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離婚前に別居するメリットデメリットや注意点を弁護士が解説!

離婚前に別居するメリットデメリットや注意点を弁護士が解説!
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夫婦が離婚する場合、同居しながら離婚協議を行い、一緒に離婚届を出しに行く・・というケースは少なく、多くは離婚前に別居しています。

「別居」という事実は、離婚手続の中で重要な意味を持ちます。しかし、やり方を間違えると、離婚請求ができなくなったり慰謝料を請求されたりするリスクもあります。

従って、別居を考える場合は、そのメリット・デメリットや注意点などを知っておく必要があります。

本記事では、関係が悪化した夫婦が離婚前に別居するメリットやデメリット、別居する場合に注意したいことなどを離婚・男女問題に強い弁護士が解説します。

目次

1. そもそも別居とは

家族であっても親子や兄弟姉妹の場合、「別居する」ことが関係悪化を意味するわけではありません。子どもが経済的に自立している場合は、実家を離れて別の場所で生活するのが自然なことでもあります。

しかし、夫婦が「別居する」というと、関係が悪くなったと受け取られます。これはなぜでしょうか。

本章では、そもそも夫婦が「別居する」とはどういうことか、またどのような場合に「別居」していることになるかを解説します。

1-1. 夫婦の「別居」の意味

「別居」とは、文字通りには、別々の場所で生活することをいいます。

しかし、夫婦が単純に別々の場所で生活することを「別居」と呼ぶとすると、たとえば夫が単身赴任する場合も別居になってしまいます。

単身赴任に対して「別居」というと違和感が生じる理由は、仕事の都合により物理的に生活場所が別になるだけで、夫婦という生活共同体が維持されているためです。

つまり、夫婦関係における「別居」は、夫婦としての生活共同体がなくなることを意味します。

なお、家族であっても親子のように、学校への入学や就職、あるいは施設入所などによって別々の場所で生活することになる場合も「別居」という言葉を使うことがあります。

しかし、夫婦以外の関係では生活共同体の維持が問題とならないため、それぞれの意思に基づく別居が特別の意味を持つことはありません。

1-2. 「別居」にあたるか判断が難しいケース

夫の単身赴任の場合は、別々に住んでいても「別居」にはあたらないと述べました。

また、同じ場所で生活している場合は当然、同居していることになります。

しかし、単身赴任している場合も、あるいは同じ家に住んでいる場合であっても、「別居」にあたる状態になっていることがあります。

(1)赴任先から徐々に自宅に帰ってこなくなった場合

単身赴任していた夫が、だんだん家に帰ってこなくなった場合、どこからが「別居」にあたるか判断が難しいことがあります。

帰宅する頻度がだんだん減っていき、結局帰ってこなくなってしまった場合はどこからが「別居」状態になるでしょうか。

これは、帰宅する頻度そのものよりも、「夫婦としての共同体を維持する意思」つまり、一緒に暮らす意思が残っているかどうかが判断基準となります。

たとえば、勤務地が再び自宅通勤が可能な地域に変わったのに、自宅に戻らずに勤務先の近くにアパートを借りたような場合は、「一緒に暮らす意思がなくなった」ことが客観的にわかります。従って、アパートに住み始めた時点で別居状態となります。

しかし、実際にはここまで意思が明確に表されないことのほうが多いため、ケースバイケースで判断しなければなりません。

(2)「家庭内別居」の場合

いわゆる家庭内別居の場合は、物理的には同じ家で生活しているため、さらに判断が難しくなります。

「3年以上会話していない」など、別居の実態や期間などを考慮して客観的に判断する必要があります。

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2. 離婚をするために別居が重要な理由

離婚するために、別居期間を作ることが重要なのはなぜでしょうか。

これは、ひとことでいえば「裁判で離婚が認められやすくなるから」です。

離婚についての夫婦間の話し合い(離婚協議)や、家庭裁判所で調停委員を介して行う話し合い(夫婦関係調整調停)がまとまらなかった場合、最終的に、離婚を求める側が家裁に離婚訴訟(民法第770条1項)を提起します。

裁判での離婚請求が認められるためには、民法第770条1項に定められた5つの離婚事由のいずれか、または複数に該当する事情があることが条件となります。

一定期間別居している場合は、同条1項5号の「(1号~4号事由以外で)婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当する事情があると認められやすくなります。

