自己破産

自己破産による配偶者の収入や財産への影響を弁護士が解説!

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「借金がもう返済できない」

このような場合に検討する自己破産ですが、既婚者の方は配偶者にどのような影響が及ぶか気になるのではないでしょうか。

また、ギャンブルや浪費などが原因で借金を作った場合には、配偶者にバレずに自己破産をしたいという希望が多いです。

そこで本記事では、自己破産について、配偶者の収入や財産に影響するのか、配偶者にバレずに自己破産をすることができるのかについて、自己破産手続きや借金問題に強い弁護士が解説します。

目次

1.自己破産した際、配偶者の収入や財産に影響はあるのか

自己破産した際に配偶者の収入や財産に影響はあるのでしょうか。

1-1.そもそも本人の収入や財産にどのような影響があるのか

配偶者への影響を考える前に、そもそも本人の収入や財産にどのような影響があるのかを確認し、それが配偶者に影響しうるかについて確認しましょう。

1-1-1.自己破産をすると職業制限があり収入に影響する可能性がある

収入面に関しての影響として、自己破産をする際には職業制限があり、この制限によって仕事ができないと収入に影響します。

職業の中には、一定の資格者として登録をする必要があるものがあります。

その中には、破産手続開始決定を受けて復権するまでの間、登録したり許可を受けることができないという規定があるものがあります(欠格事由)。

不動産業に従事する場合に宅地建物取引士として登録を受けて仕事をする人がいますが、宅建業法18条1項2号は「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者」については登録が受けられないとされています。

また、宅地建物取引士として登録をしている人が、破産手続開始決定を受けると、その届出をしなければならず(宅建業法21条2号)、届出によって登録が取り消されます(宅建業法22条2号)。

このような形で商業を制限する規定には次のものがあります。

  • 警備員(警備業法14条)
  • 生命保険募集人(保険業法279条・307条)
  • 質屋(質屋営業法3条)
  • 貸金業の登録(貸金業法6条)
  • 旅行業の登録(旅行業法6条)
  • 行政書士(行政書士法2条の2)
  • 公認会計士(公認会計士法4条)
  • 司法書士(司法書士法5条)
  • 社会保険労務士(社会保険労務士法5条)
  • 税理士(税理士法4条)
  • 弁護士(弁護士法7条)

そのため、自己破産手続きをする場合には、自己破産手続きを行ってから、復権するまでの間、これらの職業についている人は資格に関係のない仕事をさせてもらったり、一度退職する必要があります。

もっとも、任意整理・個人再生を行えば、このような制限は無いので、現実にこれらの仕事に就いている人は任意整理・個人再生によって債務整理を行うケースが多いです。

1-1-2.担保に供しているものを失うことになる

自己破産手続きの財産への影響として、担保に供しているものを失うことになります。

借金をする際に不動産を担保に借金をすることがあります。

自宅を住宅ローンで購入する人は、その住宅に抵当権を付けて住宅を担保に供しています。

また、不動産担保ローンでは、不動産に抵当権という担保権を付して借入をします。

また、分割やリボ・クレジットカードで物品を購入した場合、それを完済するまではその物品(例:ブランド品・家電製品)は信販会社のものとなっており、引き上げて売却することが認められています。

自己破産手続きを弁護士に依頼して、担保を有している債権者に通知した時点で、これらの担保権の実行がされることになり、担保に供しているものを失うことになります。

1-1-3.破産財団に属するものを失うことになる

破産財産に属するものを失うことになります。

自己破産手続きを行うと、債務者の財産のうち、破産財団に属するものについて、換価(お金に替える)の上で配当に回されることになります。

破産手続開始決定を受けると、破産財団に属する財産については破産管財人が管理処分権を取得して、換価の上配当に回されます。

債務者の有している財産は破産財団となるのですが(破産法34条1項)、99万円までの現金と差し押さえ禁止財産(破産法34条3項)、自由財産の拡張として認められる財産(破産法34条4項)については、債務者がそのまま保有することが認められます。

