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事業の失敗で借金を抱えた際の対処法などを弁護士が解説!

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事業に失敗したことが原因で借金をすることがあります。

商売をしていると多くの借金をするであろうことの漠然としたイメージはつくものの、具体的にどのような原因で借金をすることになるのかについて把握できていない人も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、事業に失敗したことが原因でどうして借金をすることになるのか、およびその借金の対処方法について借金問題・債務整理に強い弁護士が解説します。

目次

1.なぜ事業の失敗で借金を背負うことになるのか

なぜ事業の失敗で多額の借金を背負うことになるのでしょうか。

その原因として次のものが挙げられます。

1-1.開業当初にした借金の採算が取れない

開業当初にした借金の採算がとれず、廃業してもそのまま借金が残ってしまうケースがあります。

例えば飲食店を開業する場合、店舗を賃借するための費用、内装や厨房設備などの導入に多額の費用が必要となります。

これらの費用を借り入れをして開業したものの、集客ができずに廃業するような場合、借金を減らせずに残ってしまうことが考えられます。

1-2.会社の運転資金の借り入れを行う

会社の経営が苦しくなると、運転資金の支払いにも窮することになります。

会社の運転資金の調達のため、経営者個人が借り入れを行って補填をすることがあります。

そのまま会社を立て直せなくなると、経営者個人がした借金はそのまま支払わなければならない事態となります。

1-3.会社の債務の連帯保証を行う

会社の経営が苦しくなると、その会社と取引をする会社は取引にあたって様々な条件を出すことがあります。

本来会社の債務について、経営者個人が責任を負わないのが法の建前ですが、会社が銀行からする借入金や、取引先に対する債務については、経営者個人が連帯保証をすることを求められるケースが多いです。

そのまま会社を立て直せず、会社の借り入れや買掛金・未払金について、連帯保証債務として支払う必要があります。

1-4.他の人の連帯保証債務の履行を求められる

自社の経営が順調であるからといって債務を負わないとは限りません。

たとえば、取引先が経営不振に陥っている場合に、その取引先から借り入れや買掛金について連帯保証人となることを求められることがあります。

取引先がそのまま倒産してしまった場合に、連帯保証人として債務を負うことがあります。

会社の代表者や個人事業主は自己の事業の失敗のみで借金を抱えるとは限らないことに注意が必要です。

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2.事業で失敗して借金を背負ってしまう人の共通点

事業で失敗して借金を背負ってしまう人には次のような共通点があります。

2-1.会社を辞めたいという気持ちだけで起業する

会社を辞めたいという気持ちだけで起業をするような人は、事業で失敗して大きな借金を背負ってしまいがちです。

会社で勤務していると、様々な不満があるのは仕方の無いことといえます。

これに我慢ができない場合に、今の会社から転職するという選択肢の他に、独立するという選択肢もあります。

職種によってはフリーランスでも仕事を得やすいものもあり、会社を辞めることにあまりハードルがないこともあります。

また、過去に独立して活躍する同僚がいるような場合、自分も同じように独立してみたいと軽々しく思ってしまうかもしれません。

しかし実際に独立して上手く行く人は、在職中にしっかり実力を蓄積し、将来の顧客・取引先となる相手を開拓するなど、在職中から念入りに準備を進めています。

一方で会社を辞めたいという気持ちだけで起業するような場合、何か嫌なことがあったタイミングで突発的に辞めて独立してしまいがちです。

事業が上手くいかないばかりか、事業が上手くいっていないのに容易に撤退の判断ができず、借金を大きくしてしまいがちです。

2-2.準備不足である

準備不足で起業する人は、事業で失敗して大きな借金を背負ってしまいがちです。

起業をするにあたっては、自分の商品・サービスの強み・弱み、競合相手や商圏、軌道に乗るまでの人員計画、取引先などの関係先の開拓など、様々な準備が欠かせません。

このような準備を怠って起業をしてしまった場合、開業後に順調なのか、危機的状況なのか、危機的状況であるとしてどの程度のリカバーが必要なのか、など様々な判断をすることができず、気が付いたときには事業が失敗しているということも珍しくありません。

