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お金を返してくれない友達の対処法やNG行動を弁護士が解説!

お金を返してくれない友達の対処法やNG行動を弁護士が解説!
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友達にお金を貸したんだけど返してくれないという経験をした方は少なからずいらっしゃるかもしれません。その方々の中には、少額だから返してと催促するのも面倒だしあきらめてしまったという方もいるでしょう。

しかし、ある程度まとまった金額を貸したにもかかわらず返してくれないとなると話は別です。一方で、友達であるが故に強く言いづらい面があり、対処方法に悩むと思います。

また、借用書もない場合はどのように対処すればよいのでしょうか。

本記事では、友達がお金を返してくれない場合の対処法やNG行動を弁護士が解説します。友達がお金を返してくれず悩んでいる方はぜひ最後までお読みください。

目次

1.お金を返してくれない友達への対処法

お金を返してくれない友達に対して、どのような方法を取るべきでしょうか。以下では、時効対策と証拠収集という観点から主な対処を4つ挙げて説明します。

1-1.返済期限を定めなかったときはまず催促する

友達同士の貸し借りの場合、「いつまでに返して」などの返済期限を定めないことも多いでしょう。

返済期限を定めずにお金を貸した場合、法律的には「期限の定めのない債務」と言われます。

「期限の定めのない債務」の場合、民法では「債務者は、履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負う」とされています。つまり、返済期限を定めずに友達にお金を貸した場合、「返して」という請求を受けた時に初めて返済期限を過ぎたということになるのです。

よって、返済期限を定めずに友達にお金を貸した場合において、お金を返してほしいときは、まず友達に対し催促をする必要があります。

1-2.催促によって承認を引き出す

返済期限を定めなかったときは催促をすることによって返済期限を設定することは、先に説明したとおりです。

催促には、友達に催促をすることによって承認を引き出すというもう一つの意味があります。例えば「この前貸した10万円、返してくれる目途つきそう?」などとやんわり尋ねてみましょう。これに対し友達が「今月厳しくて。ちょっと待ってくれない?」などと返答してきた場合はメッセージを保存しておきましょう。

友達が債務を承認したことを示す証拠となる可能性があります。

友達に貸したお金の返還を請求できる権利を債権といいますが、債権は「行使ができることを知った時」から5年で時効となります。他方、時効期間中に債務を承認すると時効は更新され、リセットされます。

友達が長期間にわたって貸したお金を返してくれないときは、時効完成を阻止するために債務の承認メッセージを保存しておくようにしましょう。

1-3.借用書がない場合は振込明細票などを保管しておく

友達にお金を貸した場合、大きな金額でないかぎり借用書などを書いてもらうことは稀でしょう。

借用書がないとお金を返してもらえないと誤解されている方がいるかもしれませんが、借用書がなかった場合はあきらめないといけないわけではありません。借用書がなくても、友達の口座にお金を振り込んだ履歴や、メッセージのやりとりなどもお金を貸した証拠になり得ます。

例えば、「昨日10万円振り込んだけどちゃんと入金されてた?」などと尋ねてみましょう。これに対し友達が「ちゃんと入金されてたよ。ありがとう。」と返信してきたら少なくとも10万円を受け取った証拠になり得ます。

訴訟などの法的措置を取る場合に大事な証拠となるため、振込明細票などは保管しておきましょう。

1-4.一筆書いてもらう

友達にお金を貸した証拠として振込明細票やメッセージのやり取りは有用なものですが、まとまった金額の場合、それだけだといざ返してくれない場合は心細いものです。

大きな金額を貸したものの、返してくれない場合は一筆書いてもらえるか尋ねてみましょう。金銭消費貸借契約書や借用書といった形式でなくてもかまいません。「〇〇円お借りしました」というような簡単なものでも証拠としては有用なものになり得ます。

