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日本の夫婦の離婚率は?ケース別の離婚率や原因を弁護士が解説!

日本の夫婦の離婚率は?ケース別の離婚率や原因を弁護士が解説!
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離婚をするかどうか悩んでいるときに、他にもどれくらいの夫婦が離婚しているのだろうか、と考えることは無いでしょうか。

連日マスコミやワイドショーのネタとして著名人・芸能人の離婚が報じられる昨今、離婚をすることに抵抗が低くなった今では、どれくらいの夫婦が離婚をしているのでしょうか。

本記事では、離婚の実態について知るために、離婚率という観点から離婚を考えてみましょう。

1.日本の夫婦の離婚率は?

日本の夫婦の離婚率について確認しましょう。

1-1.離婚率とは

離婚率とは、統計学上使われる数値で、人口1,000人あたりの離婚件数の数字をいい、離婚の数が多いか少ないかを判断するために用いられます

この数字が1である場合、人口1,000人あたり1件の離婚が発生しているという計算になります。

離婚率については、結婚した夫婦の何%くらいが離婚しているのか?というイメージや文脈で使われ、実際に何十%という数字を発表しているものも散見されますが、統計学上の数字としての用法ではないということを知っておいてください。

1-2.日本の夫婦の離婚率

日本の夫婦の離婚率について、最新の統計として、厚生労働省が発表している人口動態統計令和4年(2022年度)版によると、離婚率は1.47となっています。

離婚率年度
1.02昭和22
0.99昭和23
1.01昭和24
1.01昭和25
0.97昭和26
0.92昭和27
0.86昭和28
0.87昭和29
0.84昭和30
0.8昭和31
0.79昭和32
0.8昭和33
0.78昭和34
0.74昭和35
0.74昭和36
0.75昭和37
0.73昭和38
0.74昭和39
0.79昭和40
0.8昭和41
0.84昭和42
0.87昭和43
0.89昭和44
0.93昭和45
0.99昭和46
1.02昭和47
1.04昭和48
1.04昭和49
1.07昭和50
1.11昭和51
1.14昭和52
1.15昭和53
1.17昭和54
1.22昭和55
1.32昭和56
1.39昭和57
1.51昭和58
1.5昭和59
1.39昭和60
1.37昭和61
1.3昭和62
1.26昭和63
1.29平成元
1.28平成2
1.37平成3
1.45平成4
1.52平成5
1.57平成6
1.6平成7
1.66平成8
1.78平成9
1.94平成10
2平成11
2.1平成12
2.27平成13
2.3平成14
2.25平成15
2.15平成16
2.08平成17
2.04平成18
2.02平成19
1.99平成20
2.01平成21
1.99平成22
1.87平成23
1.87平成24
1.84平成25
1.77平成26
1.81平成27
1.73平成28
1.7平成29
1.68平成30
1.69令和元
1.57令和2
1.5令和3
1.47令和4

離婚率が最低であった昭和38年の0.73だった時に比べ、最高の平成14年は2.30で、3倍以上の差があります。

昭和30年代~40年代は0.70~0.80代だった離婚率は、昭和47年を超えてからはどの年も1を超えるようになっており、平成11年からは2を超えることが多くなりましたが、近年は減少傾向にあるといえるでしょう。

1-3.よくいう離婚率30%・3組に1組は離婚という数字は何を根拠としている?

離婚率という表現をするときに、離婚率は30%(前後)で、3組に1組は離婚をするという表現を見ることがあります。

この数字の根拠となっていると推測されるのが、婚姻数と離婚数の数字の関係です。

令和4年の婚姻件数は504,930件で、離婚件数は179,099件で、「離婚件数÷婚姻件数」でパーセンテージで示すと約35%となります。

このパーセンテージは概ね過去数年継続しており、離婚率を30%前後の数字で、これをもとに夫婦の3組に1組は離婚をしているという表現をしていることがあります。

しかし、離婚をするタイミングは夫婦によって異なります。

そのため、ある年に婚姻した夫婦の何割が離婚するかについては本来、その年に婚姻した夫婦を後年まで追跡して計算しなければ計測できません。

そのため、この数字は不正確な数字であるといえるでしょう。

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2.ケース別の離婚率

ケース別の離婚率について確認してみましょう。

2-1.年代別からみる離婚率

年代別の離婚率については、国立社会保障・人口問題研究所が発表している、人口統計資料集の2023年改訂版、表6-8「性,年齢(5歳階級)別離婚率においてまとめられています。

