慰謝料請求したい
浮気された!浮気相手から慰謝料を取る方法を弁護士が徹底解説!
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本記事では、浮気相手から慰謝料を取る方法やそのために必要な条件、慰謝料を取る上での注意点等について離婚・男女問題、不倫慰謝料に強い弁護士が解説します。
目次
1.浮気相手から慰謝料を取る条件
浮気は、法律上、不法行為(民法709条)にあたります。不法行為となれば、損害賠償責任が発生します。いわゆる慰謝料です。
不法行為が成立するためには、以下の条件が必要です。
- 浮気(不貞行為)があったこと
- 浮気のとき、相手が既婚者であることを知っていたこと、又は知らなかったことについて過失があること
2.浮気相手から慰謝料を取る方法
浮気相手に対する慰謝料請求を考えたとき、まず「どうやって慰謝料請求すればよいか」が気になる方も多いのではないでしょうか。ここでは、浮気相手から慰謝料を取る方法について解説します。なお、被害者をA、浮気した配偶者をB、浮気相手をCと表記します。
2-1.直接会って交渉
まず、Cと話し合い(示談交渉)の機会を持ち、そこでCがBを既婚者と知りながらBと性的関係を持った事実を認めさせて慰謝料を請求する方法が考えられます。
交渉が成立した場合は、公証役場で公正証書を作成することをお勧めします。これは公正証書が裁判の判決と同等の強制力を持つため(民事執行法第22条7号)、慰謝料の支払いが行われなかったり分割払いが途中で滞ったりした場合に強制執行、たとえば財産の差押えが可能になるからです。
もちろん、金額が折り合わない、浮気の事実を認めない、など交渉がうまくいかないケースもあります。
2-2.書面を送付
Cから話し合いを拒否されたり、BともCとも直接会いたくないという場合は、書面で慰謝料を請求する方法が考えられます。書面を送付する場合、内容証明郵便で郵送するという方法があります。内容証明郵便は、郵便局で利用できます。郵便局が郵便の内容と発送日時・到達日時を記録して証明してくれるものです。これによって、慰謝料請求権が消滅時効(民法第724条1号)にかかるのを防ぐことができる場合があります。
ただし、内容証明郵便を利用しても、Cに強制的に慰謝料を支払わせることはできません。
2-3.訴訟を起こす
示談交渉が成立しなかったり、内容証明を送っても支払いが行われなかった場合は、慰謝料を請求する訴訟を提起することを検討しましょう。
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3.訴訟をする場合の注意点
浮気相手への慰謝料請求訴訟では、浮気相手の主張によっては、請求する側が必要な証拠を用意する必要があります。また、証拠の準備にあたって注意すべきところもあります。
本章では浮気相手に慰謝料請求するうえでの証拠や注意点について解説します。
3-1. 証拠
慰謝料請求の交渉の段階では、証拠が揃っていなくても請求することが可能です。しかし、交渉が成立せず、裁判で慰謝料請求することになった場合には、請求する側が裁判官に「不貞行為の事実があったこと」及び「既婚者であると知っていたこと、又は知らなかったことについて過失があること」等について、証拠を用いて証明しなければならないことがあります。
証拠となりうるものとして以下のようなものがあります。
【不貞行為の事実】
- ①ラブホテルや宿泊施設に出入りする場面の動画や写真
- ②性的関係を推測させる場面の動画や写真
- ③探偵事務所の調査報告書(上記に挙げた動画や音声等を含む)
- ④配偶者と第三者の性的関係を推測させる内容のSNS投稿
- ⑤その相手と会う予定が記録された手帳等
- ⑥宿泊施設を利用したことがわかるクレジットカード利用明細
- ⑦GPSのデータ(ラブホテル他の宿泊施設に行ったことを推測させるもの)
- ⑧浮気目的の外出や行先を推測させるドライブレコーダーやカーナビの記録
【既婚者であると知っていたこと、又は知らないことについて過失があること】
- ①「嫁にバレる」等の通話音声
- ②同様に、配偶者を指す言葉が入っている等、貞操権侵害の故意があったことを推測させる内容のLINE・メール等のメッセージのやり取りの記録
- ③職場が同じなど、浮気相手と配偶者との関係性
上記のほか、浮気相手や配偶者の浮気を認めた自白も有力な証拠です。書面にする、録音することが望ましいです。
3-2. 注意点
(1)浮気相手の氏名・住所を特定していること
まず、浮気相手の氏名・住所が特定できていることが必要になります。人違いが許されませんし、訴状を送るにも相手の氏名・住所を特定している必要があります。
(2)被害者が浮気相手を特定した時点から3年経過していないこと
浮気相手に対して慰謝料請求する場合は「加害者を知った時」から3年以内に請求する必要があります。
なお、被害者が浮気相手を特定したか否かにかかわらず、最後に浮気が行われた時から20年経過した場合も、慰謝料請求権が認められないことになります。
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4.浮気相手から配偶者への請求とその対応
浮気をした配偶者と浮気相手は、被害者に対して1個の慰謝料支払義務を連帯して負います。「連帯して」とは、二人で慰謝料を払えばよいことを意味します。