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3. 離婚するのに必要な別居期間

それでは、離婚するためには別居する期間がどの程度必要でしょうか。

法律上、離婚すること自体は、夫婦の合意があれば別居していてもいなくてもできます。「〇年間別居していなければ離婚できない」ということはありません。

従って、ここでいう「必要な別居期間」は、一方が離婚を請求したが他方が拒否している場合に、最終的に訴訟の判決で離婚が認められるために必要な別居期間を意味します。

3-1. 通常は3年程度必要

一般的には、3年以上別居していれば、その別居期間が婚姻破綻事由の重要な要素とみなされて、離婚が認められることが多いです。

3-2. DVや不倫が原因で別居する場合は別居期間が問題にされない

DV(身体的暴力やモラハラ)が原因で別居する場合は、DV自体が婚姻破綻事由とみなされます。また、不倫はそれ自体が法定離婚事由となっています(民法第770条1項1号)。

そのため、これらの場合は別居期間が問題とされることはあまりありません。

3-3. 有責配偶者が離婚を求める場合は5年以上の別居期間が必要

逆に、DVや不倫などを行っていた側(有責配偶者)が離婚を求める場合は、5年以上の別居期間が必要とされています。

有責配偶者とは、婚姻関係が破綻する原因を作り出した側の配偶者のことです。

有責配偶者側からの離婚請求は、通常は認められていません。

しかし判例上、「未成熟の子どもがいない」「離婚により他方の配偶者が過酷な状況におかれるおそれがない」「有責行為が行われた時点ですでに婚姻関係が破綻していたと認められる」などの事情があれば、それらを考慮して離婚請求が認められる可能性があります。

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4. 離婚前に別居するべきケース

このように、離婚訴訟では夫婦関係が破綻していたことを証明する上で一定期間の別居の事実が考慮されます。

しかし、後述するように別居することによって生活や仕事、子供の就学環境などに影響が出ることは避けられません。そのため、別居すべきか迷う方も多いと思います。

この点、離婚前に特に別居する必要性が大きいのは、配偶者からDVを受けている場合です。

配偶者から暴力を受けているとすれば、別居によって安全を確保する必要があります。

また、ここでいう「DV」は配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法)で定められている「配偶者に対する暴力」を指します。つまり、身体的な暴力に加えて、暴言や無視などの精神的暴力(モラハラ)も含まれます。

DVを受けている場合は、DV防止法に基づいて設置された配偶者暴力(DV)相談センターに相談すれば、別居の方法についての説明や一時保護施設の紹介を受けることができます。

なお、DV相談センターは警察と連携しているので、危険な状況であれば先に#9110(相談ダイヤル)に電話することをおすすめします。

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5. 離婚前に別居するメリット・デメリット

離婚前に別居することには、離婚が認められやすくなるなどのメリットもあれば、デメリットもあります。

本章では、離婚前に別居するメリット・デメリットを解説します。

5-1. 別居するメリット

別居することの主なメリットとして以下が挙げられます。

(1)配偶者の束縛から解放される

別居する一番のメリットは、配偶者によるさまざまな束縛を離れて、心身が解放されることにあるといえるでしょう。

別居前は心身の不調に悩まされていた人が、別居後に体調が良くなることも多くあります。

(2)離婚準備がしやすくなる

別居することにより、配偶者の目につかずに離婚に向けて弁護士に相談したり、書類をそろえるなどの準備に専念できます。

5-2. 別居することのデメリット

他方で別居には、いくつかのデメリットもあります。

(1)離婚原因となる相手の行為の証拠集めが難しくなる

不倫やDVなど相手の有責行為を原因とする離婚が認められるためには、その行為があったことを証明する証拠が必要となります。

別居すると相手の行動を把握しづらくなるほか、家に残っている証拠を探し出すことも難しくなるため、離婚の際に不利になる可能性があります。

(2)財産分与で不利になりやすい

財産分与(民法第768条1項)とは、婚姻中に夫婦で購入した不動産・動産や蓄えた預貯金などを離婚から2年以内に当事者の協議によって分配する手続をいいます。

財産分与の対象となる財産には、共同名義の財産ほか、相手が結婚後に仕事で得た給料や報酬、配偶者を受取人にした生命保険などが含まれます。

同居中であれば、これらの財産について郵便物などから把握することができます。しかし、別居すると相手の財産を探し出すことが困難になるほか、相手が財産を隠すおそれもあります。

