性とは
妻が不倫をしているんじゃないか?と男性が感じる行動特性には次のようなものがあります。
2-1.服装や化粧が変わった
妻の不倫を疑う行動特性として、服装や化粧の傾向が変わるということが挙げられます。
外で男性と会う以上、どうしてもおしゃれをしたいというのが女性心です。
不倫をする前は、近所のスーパーなどに出かける程度で、Tシャツにジーンズ、化粧も薄かったという女性でも、急にワンピースや厚めの化粧になるということがあります。
下着が派手になるということもあるでしょう。
2-2.外出が増え家事がおろそかになる
不倫相手の男性と会うために外出が増えた結果、家事がおろそかになることなどが、不倫をしている女性の行動特性として挙げられます。
外で男性と会うために自宅を開ける時間が増えると、その分掃除の回数が減ったり、簡単な食事しか作らなくなる、ということが考えられます。
また、酷いケースでは、外泊を頻繁に行うようになります。
2-3.スマートフォンを離さなくなる
スマートフォンを離さなくなります。
不倫相手の男性と電話・電子メール・SNSでメッセージをやりとりするようになります。
画面に通知が出て夫に見られてはいけないため、夫婦で居るときにトイレに行くときにでもスマートフォンを持っていくようになるでしょう。
お風呂にもスマートフォンを持っていき、お風呂の中でメッセージのやりとりをすることもあります。
2-4.夫との関係がぎくしゃくする
不倫相手に夢中になると、夫との関係がぎくしゃくするようになります。
夫とのデートや性行為を拒み、一緒に居ることすら避けるようになることもあります。
3.妻が不倫していると思ったときにするべきこととしてはいけないこと
妻が不倫していると思ったときにするべきこと、してはいけないことにはどのようなものがあるでしょうか。
3-1.妻が不倫していると思ったときにしてはいけないこと
妻が不倫をしていると思っても次のようなことはしてはいけません。
3-1-1.自分も不倫をする
妻が不倫をしているから…と、自分も不倫をすることはやめましょう。
もし離婚や慰謝料請求をしようとしても、妻の不倫を立証できず、逆に自分が不倫をしていたとして離婚を請求され、慰謝料請求をされてしまうことになります。
また、双方ともに不倫をしているような場合、すでに夫婦関係が破綻していたと認定され、慰謝料請求ができなくなったり、慰謝料が減額されたりする可能性もあります。
また、子どもがいる場合には、子どもに悪影響を生ずる可能性が高いです。
3-1-2.突然自宅を出る
突然、自宅を出てしまうこともできれば避けましょう。
夫婦は同居する義務があり(民法752条)、突然自宅を出てしまって、妻と連絡をしない、生活費を入れないような場合には、極端に言えば、民法770条1項2号の「悪意の遺棄」と認定されるリスクもあります。
そのため、別居するならば、妻に不倫を認めさせた上で、合意で別居するのが望ましいといえます。ただし、妻に不倫を認めさせるかどうかはケースバイケースですので、できれば事前に専門家に相談するようにしましょう。
3-1-3.証拠も無く問いただす
特に証拠も無く問いただすことはしてはいけません。
当然ですが、妻は不倫していた証拠となるものを隠したり、消したりしてしまうでしょう。
その結果、不倫をしていることを立証できなくなってしまいます。
3-1-4.妻に暴言を吐く・暴力を振るう
感情的になって、妻に暴言を吐いたり、暴力を振るうことは絶対にしてはいけません。
妻が不倫をしているからといって、多少強く言ってしまうことはあっても、度を超える暴言や暴力が許される訳では有りません。
逆に、暴力をふるったことで警察沙汰になってしまったり、離婚や慰謝料を請求される立場になりかねません。
3-2.妻が不倫していると思ったときにするべきこと
妻が不倫していると思ったときにするべきこととしては次の通りです。