2021年の5歳を一つにまとめて階級別にした離婚率は男女それぞれ次の通りとなっています。

年齢男性女性
19歳以下0.090.23
20~24歳1.912.89
25~29歳4.746.39
30~34歳5.806.81
35~39歳5.375.79
40~44歳4.634.69
45~49歳3.813.73
50~54歳2.952.59
55~59歳2.101.53
60~64歳1.420.87
65~69歳0.840.52
70歳以上0.380.17

年代別としては、男性も女性も30~34歳、25歳~29歳の時にもっとも離婚をしているということが言えるでしょう。

2-2.婚姻期間からみる離婚率

離婚した夫婦の婚姻期間がどれくらいあったのかも、人口統計資料集の2023年改訂版に記載されています。表6-13 同居期間別離婚数によると次のようになります。

年数割合
1年未満5.30%
1年6.90%
2年6.50%
3年5.70%
4年5.10%
5~9年18.50%
10~14年13.20%
15~19年10.70%
20年以上21.10%
不詳6.90%

離婚年齢が30~34歳、25歳~29歳が離婚率が高かったのですが、それを反映するように4年以内の離婚が合計29.5%となっています。

婚姻期間の長い夫婦の離婚のことを熟年離婚ということがありますが、婚姻期間が20年以上の離婚も21.1%となっており、1947年の3.1%からすると約7倍にものぼっており、近年の離婚に関する傾向であるといえるでしょう。

2-3.都道府県別の離婚率

都道府県別で離婚率も発表されているので確認してみましょう。

都道府県離婚率(令和4年)
全体1.47
北海道1.65
青森1.39
岩手1.27
宮城1.35
秋田1.15
山形1.16
福島1.44
茨城1.41
栃木1.43
群馬1.49
埼玉1.44
千葉1.41
東京1.43
神奈川1.42
新潟1.13
富山1.08
石川1.14
福井1.15
山梨1.44
長野1.29
岐阜1.36
静岡1.42
愛知1.53
三重1.47
滋賀1.34
京都1.41
大阪1.7
兵庫1.49
奈良1.38
和歌山1.55
鳥取1.42
島根1.25
岡山1.52
広島1.46
山口1.35
徳島1.44
香川1.6
愛媛1.49
高知1.59
福岡1.68
佐賀1.31
長崎1.38
熊本1.46
大分1.5
宮崎1.68
鹿児島1.58
沖縄2.13

全国の離婚率1.47から比べて高いか低いかを考えてみると、沖縄が唯一2.13と2を超えている一方で、富山のように1.08と極めて低いところもあります。

人口の多い東京・神奈川はそれぞれ1.43・1.42と少し低いですが、大阪は1.70、愛知は1.53と高い数字となっています。

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3.離婚率に影響する事情としてどのようなものが挙げられるか

これらの数字から離婚率に影響する事情としてはどのようなものが挙げられるのかを検討しましょう。

3-1.やり直しができるかどうか

年齢別の離婚率で、30~34歳、25歳~29歳の離婚率が高かったこと、婚姻期間として4年未満が約30%以上だったことから、離婚によって人生のやり直しができるかどうかは離婚率に影響する可能性があります。

例えば子どもがほしい人の場合、初産で35歳以上であれば俗に高齢出産と言われ、妊娠・出産に伴うリスクが高まるため、なるべく早く結婚したいといえるでしょう。

25歳~34歳の間に離婚をしておけば、高齢出産に該当する前に妊娠・出産をすることもできるでしょう。

熟年離婚で婚姻期間中我慢していた人生をやり直そうということも考えられ、熟年離婚の増加もこのような人生をやり直すという観点から説明することができます。

3-2.ご当地の事情

都道府県によって離婚率に違いがあるのは、ご当地の事情が影響するといわれています。

沖縄や北海道の離婚率が高いのは、経済的なことに原因があると説明されることがあります。

また、福岡が1.68と高いのは、いわゆる九州男児的な夫婦関係に女性側が耐えられなくなっていると説明されることがあります。

大阪の離婚率が高いのは女性の気が強いということも説明されますし、大阪・福岡・北海道・沖縄のように歓楽街の多いところは、キャバクラ・スナック・風俗店など女性が一人でも行きていける環境があることも影響している可能性があります。