2-3.資金を無駄なことに使ってしまう

資金を無駄なことにどんどん使ってしまう人は、事業で失敗して大きな借金を背負ってしまいがちです。

事業を運営していくにあたって、どうしても費用がかかるものがあります。

しかし、その中には必ず必要なものもあれば、あれば良いけども必ず必要とはいえないものもあります。

上述したような事前の調査の不足もあいまって、どのような段階でどのような費用をかけなければならないかということをしっかり把握していない結果、今かけなくても良い費用を費やすなどして、資金を無駄に使ってしまうことになります。

資金を無駄に使ってしまうことが重なった結果、資金ショートの恐れが慢性化することになり、一発逆転を狙って使わなくて良い資金を使ってしまうという悪循環を起こすこともあります。

2-4.サラリーマン的な価値観のまま仕事をしている

サラリーマン的な価値観のまま仕事をしている人は、事業で失敗して大きな借金を背負ってしまいがちです。

サラリーマンであれば、決められた時間仕事をして、会社のいう通りの結果を残していれば給与がもらえます。

しかし、自分で事業を起こした場合はこのようにはいきません。

きちんと結果を出して、時間を上手にマネジメントする必要があります。

また、経費で対応しなければならないことも多くなるため、ついつい見栄を張って散財することなども増えます。

結果が出ていないにもかかわらず散財を繰り返しているような場合、事業が成功することはおぼつかないといえるでしょう。

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3.事業に失敗して借金を抱えてしまった際の対処法

事業に失敗して借金を抱えてしまった際にはどのような対処法があるのでしょうか。

3-1.事業を立て直して借金の返済をする

事業を立て直して借金を返済するのが一つの方法です。

事業に失敗した程度がどの程度かにもよるのですが、適切な方法によって立て直せる状態であれば、会社を立て直して債務を返済する方法を取ることができます。

メイン銀行とよく協議を行い、場合によっては民事再生・私的整理などの事業再生手段によって事業を立て直し、代表者個人の収入を確保し、借金の返済を行いましょう。

3-2.別の仕事をして借金を返済する

別の仕事をして借金を返済するのが一つの方法です。

自分の行っていた事業がもはや立て直しができない場合には、別の仕事をして借金返済をすることになります。

他の会社で役員として迎えてもらったり、会社員として就職することで、収入を得ることができる場合、その収入の中から分割して返済することが現実的です。

しかし、会社や個人事業主が負うことになった債務は、会社員が消費者金融や信販会社からした借金のような額よりも多額であることが多く、分割での支払いを求めるのが難しいことが想定されます。

借金の額が極めて少額であるような場合の選択肢であるといえるでしょう。

3-3.自分が保有している財産を売却することで返済をする

自分が保有している財産を売却することで返済をします。

例えば自宅や有価証券、自動車などを保有しているような場合、これらを売却することで返済のための資金を作れることがあります。

その資金で返済してしまうことも検討しましょう。

もっとも、事業で失敗してしまったような場合には、こういった個人財産もすでに売却・担保に入っていることが多く、利用可能な財産がある場合は限られています。

3-4.親族に資金援助をしてもらって返済する

親族に資金援助をしてもらって返済することも一つの方法です。

親族に資金援助を得られるような状況であることが必要で、個人が借金をした場合よりも多額になることから、この方法によることは極めて稀なケースであるといえるでしょう。

3-5.債務整理をする

事業の失敗をした場合に残った借金について、現実には債務整理をすることが非常に多いです。

事業で作ってしまった借金は、会社員が個人で借金をするものよりもはるかに多額で、一人では返済しきれないものが多いことが通常です。

その後に会社員・他の会社の役員として復職したからといって、その借金をすぐに支払えるほどの収入を得られることは珍しく、現実には個人では支払いきれないことが多いでしょう。

そのため、債務整理を行うことで債務の返済を減免してもらうことがほとんどです。

この場合、元金の支払いは必要となる任意整理ではなお支払えないことが多く、多くのケースで自己破産・個人再生を行うのが現実的と言えるでしょう。

もし事業を法人で行っていた場合には、法人についても再生手続きないしは破産手続きを行う必要があります。

破産手続きを行う場合、法人の破産手続きと一緒に代表者の自己破産手続きをすることになります。

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4.事業に失敗して借金を抱えないようにするポイント

事業に失敗して借金を抱えないようにするためのポイントとしては次のようなものが挙げられます。

4-1.しっかり自己資金を貯めてから事業を行う

しっかり自己資金を貯めてから事業を行いましょう。

特に新規開業融資を受ける場合、自己資金の額が借り入れできる額に大きく影響します。

自己資金に乏しい状態で開業しようと思っても、希望する額の融資が受けられず、計画に沿った資金調達ができない状態で開業することになり、その後の計画が全て狂ってしまうことになりかねません。