3-2-1.事実関係を確認するのが最優先
まず、事実関係を確認しましょう。
妻が不倫をしているのかどうか、不倫をしているとして、いつから・どれくらいの頻度で、などを確認する必要があります。
子どもがいる場合で、身体的特徴が自分の子どもではないかもしれない、と感じる場合には子どもと自分の親子DNA鑑定を行うことも検討すべきケースもあるでしょう。
3-2-2.相手について調べる
不倫相手について調べます。
後述しますが、慰謝料請求は妻及び不倫相手の双方に行うことができます。特に婚姻関係を維持する場合には不倫相手にのみに請求するケースが多いでしょう。
この請求を行うためには、不倫相手が誰かわからなければ行えません。
不倫相手の氏名・住所はもちろん、できれば裁判・強制執行に備えて、財産・勤務先(給与の差し押さえができるようになります)まで調べておいたほうが良いです。
不倫の事実関係や相手についての調査は探偵・調査会社を利用して行う事例も多数あります。
4.妻の不倫が発覚したときにするべきこと
探偵を雇って妻の不倫が発覚したときにすべきことはどのようなことでしょうか。
4-1.離婚するかどうかを決める
まず、離婚するかどうかをしっかりと検討して決めましょう。
夫婦関係を今後も続けるかについては、子どもの有無・妻の意向・背信の程度・反省の様子などを含めて十分に検討する必要があります。
離婚するかどうか、すぐに判断がつかないようなケースでは、まずは別居をしてみても良いでしょう。
4-2.離婚しない場合には不倫相手に慰謝料請求
妻と離婚しない場合(今後も婚姻を継続する場合)には、不倫相手に対して慰謝料請求を行うかどうかを検討しましょう。
慰謝料請求については後述します。
4-3.離婚する場合には離婚手続きと慰謝料請求
妻と離婚する場合には、離婚手続きの中で後述するように妻と不倫相手に対して慰謝料請求を行います。
5.妻が不倫していた場合、慰謝料請求はできるのか?
慰謝料請求について、妻が不倫をしていた場合でも請求はできるのでしょうか。
夫婦間のトラブルで妻側がお金を払うのでしょうか。
5-1.慰謝料請求の法律上の根拠
夫婦はお互いに貞操義務を負っており、不倫することは、この貞操義務に違反する行為です。不倫は、民法709条の不法行為に該当し、不倫された側の配偶者は、民法709条、710条に基づく損害賠償請求(慰謝料請求)を行うことができます。
5-2.妻でも不倫をした場合には慰謝料請求の対象となる
以上のように、民法の不法行為損害賠償請求権を根拠にするものであるため、特に妻(女性側)にのみ認められているものではありません。
妻が不倫をして夫に対して精神的苦痛を与えた場合には、夫に対して慰謝料を支払わなければなりません。
5-3.慰謝料請求権の時効に注意する
慰謝料請求権については時効に注意しましょう。
慰謝料請求の法的根拠である不法行為に基づく損害賠償請求権は、損害および加害者を知ってから3年が経過すると時効にかかる旨が規定されています(民法723条1項)。
また、不法行為時から20年でも時効にかかるとされています(民法723条2項)。
そのため、妻が不倫をしていたことと相手が判明してから3年、不倫をしたときから20年が経過すると、慰謝料請求権は時効にかかることに注意しましょう。
時効にかかりそうなときには、時効の更新・完成猶予という制度を利用して、時効が完成しないように対応をしましょう。
時効の更新・完成猶予の制度にはいくつか方法があるのですが、一つの典型的な方法としては、相手に対して催告を行なって6ヶ月の時効の完成猶予を行い(民法150条1項)、その6ヶ月の間に裁判を起こすことが挙げれれます(民法147条)。
この場合、催告をしたことを証明するために、内容証明郵便が利用されます。
6.妻が不倫していた場合、誰に慰謝料請求できるのか?