例えば、妻Bが夫Aの浮気相手Cに対して100万円の慰謝料請求をし、Cが100万円を支払った場合を考えます。Cが支払ったあと、Aにも慰謝料を請求しようとした場合、Aが「Cが慰謝料を支払ったから自分は支払わない」という主張が認められ、Aから慰謝料を取れないことがあります。
また、浮気相手から配偶者への金銭請求がなされることもあります。法律上、「求償権」と呼ばれます。先ほどの例でいえば、100万円支払ったCが、Aに対して、100万円の一部(通常は半分)を請求することができます。
そのため、配偶者への請求を阻止したい場合、浮気相手にこの求償権を放棄させる必要があります。
5.浮気相手に慰謝料請求をするときの注意点
5-1. 証拠収集目的であっても犯罪に該当する行為をしないこと
自分で証拠を集めるための方法はいくつか考えられます。しかし、立証のための証拠収集であっても、刑法等の犯罪に該当する行為を行うことは許されません。
たとえば、①浮気相手の住居への立ち入り、 ②住居からの物・データの持ち出し、③浮気相手の所有物を破壊する行為、④浮気相手に対して殺す等と脅す行為、 ⑤「慰謝料を払わなければ勤め先にバラす」等と脅す行為は刑法上の犯罪に該当する可能性があります。
このような行為を行った場合、逮捕・起訴されたり、逆に浮気相手から損害賠償や慰謝料を請求される可能性があります。
5‐2 請求期限に注意
慰謝料は、浮気の事実および加害者を知ってから3年以内に請求する必要があります。請求するかどうか迷っているうちに期間を過ぎてしまえば、もはや請求できなくなってしまいますので注意が必要です。
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6.浮気相手から慰謝料を取ることを弁護士に相談するメリット
これまで述べたとおり、配偶者の浮気が発覚した場合、浮気相手に対しても慰謝料請求することが可能です。
しかし、個人で請求することはなかなか難しいです。
まず、請求額について被害者個人で判断することが難しいです。
また、内容証明郵便で慰謝料請求するには最低でも相手の住所を特定している必要があります。そして内容証明には支払いを法的に強制する効力がないため、無視された場合に無理やり取り立てることはできません。
浮気相手から慰謝料を強制的に取り立てるためには、裁判で主張を認めてもらい、請求任用判決を得ることが必要です。訴訟では不貞行為の事実に加えて、既婚者であることを知っていた又は知らないことについて過失があったことも立証しなければなりません。また、裁判は平日に行われますが、基本的にすべての裁判に出席しなければなりません。
なにより、浮気相手の不誠実な対応によってさらに傷ついてしまう、ということもよくあります。
この点、浮気相手に対する慰謝料請求について弁護士に相談することで、これらの問題を解決することができます。本章では、浮気相手から慰謝料請求を取ることを弁護士に相談するメリットについて解説します。
6-1. 浮気相手の特定が容易になる
浮気相手に対する慰謝料請求で、最初にネックとなりやすいのが浮気相手の住所氏名の特定です。個人情報保護法の施行以来、第三者が個人の住所や氏名を特定することは難しくなっています。
この点、浮気相手の固定電話・携帯電話のいずれかの番号または所有する車のナンバープレートが判明している場合は、弁護士に相談すれば弁護士照会制度を利用して相手の氏名、住所を特定できることがあります。
6-2.証拠収集方法について助言を受けられる
(1)証拠収集を被害者本人が行うことは困難
次にネックとなるのが「証拠収集」です。配偶者や浮気相手が浮気の事実をすぐに認めていれば、証拠が揃っていなくても慰謝料請求できます。
しかし、多くの場合は浮気の事実を認めさせるための証拠を集める必要が生じます。慰謝料請求の交渉が成立せずに訴訟になった場合は、原告側(慰謝料を請求する側)が配偶者の浮気の事実を立証しなければなりません。
(2)弁護士に相談すれば証拠収集の悩みが解決する
この点、男女問題に強い弁護士に相談すれば、個別の事情に応じて必要となる証拠の種類や、それぞれの証拠の集め方について詳しいアドバイスを受けることができます。さらに、必要な場合は信用できる探偵事務所(興信所)を紹介してもらうこともあります。
6-3. 適正な請求額を算定してもらえる
浮気相手に対して慰謝料を請求する場合、さらに問題となるのが「いくらぐらい請求できるか」ということだと思います。被害者が浮気相手に対して多額の慰謝料を取りたいと思うのは当然です。
しかし、慰謝料額の算定は ①浮気が行われた状況、②浮気の期間、回数、③妊娠の有無、④結婚生活の状況、⑤離婚を求めるか求めないか、などさまざまな要素を総合的に判断して行う必要があります。
これらについて弁護士に相談することにより、過去の裁判例や経験に基づいて適正な慰謝料額を算定してもらうことができます。
6-4. 内容証明送付・示談交渉・訴訟等の法的手続を任せることができる
浮気相手に対して慰謝料を請求するにあたっては、法的な手続きが必要となることも被害者個人にとっては障壁になります。被害者名義で内容証明を送っても相手が無視したり、交渉に応じてくれない可能性があります。あるいは、相手側が弁護士を立ててくるということも想定されます。