そのため、しっかり自己資金を貯めて、事業を行うことは、事業に失敗して借金を抱えないようにするためのポイントであるといえます。

4-2.開業段階から慎重に計画を立てる

開業段階から慎重に計画を立てるようにしましょう。

多くのケースで、開業段階で慎重に計画を立てておらず、目の前の仕事に躍起になってしまっていることがあります。

開業段階で大きな借り入れをしなければならない場合には、金融機関からの融資を得るために、事業計画書を作成します。

このような事業計画書を融資を受けない場合でも作成するなどして、開業段階から慎重に計画を立てる必要があります。

4-3.小規模なビジネスから副業的に始められないかを検討する

どのような事業を行うかにもよりますが、小規模なビジネスから副業的に始められないかを検討してみましょう。

個人事業主や会社として順調に事業を軌道に乗せるためには、アイデアを現実化したり、強固な関係を築ける取引先の存在が不可欠です。

本業を持ちつついわゆる週末起業という形で、小規模なビジネスから副業的に始められるのであれば、自分の実力や時間のマネジメントなど経営者に必要なスキルを養いつつ、本業でも収入を得ることができ、仮に事業に失敗しても回復不可能なダメージを負わないといえます。

最近では平日の日中稼働していない居酒屋で、間借りをしてランチ営業をするような小規模なスタートが様々な業態で可能となっています。

小規模なビジネスを副業的に始められないかを検討してみましょう。

4-4.撤退ラインをしっかり決める

事業が上手くいかない場合の撤退ラインをしっかり決めておきましょう。

事業が上手くいかない場合に、なんとかしようと頑張り続けてしまうことがよくあります。

しかし、事業が上手くいっていない場合、冷静な判断ができなくなってしまっていることが多く、より借金を増やしたり、酷いケースではヤミ金融・システム金融などから借り入れを初めてしまい、過酷な取り立てによって家族などからの信頼を失うような事態に陥ることも珍しくありません。

冷静な判断ができるうちに、どのような状態に陥ったら事業から撤退するか、といったことを事前に決めておくことで、致命的な借金を負ってしまうことを防ぐことが可能となります。

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5.借金問題を弁護士に相談、依頼するメリット

事業に失敗して借金を抱えてしまった場合の解決について弁護士に相談・依頼することをお勧めしています。

そのメリットには次のようなものがあります。

5-1.客観的に現状を見ることができる

客観的に現状を見ることができるようになります。

事業に失敗して多額の借金を作っている状況では、客観的に自分の現状を見ることが難しくなっています。

弁護士に相談することで、今自分が置かれている状況について整理をする過程で、客観的に現状を見ることができるようになります。

5-2.適切な処理方法を知ることができる

事業に失敗してしまった後についての適切な処理方法を知ることができます。

事業に失敗してしまった直後は、すでに倒産状態で稼働していない会社であるにもかかわらず、会社の法人格が残っていたり、事業用の資産が手元に残っている状態で放置されているといった状況であることもあります。

多くのケースで会社の破産・代表者の自己破産が必要なのですが、自己破産にあたっては慎重な手続きが必要となり、ここで財産の処分方法や債務処理を誤ると、大変な事態に陥ることも珍しくありません。

残った債務の処理のみならず、法人や資産などの処理について、どのように処理するのが適切か、弁護士に相談することで知ることができます。

5-3.難しい法人・個人事業主の債務整理を確実に行うことができる

難しい法人・個人事業主の債務整理を確実に行うことができます

会社などの法人の債務整理・個人事業主の債務整理は、債権者や債務者・資産の内容や各種権利関係が複雑となるのが通常です。

債務整理手続の中でも自己破産・個人再生をする場合には、破産法・民事再生法に基づいた厳格な手続きが行われ、これらの複雑な権利関係を整理し、適切に手続きを進める必要があります。