妻が不倫していた場合、夫は誰に慰謝料請求ができるのでしょうか。
6-1.夫は妻に慰謝料請求ができる
まず、妻が不倫をしていた場合、夫は妻に対して慰謝料請求が可能です。
6-2.夫は不倫相手に慰謝料請求ができる
あわせて、夫は不倫相手に対して慰謝料請求ができます。
不倫は妻と不倫相手で行うものですので、この場合、妻と不倫相手は共同して不法行為を行なったものと取り扱われます(民法719条)。
6-3.どちらに慰謝料請求をするのか
妻および不倫相手双方に慰謝料を請求できる本件では、どちらに慰謝料請求すべきなのでしょうか。
民法719条は、共同不法行為の場合には、連帯して損害賠償を支払う旨が規定されています。
この連帯の関係については、民法では不真正連帯債務という分類がされており、妻および不倫相手双方に全額請求ができることになっています。
ですので、法律上はどちらに対しても請求が可能です。
ただ、離婚せずに婚姻関係を続ける場合には、妻に対しては請求せずに、不倫相手にのみ請求することが多いです。
この場合、理論上、全額を不倫相手に請求すると、不倫相手は妻に対して不法行為に対する関与の度合いに応じた求償権という権利の行使ができることになっています。
例えば、慰謝料を200万円として、不倫相手と妻の責任割合を5:5とすれば、不倫相手に200万円支払わせると、不倫相手は妻が関与している部分の100万円部分について請求できることになっています。
ただし、これは理論上のお話しであり、実際には不倫相手に全額請求して、不倫相手との交渉で不倫相手が支払うべき賠償額を決めて終わりになることが多く、その後に不倫相手が妻に求償するというケースは少ないです。
7.妻が不倫していた場合の不倫慰謝料の相場は?
妻が不倫していた場合の不倫慰謝料の相場はどの程度なのでしょうか?
7-1.慰謝料を明確に定める法律の規定はない
まず、慰謝料の支払い額について明確にいくら支払うとする法律等の規定はありません。
そのため、精神的苦痛の程度に応じて、事案ごとに決定することになります。
7-2.慰謝料の相場は50万円~300万円程度
妻が不倫していた場合の不倫慰謝料の相場は、50万円~300万円程度です。
まず、不倫慰謝料の相場として、離婚することになったか、離婚しないかによってケースわけをします。
その上で、
- 離婚をしない場合:50万円~100万円程度
- 離婚をする場合:100万円~300万円程度
となるのが一般的です。
離婚をする場合としない場合で大きく違うのは、離婚をするということは不倫が婚姻関係を破綻させた原因であり、責任が重いとされるためです。
また、各場合でそれぞれ幅があるのは、不倫の態様(不倫をしていた期間・程度・妊娠したかなど)や婚姻の態様(婚姻期間、未成熟子の有無)などがケースごとに異なるためです。
8.不倫慰謝料を請求する方法とは
不倫慰謝料を請求する方法にはどのような方法があるのでしょうか。
8-1.交渉で請求する
まずは相手に直接請求して交渉します。
交渉の方法について特に法律で定められているものはありませんので、電話・メール・FAX・SNSのメッセージなどを利用して請求することも可能です。
8-2.本気で請求することを示すための内容証明
実務上、本気で慰謝料を請求したいことを示すために利用されるのが内容証明です。
内容証明は、送った文書の内容を郵便局が証明してくれる制度ですが、書式が相手に与える心理的圧迫が大きい書面であるため、実務上多く利用されます。
内容証明は、1枚の行数・文字数が決められていたり、封筒の記載方法、通常は3通作成して持参するなど、提出方法が厳格に定められてます。
また、郵便局のうち、郵便認証司の居る郵便局でのみ取り扱っているので、併せて注意をしましょう。
8-3.法的手続き
妻や不倫相手が任意に支払いをしない場合は、裁判を起こすなどして、最終的には相手の財産に強制執行を行うことになります。
強制執行を行うためには、民事執行法22条所定の債務名義が必要となります。
債務名義は、
- 裁判(判決)
- 支払督促
- 少額訴訟
- 民事調停(調停調書)
といった法的手続きを行うことで取得が可能です。
通常の民事裁判の他に、金銭の請求を簡単に行うことができる支払督促、60万円以下の請求を1回の審理で終わらせることができる少額訴訟といった訴訟手続があります。
また、裁判官と調停委員が間に入って当事者の意見を聞きながら紛争解決を行う民事調停の利用も可能です。
8-4.強制執行
上記の訴訟などの法的手続きを経てもなお支払ってもらえない場合には、強制執行を行います。