弁護士に相談すれば、弁護士が代理で慰謝料を請求します。弁護士という法律の専門家が請求しますので、相手が交渉に応じる可能性が高くなります。また相手側が弁護士を依頼している場合でも、対等に交渉することができます。さらに、慰謝料請求の交渉がまとまらずに裁判で争うことになった場合も、被害者個人では行うのが難しい訴状作成や証拠の提出、裁判での出席・弁論等の訴訟関連の手続きを任せることができます。
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7.浮気相手から慰謝料を取るときのよくあるQ&A
本章では、浮気相手から慰謝料を取るときに起こる問題に関して、よく頂いている質問とそれに対する回答を御紹介します。
7-1.浮気相手が応じない場合はどうすればよいのか
浮気相手に対して慰謝料請求する場合、相手が応じない理由としては以下のような事情があることが考えられます。
- ①既婚者と知りながら性的関係を持ったが、慰謝料は配偶者が払えばよいと思って無視している
- ②慰謝料請求されるまで相手が既婚者であることを知らなかったため、不倫だという認識がないのに慰謝料請求されるのは理不尽だと思っている
- ③独身だと偽られてプロポーズされ結婚準備をしていたところで既婚者だとわかり、逆に相手に慰謝料請求したいと思っている
このうち、②と③については、浮気相手に対して慰謝料を請求できない可能性はあります。浮気相手に対して慰謝料請求をするためには、性的関係を持った相手が既婚者であることを知っていたこと、知らなかったとしても、知らなかったことについて過失があることが必要です。②、③のケースでは、既婚者であることを知りませんので、知らなかったことについて過失があるかが問題です。過失もない、となれば請求できません。
これに対して、①の場合は浮気相手に被害者に対する慰謝料支払義務があります。そこで慰謝料請求するためにとりうる手段としては、まず弁護士に相談した上で弁護士名義での内容証明郵便によって請求書類を送ることが考えられます。相手が応答した場合は示談交渉を申し入れて、弁護士を通して交渉で慰謝料について話し合ってください。応答しない場合は、弁護士に依頼して慰謝料請求訴訟を提起することになります。
浮気相手が請求に応じない理由として、請求額が高すぎることも考えられます。適正な請求額についても弁護士に相談されることをお勧めします。
適正な金額だとしても、相手に財産がなく支払えないということも考えられます。分割も含めて、支払方法について協議することも可能です。分割の場合、支払いが滞った場合に備えて、公正証書の作成を検討しましょう。
7-2.浮気相手が財産を隠そうとしている場合はどうすればよいのか
浮気相手への慰謝料請求で、判決を得た場合や公正証書を作成した場合、強制執行によって相手の財産を差し押さえて強制的に慰謝料を支払わせることができます。これは、相手が不動産や預貯金など一定の財産を持っている場合に有効な手段です。
しかし、強制執行前に財産を移転、たとえば不動産を処分してしまったような場合、強制執行をしても、差し押さえるべき財産がないということがありえます。
これを防ぐための手段として、裁判所に対して金銭債権の仮差押え命令(民事保全法第20条)を申立てることが考えられます。これは、判決による権利実現(慰謝料支払命令等)を待っている間にその権利実現が不能になるおそれがあり、対象となる財産を保全しておく緊急の必要性がある場合に暫定的措置として行われる「保全命令」の一種です。
債権仮差押命令は訴訟を提起した場合のみ可能な手続ですが、債権者側が権利の存在・保全の必要性を証明することができれば、債務者への通知や承諾を必要とせずに手続を進めることができます。
ただし、既に財産の所有権が第三者に移転してしまった場合にはこの手続を行う意味がなくなってしまいます。また、裁判で和解交渉が行われている場合に債権仮差押命令申立てを行ったことが被告側に知られてしまうと、和解交渉が進まなくなるおそれがあるというデメリットもあります。
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8.まとめ
浮気相手から慰謝料を取るためには、相手との交渉・内容証明送付・訴訟手続等、被害者個人で行うことが困難な法的手段をとることが必要となります。相手と対等に交渉して確実に慰謝料をとるため、男女問題を専門とする弁護士に相談することをお勧めします。
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担当者
![福永 臣吾](https://www.legalsmart.jp/wp-content/uploads/2023/11/スクリーンショット-2023-11-28-11.03.42-150x150.jpg)
- 法律事務所リーガルスマート弁護士
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■経歴
2005年3月 慶應義塾大学経済学部 卒業
2011年3月 一橋大学法科大学院 修了
2014年12月 最高裁判所 司法研修所(鹿児島地方裁判所配属) 修了
2015年1月 弁護士法人アディーレ法律事務所 入所
2015年4月 弁護士法人アディーレ法律事務所鹿児島支店支店長 就任
2023年9月 法律事務所リーガルスマート入所
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