これを防ぐために、別居する前に相手の財産を調査して把握しておくことをおすすめします。

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6. 離婚前の別居について知っておくべきこと

離婚前に別居する場合、知っておくべきこととして以下の事項があります。

6-1. 正当な理由なく別居すると不利になる

夫婦には同居義務があります(民法第752条)。従って、正当な理由なく家を出ていくと、同居義務に違反する「悪意の遺棄」(民法第770条1項2号)にあたるとして、慰謝料請求されるおそれがあります。また、離婚時の取り決めで不利益を受ける可能性もあります。

別居の正当な理由には、次のようなものがあります。

  • 相手の不貞行為(第三者との性的関係を伴う交際)があった
  • DV(身体的暴力やモラハラ)を受けている
  • 相手が家庭を顧みずに遊び歩き、共有財産を浪費している

6-2. 相手に対して別居中の生活費を請求できる

法律上の夫婦には、婚姻費用(生活費)を分担する義務があります(民法第760条)。

別居中であっても婚姻費用の分担義務は継続しています。別居する場合、通常は収入の少ない方が多い方に対して婚姻費用を請求できます。

ただし、請求できる婚姻費用は請求を行った時点からの費用に限られます。請求を行う前の過去の婚姻費用をさかのぼって請求することはできません。

従って、別居したら、できるだけ早く婚姻費用を請求しましょう。

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7. 離婚と別居に迷った場合の判断基準

離婚前に別居することにはメリットとデメリットが両方あるため、すぐに離婚を求めるか、先に別居するか迷う方は多いです。

離婚するか先に別居するか、迷った場合の判断基準として以下のものがあります。

7-1.離婚の決断ができているか

判断基準として一番重要なのは、自分自身が離婚の決意を固めているか否かということです。

離婚に伴うデメリットなども考慮したうえで、本当に離婚したいのか、ひとまず相手から離れて冷却期間を置きたいのかを考えてください。

7-2.別居期間があったほうが離婚しやすい状況か否か

前述したように、一般的には別居期間がある程度あったほうが離婚が認められやすくなります。

他方で、DVや不倫の事実があり、相手がそれを認めていた場合などは別居期間は必要ないといえます。

特に不倫の場合は証拠を集めることが難しい場合があります。不倫の事実をめぐって相手と揉めているようであれば、別居したほうが離婚しやすくなるでしょう。

7-3.再婚を考える相手の有無

たとえば、相手に不倫やDVなどの有責事由があってすでに婚姻が破綻している状況では、新しい相手と交際しはじめたとしても、それが「不貞行為」とみなされる心配はありません。

特に、女性が夫の不倫などによる婚姻破綻後に「再婚したい」と思えるような相手と出会った場合は、離婚日から100日間の再婚禁止期間(民法第733条)の後にすぐ結婚できるように、別居を経ずに離婚したほうがよいといえます。

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8. 別居中に利用できる手当や助成金について

別居する場合は、以下のような手当や助成金を受けることができます。

8-1. 児童手当

児童手当は、子どもが15歳になった年度の年度末まで受け取れる手当です。

ゼロ歳から3歳までは月15,000円、3歳になった月から小学校修了までは10,000円(第三子以降は15,000円)、中学生は10,000円受給できます。

ただし、所得制限以上の所得がある場合は、子どもの年齢にかかわらず一律5,000円となります。

児童手当の支給は、2月・6月・10月に前月分までがまとめて振り込まれます。

夫婦が同居している間は収入が多いほうの親が受給者になっていますが、別居する場合は「子どもと同居しているほうの親」が受給者となります。

受給者を変更する場合は、市区町村の役所に届け出て手続をする必要があります。

所得制限については、子どもと同居している親の所得で判断されます。従って、同居中は父親の所得が基準を超えていた場合でも、専業主婦や扶養の範囲内の収入だった母親が子どもを引き取ったために所得制限にかからなくなるケースもあります。