1-1-4.ブラックリストとなり信用取引ができなくなる

収入や財産に直接影響するわけではないですが、密接な取引に関する影響として、信用情報によって審査される信用取引ができなくなります。

取引をするにあたって、将来支払ってもらうことを前提とする取引をする際に、与信の審査が行われます。

例えば、借金をするような場合には、将来支払ってもらえるのか、収入・職業などから審査を行います。

その審査の際に、借金やクレジットカードの利用状況に関する情報である信用情報が用いられます。

自己破産などの債務整理をすると、この信用情報に債務整理をしていることが異動情報として登録され、これにより信用情報を使って審査をする信用取引が、一定期間できなくなります(俗にブラックリストと呼びます)。

できなくなるものとしては次のようなことが挙げられます。

  • 貸金業者からの借金
  • 住宅ローン・自動車ローン・医療ローン
  • クレジットカードの契約・更新
  • 携帯電話の分割購入

1-2.自己破産手続きによって配偶者の収入や財産への影響はあるのか

本人については前項のような影響があるのですが、配偶者の収入や財産に影響はあるのでしょうか。

1-2-1.職業制限は配偶者に及ばない

職業制限は配偶者には及びません

自己破産で破産手続開始決定を下されるのは申立てをした債務者に対してであって、その効力も債務者に限定されます。

たとえ配偶者であっても、この職業制限は及ばず、配偶者が資格者として仕事をした場合に自己破産をしても、配偶者の地位には一切影響しません。

1-2-2.配偶者が所有しているものは引き上げられない

自己破産手続きに入ると、本人が担保に供しているものについては引き上げられますが、自己の債務の返済のために配偶者が所有している財産が引き上げられることはありません。

ただし、夫名義でローンを組んで自動車を買って配偶者と一緒に使っている場合、夫の所有物として引き上げられる結果、妻もその車は使えなくなるといった間接的な影響はあるでしょう。

1-2-3.一方の自己破産手続きで配偶者の財産は引き上げられない

一方の自己破産手続きで、その配偶者の財産は基本的には破産財団に組み入れられ引き上げられることはありません

ただ、生命保険の契約者を配偶者名義に変えたり、配偶者名義で預金をしているような場合に、本人の資産と認定された場合には、破産財団に組み入れられる場合があります。

1-2-4.ブラックリストとなるのは本人のみ

ブラックリストとなるのは本人のみです。

そのため、配偶者が自分で契約しているクレジットカードや、借金をすることには影響しません。

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2.自己破産した際、配偶者に影響があるケース

配偶者に影響があるケースには次のものがあります。

2-1.自己破産をする本人が購入したが配偶者が使っている

上述した通り、担保に入っているものは引き上げられます。

先ほどの例にあるように、配偶者が一緒に使っている自動車が引き上げられる場合や、ブランド品など配偶者だけが使っているような場合でも、法的には夫の自己破産により引き上げられるものがある場合には、事実上配偶者にも影響するといえるでしょう。

2-2.名義は配偶者のものでも自己破産をする本人のものと評価される場合

名義は配偶者のものでも、自己破産をする本人のものと評価される場合には、配偶者の財産に関係することがあります

上述したように、自己破産をする本人名義の保険を配偶者名義に変えた場合や、配偶者名義で預金をしていた場合がこれにあたります。

特に、自己破産をするからといって、保険の名義人を変更する行為は、財産隠しとして認定され、自己破産手続きにおいて免責不許可事由となったり(破産法252条1項1号)、詐欺破産罪となったりするので(破産法265条1項1号)、絶対にやってはいけません。