もし手続きでミスをすれば、免責が認められなくなったり、ケースによっては詐欺破産罪などで刑事責任を問われることにもなりかねません。

弁護士に依頼すれば、このように難しい法人・個人事業主の債務整理を行うことができます。

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6.事業失敗による借金に関するよくあるQ&A

事業に失敗したことによる借金や債務に関するQ&Aについては次のようなものがあります。

6-1.会社の債務は事業に失敗するとどうなるのか

会社の債務は事業に失敗すると、最終的には法人格の消滅とともに無くなることになります。

会社として事業に失敗した場合、その会社は最終的には解散して清算し、法人格が消滅することになります。

会社が債務超過を起こしているようなケースでは、会社について破産手続きを行ったり、特別清算を行うことになります。

破産・特別清算を行い、適切に手続きが終了すると、法人格が消滅することになるので、会社の債務についても法人格の消滅に伴い消滅することになります。

債権者は破産・特別清算の手続きの中で会社財産から配当を受けることになり、残った債権は債務者の法人格の消滅に伴って消滅します。

この債務については法人税のような税金も含まれます。

会社が株式会社・合同会社である場合には、取締役などの役員は、会社債務について基本的には責任を負いません。

そのため、債権者は債権の回収のために、上述したように代表取締役などに連帯保証人となってもらう措置を取ります。

なお、合名会社や合資会社の無限責任社員は、会社の債務について返済をする義務を負っています。

6-2.会社の税金を個人が負担しなければならないか

会社が税金の支払いをできていなかった場合、経営者個人は基本的には負担する必要はありません。

しかし、法人税等について悪質な申告漏れ・脱税があった場合、代表者が納税保証をするケースがあります。

この場合、会社の破産によって法人格が無くなった後も、代表者が支払う必要があります。

また、合名会社・合資会社の無限責任社員・税金等を納付しないで残余財産の分配をした清算人など、第二次納税義務を負う人も、会社の税金を支払う義務があります。

6-3.事業失敗したときの自己破産で注意点はあるか

事業失敗したときの自己破産には次の2つの注意点があります。

6-3-1.管財事件になる可能性が高い

まず、管財事件となる可能性が高いのが注意点の一つです。

自己破産手続きには管財人が選任されず簡易に終わることのできる同時廃止と、管財人が選任される管財事件があります。

同時廃止で手続きを終わらせることができれば、管財人に支払わなければならない20万円~の支払いをしなくて良いため、費用をかけずに自己破産をすることが可能です。

しかし、個人事業主や法人の代表者が自己破産をする場合には、同時廃止は利用できず管財事件となる可能性が非常に高いです。

というのも、個人の借り入れに比べて、事業主である場合、債権者の種類や数が多く、事業用資産などの取り扱いなどについて調べる必要があり、案件として非常に複雑であり、簡易な手続きとすることができないのが通常です。

そのため、基本的には管財事件になります。

6-3-2.貸金業者以外の債権者・商工ローンなど対応に注意が必要

貸金業者以外の債権者や、貸金業者でも商工ローンなど対応に注意が必要な債権者の存在に注意が必要です。

貸金業者以外の債権者は、貸金業法による取り立て規制を受けないので、債務者に対して厳しい対応をすることがあります。

また、商工ローンは公正証書という債務名義を持っていて、すぐに強制執行をすることができます。

事業者の自己破産・債務整理は債権者の対応に注意が必要なことが多いので、債務整理の経験が豊富な弁護士に依頼する必要があります。

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7.まとめ

このページでは、事業の失敗で借金を抱えた際の対処法などについてお伝えしました。

事業の失敗で借金を抱えた場合、会社員がする借金よりも多額であり、債権債務関係が複雑で、資産の取り扱いなどにも高度な注意が必要となります。

早めに弁護士に相談し、適切な事後処理をするようにしましょう。

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担当者

南 陽輔
南 陽輔一歩法律事務所弁護士
■経歴
2004年3月 大阪大学法学部卒業
2007年3月 関西大学法科大学院卒業
2008年12月 弁護士登録(大阪弁護士会所属)
2008年12月 大阪市内の法律事務所で勤務
2021年3月 一歩法律事務所設立

大阪市内の法律事務所に勤務し、民事訴訟案件、刑事事件案件等幅広く法律業務を担当しておりました。2021年3月に現在の一歩法律事務所を設立し、契約書のチェックや文書作成、起業時の法的アドバイス等、予防法務を主として、インターネットを介した業務提供を行っております。皆様が利用しやすい弁護士サービスを提供できるよう心掛けております。
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