一方で秋田・山形・新潟・福井・石川といった地域は雪国であり家族と過ごす時間のほうが多いため家庭円満を重視する結果離婚率が低めである可能性があります。

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4.離婚しないためにできること

離婚率が高くなる要因があるような場合に離婚しないためにできることとしては次のようなことがあるでしょう。

4-1.夫婦・家族のコミュニケーションを親密にする

夫婦・家族のコミュニケーションを親密にすることは、離婚を避ける最も重要なことです。

育った環境も性格も違う他人が、夫婦として暮らしていく場合、長く暮らせば暮らすほど不満も溜まっていくものです。

コミュニケーションがうまく取れていないと、我慢することが増えて不満が爆発してしまい、これによって夫婦仲がギクシャクするということも。

コミュニケーションを親密にすることで、お互いが尊重しあい生活をすることができ、離婚となるような夫婦関係の悪化を避けることが可能となります。

4-2.金銭問題をルーズにしない

夫婦の問題で最も離婚に繋がりやすい問題の一つが金銭問題です。

相手に内緒で借金をしていた、カードを使って買い物をした、これらが発覚してしまって関係が悪化し、そのまま離婚となるケースです。

相手に隠して浪費をするようなことはご法度であるとともに、どうしても個人に降り掛かってしまった問題がある場合には、正直に相手に相談をしてみましょう。

4-3.相談できる人が身近にいる

夫婦で問題が発生したとき、どうしても当事者だけで解決をしようとするため、一度大きなズレが生じるとずっとそのまま不満の種になることも珍しくありません。

このような場合に第三者の意見は精神的安定のためにも、問題解決のためにも重要です。

相談できる人が身近にいると、関係修繕のための軌道修正が容易になります。

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5.離婚の原因になるよくある理由

離婚したくない場合には、離婚の原因になってしまうよくある理由についても知っておきましょう。

5-1.不倫

離婚の原因になるよくある理由として最初に挙げられるのが不倫です。

信頼関係を壊すとともに、家に帰ってこなくなることで子への悪影響を与えるなど、婚姻関係を破綻させる重大な行為であるといえます。

このことから、民法770条1項に規定されている離婚原因の一番最初の1号に規定されています。

5-2.金銭問題

金銭問題も離婚の原因になりやすいです。

特に結婚後にパチンコにハマってしまって多額の借金を作ってしまったり、夫婦の共有財産や相手の預金を勝手に使ってしまったり、相手の親から借金をするようなケースもあります。