ただし、子どもを連れて実家に帰った場合、実家で同居する両親の収入が「所得」に算入されます。

8-2.児童扶養手当

児童扶養手当とは、18歳になる年度末まで子どもをひとりで育てている家庭(ひとり親家庭)に支給される手当です。

児童扶養手当の場合、所得制限を上回ると支給されなくなります。

児童扶養手当は配偶者と離別または死別した場合が支給対象となるので、別居中の親は原則として支給対象になりません。

しかし、以下の場合は支給対象になります。

  • ①父母どちらかが生死不明となったために婚姻を解消した場合
  • ②母親または父親が1年以上拘禁されている場合
  • ③DV防止法第10条に基づく保護命令を受けている場合

離婚前に別居するケースで、児童扶養手当の支給が認められるのは③です。

参考:児童扶養手当(東京都福祉局)

8-3.子どもの医療費助成

子どもの医療費助成は、住民登録している市区町村で受けられます。従って、別居後に住民票を移しても、同一の市区町村内であれば引き続き医療費助成が受けられます。

他の市区町村に転居して住民票も移した場合も、その自治体の医療費助成を受けることができますが、対象年齢が異なる可能性があります。

8-4. 生活保護

別居中は法律上、配偶者に婚姻費用を請求できます。配偶者が支払ってくれない場合には、家裁に婚姻費用請求調停を申し立てることができます。

しかし、DVが原因で、幼い子どもを連れて一時保護を受けた場合など、事情によっては婚姻費用請求も難しいことがあります。また、そのような場合は、しばらくの間仕事をすることも困難です。

生活保護の要件は厳しいですが、資産や児童手当などを充当しても最低生活費に満たない、本人の病気や怪我、年齢、子どもの事情、親族からの援助を受けられないことなど、生活保護を受けられる可能性があります。

ただし、婚姻費用請求手続を行うことや、仕事ができる状況になった時点で働くこと、親族からの援助を受けられる可能性を探ることなど、さまざまな要請を受ける可能性があります。

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9. 子供を連れて別居する際の注意点

離婚後に子どもの親権者に指定されるためには、子どもを監護しているほうが有利です。

しかし、子どもを連れて行く方法や監護の状況によっては、親権者を定めるうえで不利になったり、他方から慰謝料請求される可能性もあります。

本章では、子どもを連れて別居する際の注意点を解説します。

9-1.強引な連れ去りは不利になる

配偶者に無断で子どもを連れて出ていくことは、理論上の話としては、未成年者略取罪(刑法第224条)の構成要件に該当するため、原則として違法と考えられます。

この場合、離婚時に親権者争いになったときに子どもを連れて出て行った側の親権が認められなくなる可能性も出てきてしまいます。

ただし、DVや子どもを虐待していたなどの事情がある場合には、違法な連れ去りにはあたりません。

9-2.子どものストレスに配慮する

子どもを連れて別居する場合、環境が急に変化することにより子どもにストレスがかかるおそれがあります。

必要に応じてカウンセラーに相談するなど、子どもの気持ちに寄り添うようにしてください。

9-3.必要な物はすべて持ち出す

別居するときには、必要なものをすべて持ち出すようにしてください。

いったん子どもを連れて家を出ると、忘れ物を取りに戻ることが難しくなります。立ち入りを拒否される可能性が高いこともありますが、「〇〇を取り戻したければ子どもを引き渡せ」などと無理な交換条件を押し付けられるおそれもあります。

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10.別居からの離婚を弁護士に相談、依頼するメリット

本章では、別居からの離婚を弁護士に相談、依頼するメリットを解説します。

10-1.別居のメリット・デメリットや必要な手続などを教えてもらえる

別居にはいろいろなメリットとデメリットがありますが、一般的にいわれていることがその人にそのままあてはまるとは限りません。

また、特に子どもを連れて別居する場合は、住民票を移すべきか、転園・転校させるべきかなど、多くのことを判断したり、必要な手続を行わなければなりません。

弁護士に相談することにより、個別の事情に照らした別居のメリット・デメリットや、とるべき行動、必要な手続を教えてもらえます。

これにより、別居に対しての不安を軽減させることができるでしょう。

10-2.別居から離婚までの見通しを得られる

また、別居を考える方にとって、「どのくらい別居していれば離婚できるか」「別居前や別居中に離婚に向けて何をすればよいか」など、別居から離婚までの道のりを知りたいところです。

弁護士に相談することで、個別の事情に応じて必要な別居期間や、別居前にやっておくべきことは何か、別居中に離婚に向けてどのようなことをすればよいかなどを提示してもらえます。