相手の財産のうち、差し押さえ禁止財産にあたらない財産については強制執行の対象となります。
例えば、相手が働いている場合には給与のうち手取り額の1/4を差し押さえることができます。全額回収できるまで毎月会社から該当部分を差押えることができます。
9.妻の不倫の慰謝料請求を弁護士に相談するメリット
妻が不倫した場合の慰謝料請求を弁護士に相談するメリットとしては次のようなものが挙げられます。
9-1.法的なサポートを受けられる
弁護士に相談すれば法的なサポートを受けることができます。
妻が不倫した場合に慰謝料を請求するとなっても、どのような証拠を集めればよいか、自分のケースではいくらの慰謝料が適切か、相手に法的請求をする手続きはどれを選べば良いかなど、ケースに応じた法的な知識が必要です。
弁護士に相談すれば、法的なサポートを受けることができ、適切な対応をしてもらうことができるようになります。
また、証拠の収集のために探偵が必要なのであれば、裁判を見据えた証拠収集が得意な探偵・調査会社を紹介してもらうこともできます。
9-2.冷静に対応ができるようになる
ここまで、証拠を集める、離婚をするかどうか決める、慰謝料を請求すると、順を追ってご紹介してきました。
しかし、妻が不倫した当事者が、これらのことを冷静に進めていくのは困難なことが多いです。
弁護士に相談すれば、今なにが必要なのかを客観的に提案してくれるため、冷静に対応をすることができます。
9-3.妻や不倫相手との交渉・手続きを任せられる
弁護士に依頼すれば、妻や不倫相手との交渉や、裁判などの手続きを任せられます。
妻が不倫をした場合に、その慰謝料を巡って妻本人や不倫相手と交渉をするのは、精神的にも大きな負担であるといえます。
また、法的手続きをするためには、平日に裁判所に出廷して手続きを行う必要があり、平日の日中に仕事をしている人であれば、仕事を休む必要があるなどの負担を伴います。
ただでさえ、妻が不倫したという大きな精神的ストレスを抱える中で、このような負担をさらに抱えることになるのは大変です。
弁護士にまかせてしまえば、精神的にも非常に楽になります。
9-4.妻・不倫相手にも大きなプレッシャーとなる
弁護士に依頼して手続きをまかせてしまえば、妻・不倫相手に大きなプレッシャーをかけられます。
男女関係を巡るトラブルにおいては、相手は真剣に請求してこないだろう泣き寝入りをすることも多く、誠実な対応を取らない者も多くいます。
弁護士に依頼して交渉をしてもらうことは、妻・不倫相手に大きなプレッシャーとなり、スムーズな解決に役立つといえます。
9-5.弁護士に無料で相談する方法
弁護士に相談する場合、通常は30分5,000円程度の相談料がかかります。
しかし、市区町村の弁護士相談、弁護士会が開催している無料相談会などを利用すれば、無料で弁護士に相談することも可能です。
また、一定の資力基準を満たす方は、法テラスを利用して無料相談を受けることもできます。
さらに、男女トラブルのような個人の法律問題を取り扱う弁護士の中には、弁護士への相談の敷居を低くするために、無料で相談に応じていることがあります。
このような無料相談を上手に利用してみましょう。
法律事務所リーガルスマートでは初回60分無料の相談を行なっているので、ぜひ気軽にご相談ください。
10.まとめ
妻の不倫が発覚した際の対処法や慰謝料請求の方法について解説しました。
妻が不倫をした場合、冷静に証拠を集めて、あとから離婚するかどうかを決めて慰謝料請求を行うという流れになります。
どのような証拠が必要か、慰謝料はいくらくらいが適切かは、個々の不倫のケースによっても異なります。
まずは法律事務所リーガルスマートの初回60分無料相談サービスをご利用してみてください。
担当者
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■経歴
2004年3月 大阪大学法学部卒業
2007年3月 関西大学法科大学院卒業
2008年12月 弁護士登録(大阪弁護士会所属)
2008年12月 大阪市内の法律事務所で勤務
2021年3月 一歩法律事務所設立
大阪市内の法律事務所に勤務し、民事訴訟案件、刑事事件案件等幅広く法律業務を担当しておりました。2021年3月に現在の一歩法律事務所を設立し、契約書のチェックや文書作成、起業時の法的アドバイス等、予防法務を主として、インターネットを介した業務提供を行っております。皆様が利用しやすい弁護士サービスを提供できるよう心掛けております。
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