2-3.配偶者が家族カードを利用している場合

自己破産をするとクレジットカードが利用できなくなりますが、これはあくまで本人名義のものです。

このときに配偶者が家族カードを利用している場合、家族カードは自己破産をする本人の契約となっているので、自己破産によって利用できなくなります

2-4.配偶者が連帯保証人になっている場合

例えば住宅ローンや事業者ローンを組む際に配偶者や家族が連帯保証人となることがあります。

自己破産をするとこれら連帯保証人に請求されることになり、配偶者はその返済をしなければならなくなり、預金などの財産に影響するといえます。

法律的には自分で結んだ保証契約の履行を求められるものですが、事実上は自己破産が配偶者に影響する事例といえるでしょう。

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3.配偶者にバレずに自己破産の手続きは可能なのか

次に配偶者にバレずに自己破産手続きをすることは可能なのでしょうか。

自己破産手続きが配偶者にバレてしまうケースがいくつかあるので、そのポイントを確認しましょう。

3-1.弁護士からの郵送物を自宅にいる配偶者が開けて中を見られた

弁護士からの郵送物を自宅にいる配偶者が開けて中を見られ、配偶者にバレることがあります。

自己破産手続きの中で弁護士と依頼者で郵送でやり取りをすることがあります。

その郵送物を配偶者が勝手に開けてしまうことによって、自己破産をしようとしていたのがわかってしまうことがあります。

弁護士は事務所の名前や住所・弁護士の氏名が印字された封筒を利用することが多いのですが、家族に内緒で自己破産などの債務整理をしたい場合には、個人名で封筒に氏名を手書きで送るなどしてくれることもあります。

また、自宅ではなく職場に個人名で送ってもらったり、書類を事務所にとりに行くという運用をしてくることもあるので、よく相談をするようにしましょう。

3-2.督促の通知が自宅に届き借金が支払えていないことがバレる

借金の返済が滞ると、督促のために自宅に督促状が郵送されてきます。

これを配偶者が見つけて、借金の存在・額、借金返済ができていないことがバレることがあります。

弁護士に債務整理を依頼すれば、貸金業者は正当な理由なく本人に対して請求をすることができなくなるので(貸金業法21条1項9号)、自宅に督促されることはありません。

もし支払いが遅れそうな場合、早めに弁護士に依頼するようにしましょう。

3-3.貸金業者に裁判を起こされバレる

貸金業者に裁判を起こされ配偶者にバレてしまうケースがあります。

弁護士に依頼したにもかかわらず、長期間自己破産の申立てをしない場合や、債務整理をするとすぐに裁判を起こす貸金業者がいる場合、裁判を起こされることがあります。

裁判を起こされると、たとえ弁護士に債務整理を依頼していたとしても、自宅に訴状が届けられることになり、これを家族が見てしまって借金で裁判になっていることがバレることになります。

貸金業者に訴訟されないように気を付けるのと、訴訟を起こすような貸金業者がいるかを見極める必要があるので、中小の消費者金融から借入をしているような場合には、債務整理について詳しい弁護士に相談・依頼をするようにしましょう。