10-3.協議書作成手続を依頼できる

日本では離婚の大半を協議離婚が占めていますが、夫婦が話し合って協議書を作成することは困難です。別居していればなおさら、夫婦の話し合いの機会を作ることは難しくなるでしょう。

また、離婚には合意ができても、特に子どもの養育費や慰謝料、財産分与などの金銭的な問題では意見が対立しやすく、夫婦間ではなかなか話が進まないことが多いです。

さらに未成年の子供がいる場合の親権や面会交流などについても対立が起こりやすいです。

この点、弁護士を通すことで、協議事項に対してそれまでの結婚生活の状況に照らした適正な請求を行い、相手と対等な立場で冷静に話し合いを行うことができます。

また、協議書に養育費のほか、財産分与や慰謝料などの金銭支払義務を記載した場合には、後の不払いトラブルを防ぐために協議書を執行認諾文言付き公正証書として作成するのが得策です

公証役場で行う公正証書作成手続についても、弁護士に依頼できます(実費として、公証役場に支払う作成料がかかります)。

10-4.調停や訴訟の代理も任せられる

相手が離婚に同意しなかったり、協議事項の一部または全部について合意が成立しなかった場合は、まず調停を申し立てて調停委員を介して話し合いを行います。また、調停でも離婚や協議事項について合意が成立しなかった場合は、原則として家裁に訴訟を提起して裁判で離婚請求することになります。

しかし、当事者が仕事や子育てをしながら準備をして期日に家裁に赴き、調停に参加することは容易ではありません。

DVが原因で別居している場合などでは、オンラインでの調停手続が認められる可能性もあります。ただしこの場合も、調停の最終期日に当事者が出頭する義務があります。

裁判所に出廷する負担があるだけでなく、この際に夫から危害を加えられる可能性が否定できません。

この点、弁護士に代理人を依頼していれば、調停期日出席を弁護士に任せられます。また、本人が出頭する必要がある場合でも弁護士が同伴できます。

訴訟の場合は主張や証拠調べなど手続の難度が上がり、より多くの時間と労力がかかります。

訴訟手続についても、弁護士にすべて任せることができます。

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11. 離婚前の別居に関するよくあるQ&A

本章では、離婚前の別居に関して頂くことの多い質問と、それに対する回答をご紹介します。

11-1.離婚前に別居するときは住民票を移したほうがよいでしょうか?

住民票を移したほうが良いケースと、移さなくてよいケースがあります。

離婚の意思がはっきりしている場合は、住民票を移動させたほうがよいでしょう。住民票を移すことにより、別居の事実や別居期間を表す証拠とすることができます。従って、離婚が認められやすくなります。

また、自分宛ての郵便物がすべて移動先の住居に届くメリットもあります。

これに対して、冷却期間のために一時的に別居するにとどまる場合などは、移動させなくてもよいでしょう。

11-2.別居中に子どもの養育費を請求できますか?

子どもを連れて別居している場合、請求できる婚姻費用には配偶者の生活費と子どもの養育費が含まれています。

従って、「婚姻費用」という名目で、子どもの養育費を含めた金額の請求を行うことが可能です。

なお、請求できる婚姻費用は、請求した時点以後の配偶者の生活費と養育費です。

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12.まとめ

離婚前に別居すべきかどうかについては、判断に迷うところです。離婚準備についても、別居によってやりやすくなる面もあれば、財産調査や不倫の証拠収集などでは別居すると不利になります。

別居するべきか否かについても、離婚を専門とする弁護士に相談することをおすすめします。

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担当者

南 陽輔
南 陽輔一歩法律事務所弁護士
■経歴
2004年3月 大阪大学法学部卒業
2007年3月 関西大学法科大学院卒業
2008年12月 弁護士登録(大阪弁護士会所属)
2008年12月 大阪市内の法律事務所で勤務
2021年3月 一歩法律事務所設立

大阪市内の法律事務所に勤務し、民事訴訟案件、刑事事件案件等幅広く法律業務を担当しておりました。2021年3月に現在の一歩法律事務所を設立し、契約書のチェックや文書作成、起業時の法的アドバイス等、予防法務を主として、インターネットを介した業務提供を行っております。皆様が利用しやすい弁護士サービスを提供できるよう心掛けております。
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