仕事を辞めてしまい働かない、というのも金銭問題に含まれるといえるでしょう。

将来を見据えることができなくなるので、離婚を考える直接のきっかけになります。

5-3.DV・モラハラ

DVやモラハラも離婚の原因となりやすいです。

特に男性から女性にDVを行うような場合は、自分や子どもの身体・生命に関わることにもなります。

モラハラを行うような相手と何十年も暮らさなければならないのは精神的にも苦痛です。

モラハラについては、定年退職後に夫との時間が増え、モラハラの機会が増える妻から熟年離婚を言い渡されるケースが目立つようになりました。

5-4.性格の不一致

裁判所が行う司法統計でも最も多いのが性格の不一致です。

お互いに不満を持ったまま日常生活をともにすることになり、コミュニケーションが少なくなり、不倫・DVやモラハラなどにつながりかねません。

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6.離婚するための手順や方法

どうしても相手に我慢ができなくなって離婚をするための手順は次の通りです。

6-1.離婚の準備

離婚をする際にはきちんと準備を行います。

準備のポイントとしては、証拠集め・財産の調査・離婚後の生活の準備の3つです。

(1)証拠集め

離婚をする際に、相手が離婚に同意しなければ、最終的には裁判を起こす必要があります。

裁判では自分が主張する事実の立証や、相手の主張する事実の反証に、証拠が必要となります。

また、慰謝料・財産分与・養育費などの金銭の支払いを求める場合でも証拠が必要です。

例えば不倫をされた場合、離婚原因である不貞行為を主張するため、慰謝料請求をするため、親権を勝ち取るため、相手が不倫をしたことを主張し立証しなければなりません。

不倫を原因として離婚を請求すると、相手は離婚をした証拠を隠すことが想定されます。

この時点で不倫に関する証拠がなければ、不倫を立証できずに、離婚や慰謝料の請求ができなくなってしまいます。

離婚の請求をする前に証拠集めをする必要があります。

(2)財産の調査

相手の財産の調査をしっかり行っておきましょう。

離婚する場合には財産分与を請求することができますが、相手が財産分与の対象となる財産を隠していることがあります。

また、相手が財産分与・慰謝料・養育費を支払わない場合、相手の財産に強制執行をする必要がありますが、その際に強制執行の対象となる財産を特定する必要があります。

一度離婚する・別居をすると、相手の財産の特定は難しくなります。

離婚前に財産の調査をしっかりしておきましょう。

(3)離婚後の生活の準備

離婚後の生活の準備をできる限り早めに行っておきましょう。

特に子どもがいるような場合、離婚後の生活で混乱してしまうと、新しい環境に順応できずに不登校などの問題を起こすこともあります。

離婚後には手続きや、収入確保のために働きに出るなど、思うように時間がとれません。

余裕をもって離婚後に生活を始められるように、事前に準備をしておくようにもしましょう。

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7.離婚を弁護士に相談、依頼するメリット

離婚問題は弁護士に相談・依頼することに次のようなメリットがあります。

7-1.法的問題の解決をリードしてくれる

離婚にあたっては、離婚ができるかどうか、財産分与・慰謝料・親権・養育費・年金分割など様々なことを決める必要があります。

また、当事者で協議ができなければ、調停・裁判などの法的手続きによる必要があり、これらの手続きに関する知識も不可欠です。

弁護士に相談・依頼すれば、これらの法的問題についての解決をリードしてくれます。

7-2.依頼をすれば交渉を代理してくれる

弁護士に依頼をすれば交渉を代理してくれます。

離婚の交渉に精神的な負担がかかる場合があります。

例えばモラハラの被害にあっていたような場合、モラハラをする相手ときちんと交渉をするのは非常に困難です。

相手がDVを行うような場合には、交渉すること自体に危険が伴います。

その結果、慰謝料も財産分与も受け取らずに離婚だけして諦めてしまうということも珍しくありません。

弁護士に依頼すれば、相手との交渉を任せることができるので、精神的な負担を大きく軽減することができます。

7-3.冷静に交渉することができる

弁護士に依頼すれば、冷静に交渉をすることが期待できます。

離婚の交渉をする際には、当事者双方が感情的になってしまっていることが珍しくありません。

その結果、相手を罵倒するばかりで条件の交渉すらまともにできないことがあります。

弁護士に依頼することで、弁護士が冷静に交渉をしてくれます。

また、相手も弁護士に相談したり依頼することで、弁護士同士で条件面について冷静に話し合いスムーズに離婚をすることもあります。

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8.離婚率に関するよくあるQ&A

離婚率に関するよくあるQ&Aとしては次のものが挙げられます。

8-1.世界と比較して日本の離婚率は高いのか低いのか?

統計の方法や比べる年次も違うので一概にこのデータのみで比較するのが正しいとはいえないのですが、国立社会保障・人口問題研究所の人口統計資料集(2023)の表6-19 主要国の婚姻率および離婚率によると次のようなデータがあります。

国(年次)離婚率
アメリカ(2019)2.28
韓国(2021)1.98
ドイツ (2019)1.79
ベトナム(2021)0.22
オーストラリア(2020)1.93

ベトナムの離婚率が著しく低いほかは、各国1.7以上を超えており、日本よりも離婚率が高いといえます。

こうして比較すると、日本の離婚率は低いといえるでしょう。

9.まとめ

このページでは離婚率についての数字から、離婚についての実態を考え、離婚の手続きなどについて確認しました。

ピークからは落ちてはいますが、昭和の初期の頃にくらべると離婚率は上がっており、特に若い世代での離婚や、最近の傾向として熟年離婚の増加が顕著であるといえます。

若い世代や熟年離婚が一般的な傾向となってはいるものの、実際に離婚する場合には個々の事情に応じて準備や手続きが必要となります。

離婚を有利に進めたい場合には、まず弁護士に相談するようにしましょう。

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担当者

南 陽輔
南 陽輔一歩法律事務所弁護士
■経歴
2004年3月 大阪大学法学部卒業
2007年3月 関西大学法科大学院卒業
2008年12月 弁護士登録(大阪弁護士会所属)
2008年12月 大阪市内の法律事務所で勤務
2021年3月 一歩法律事務所設立

大阪市内の法律事務所に勤務し、民事訴訟案件、刑事事件案件等幅広く法律業務を担当しておりました。2021年3月に現在の一歩法律事務所を設立し、契約書のチェックや文書作成、起業時の法的アドバイス等、予防法務を主として、インターネットを介した業務提供を行っております。皆様が利用しやすい弁護士サービスを提供できるよう心掛けております。
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