3-4.自己破産で配偶者の給与明細を求められたり通帳を確認されることがありバレる

自己破産の申立てに当たって申立人の財産関係について調査することになります。

自己破産手続きを行うにあたっては、家計の状況や、銀行口座の取引の内容について調査を行います。

夫婦共働きであるような場合には、家計の状況を世帯で把握する必要があり、配偶者の給与明細を出すように裁判所・破産管財人から指示されることになります。

また、家計の状況や銀行口座の取引内容から、配偶者名義で預金をしているような可能性がある場合には、配偶者の預金通帳についても提示を求められます

たとえば、夫婦で妻が専業主婦であり、夫の給与を引き出して妻に預けているとします。

家計の状況を提出すると、明らかに収入よりも支出が少なく、貯蓄等をしていることが明らかである場合には、妻名義の資産を調べるために預金通帳の提出を求められます。

これらから妻に自己破産手続きを行っていることがバレてしまうことがあります。

このような場合には妻に協力を求めるほかありません。

3-5.財産を引き上げられることで配偶者にバレる

上述したように、担保がついている財産については、引き上げられることになります。

自宅の高価な家電製品や、自動車などが引き上げられたり、住宅の抵当権が実行された場合には、配偶者にもそれがわかってしまうことになります。

このような場合には配偶者に理解をしてもらうしかないでしょう。

3-6.ローンを組もうとしても組めず配偶者にバレる

ローンを組もうとしても組めず、配偶者にブラックリストとなっているのがバレることがあります。

自動車の買い替えたり、住宅ローンを組もうとしても、上述したようにブラックリストとなっている間はこれらのローンが組めません。

ローンが組めないことからブラックリストとなっているのがわかってしまい、借金をしていること・自己破産をしたことがわかってしまうことがあります。

配偶者にはきちんと伝える必要があります。

3-7.配偶者が連帯保証人となっている場合にはバレる

上述したように、配偶者が連帯保証人となっている場合、自己破産をすることで配偶者に対して請求がされることになります。

その結果、自己破産をしようとしているのがバレることになります。

こちらも配偶者にはきちんと知らせて理解してもらう必要があります。

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4.自己破産の悩みを弁護士に相談、依頼するメリット

自己破産について悩みがあるような場合には、弁護士に相談・依頼するメリットには次のようなものがあります。

4-1.自己破産の疑問や悩みをきちんと解決してくれる

自己破産をする際には、配偶者にどんな影響を及ぼすか、配偶者にバレてしまうのか、といったことをはじめ、様々な疑問や悩みを持つことになります。

書籍やインターネットでこれらの疑問や悩みに答えるコンテンツがあったとしても、一般的な情報を一方的に伝えるのみです。

きちんと理解ができず、本来悩む必要が無いものについて悩み続けるようなことも珍しくありません。

弁護士に相談・依頼することで、自己破産の疑問や悩みをきちんと解決してくれます。

4-2.適切な債務整理方法を提案してもらえる

弁護士に依頼することで、適切な債務整理方法を提案してもらえます。

配偶者や家族に内緒にしたいということが最も重要である場合、自己破産よりも簡易な手続きで行える任意整理のほうがバレる可能性は低いです。

もちろん債務額・返済能力次第では任意整理は難しいこともありますが、その場合でも家族にバレないための最善の債務整理方法を提案してもらえるでしょう。

4-3.弁護士に依頼すれば督促を止めることができる

家族に借金があることがバレる最も多い原因として、自宅に督促状がとどき、これを家族が見てしまうことが挙げられます。

上述もしましたが、貸金業法21条1項9号で、弁護士に依頼をすれば正当な理由がない限り督促を止めることができます。

そのため、延滞をする前に弁護士に依頼をすることが重要であるといえるでしょう。

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5.自己破産した際の配偶者への影響に関するよくあるQ&A

自己破産した際の配偶者への影響や、配偶者にバレないようにするための方法についてのQ&Aとしては次のようなものがあります。

5-1.配偶者に影響したりバレたりしにくい手続きはありますか

自己破産は破産法に基づき裁判所に対して申立てをして行う手続きなので、どうしてもその運用は厳格です。

これに比べて、任意整理であれば、貸金業者との交渉だけで手続きが終わるため、妻の給与明細や口座を求められるなどの心配がありません。

また担保にあるものは外して債務整理をすることができるので、財産も維持できます。

ただし、返済ができることが大前提となるので、借金が大きくなってしまう前に弁護士に相談して依頼するようにしましょう。

5-2.官報に名前が乗ることで配偶者にバレませんか

官報に名前が載ることで配偶者にバレる可能性は0ではありませんが、その可能性は限りなく低いといえます。

官報とは法律の公布や会社の決算公告など、法律の規定などにより広く世間に知らせる必要があるものについて取り扱う国の機関紙です。

自己破産も債権者に周知させる必要があるため、官報に自己破産をする旨が掲載されることになります。

しかし、この官報を日常的に見ている人は、官報の情報をシステムに登録するなどの仕事に従事しない限り、見ることはないです。

そのため、官報に名前が載ることで配偶者にバレることを警戒する必要はないといえます。

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6.まとめ

本記事では、自己破産によって、配偶者の収入や財産にどのような影響があるのかについて、配偶者に債務整理がバレるのかと合わせてお伝えしました。

基本的には自己破産によるデメリットは申立てをする本人のみが受けることになるのですが、事実上の影響として配偶者に影響することが避けられない場合があります。

また、配偶者に自己破産がバレてしまう場合も多いです。

配偶者にどのような影響があるか、バレないように債務整理ができるかについては、個々の事情が大きく影響するので、なるべく早く弁護士に相談してみてください。

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担当者

南 陽輔
南 陽輔一歩法律事務所弁護士
■経歴
2004年3月 大阪大学法学部卒業
2007年3月 関西大学法科大学院卒業
2008年12月 弁護士登録(大阪弁護士会所属)
2008年12月 大阪市内の法律事務所で勤務
2021年3月 一歩法律事務所設立

大阪市内の法律事務所に勤務し、民事訴訟案件、刑事事件案件等幅広く法律業務を担当しておりました。2021年3月に現在の一歩法律事務所を設立し、契約書のチェックや文書作成、起業時の法的アドバイス等、予防法務を主として、インターネットを介した業務提供を行っております。皆様が利用しやすい弁護士サービスを提供できるよう心掛けております。
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