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2.友達がお金を持っていない場合の対処法

友達がお金を持っていない場合、返してくれと迫っても無いものは無いので失敗に終わることがほとんどです。

訴訟を起こして勝訴したとしても、お金を持っていない場合は絵に描いた餅です。

「ない袖は振れぬ」なのです。

友達がお金を持っていないにもかかわらずしつこく返済を迫ると、態度が頑なになり逆効果になりかねません。場合によっては音信不通になり、ますます返してくれなくなる可能性があります。

そこで、友達がお金を持っていない場合は直接返済を迫って相手を刺激するのではなく、別の方法を考えましょう。以下では、友達がお金を持っていない場合の対処法として3つを挙げて説明します。

2-1.分割で払えないか相談する

友達がお金を持っていない場合、分割であれば払えるかもしれません。そこで、友達が現在お金を持ってない場合、分割で支払えないか打診してみましょう。本当は返したいんだけれど今は難しいと考えている友達であれば分割での支払いに応じてくれるかもしれません。

もし応じてくれた場合には、簡単でよいので分割での支払いに合意したことや月々の支払額などを一筆書いてもらうようにしましょう。

義理堅い友達であればこの方法は有効ですが、そもそも返す気がない友達に対してはあまり効果がないと思われますので、他の方法を取る必要があります。

2-2.友達に対する債務と相殺する

自分も友達にお金を借りているような場合は、お互いの債権を相殺することによって回収することができます。

ただし、この方法が使えるのであればそもそも悩んでいないと思いますので、レアなケースといえるでしょう。

2-3.友達の資産状況を調査する

友達がお金を持っていない場合でも、車などを持っている場合があります。そういった動産を担保として差し出してもらえば良いのですが、なかなか応じてもらえない場合のほうが多いでしょう。

どうしても返してくれない場合、最終的には動産執行という手段もありますので、貸金を回収できそうな動産がないかを調査しておくようにしましょう。

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3.お金を持っているのに催促に応じない場合の対処法

友達が返済できるくらいのお金を持っているにもかかわらず催促に応じない場合、最終的には法的措置を検討します。

以下では、お金を持っているのに催促に応じない友達に対する対処方法を段階的に解説します。

3-1.証拠を収集する

友達が「あのお金はもらったものだ」といった理由で返済に応じない場合、貸したものだという証拠を収集する必要があります。

友達との間の貸し借りの場合、金銭消費貸借契約書や借用書がない場合のほうが多いでしょうから、友達とのメッセージのやり取りなどで貸したことが立証できそうなものを収集しておきましょう。

3-2.内容証明郵便を送付する

やんわりと返済を促しても返す気が全くないような場合、内容証明郵便を送付することを検討しましょう。内容証明郵便を送付すると友達との関係に亀裂が生じる可能性がありますので、今後の友達との関係性が悪くなったとしても、貸したお金を回収するほうを優先するかどうかを検討してください。

内容証明郵便で支払いを催促することにより、友達に支払の催告をしたという証明をしてもらうことができます。配達証明付きで送付すれば、友達がその内容の内容証明郵便を受け取ったという証拠にもなります。

また、内容証明郵便で送ることにより、こちらが本気で回収を目指していることを友達にわからせることができるでしょう。

特に友人間のお金の貸し借りの場合、親しい間柄であることから返済しなくても強く言えないだろうという甘えが生じる場合があります。内容証明郵便を送付することにより、そういった甘えを許さない姿勢を示すことができます。

3-3.弁護士に代理人になって交渉してもらう

友達が返済の催促に応じない場合、弁護士に依頼して代理人になって交渉してもらうのも有効です。友人間の貸し借りの場合、強く返済を迫ることができず、友達もそれに甘えてしまってなかなか返済しないというケースがよく見られます。

弁護士に代理人になってもらうことによってこちらの本気度を示すことができますし、弁護士が代理人になることによって、返済しないと法的措置を取られてしまうという心理的な効果を与えることができます。

内容証明郵便の送付を弁護士に依頼することにより、弁護士名で送付することができますのでより効果的になるでしょう。

ただし、弁護士が代理人になって友達と交渉を開始すると、友達との関係悪化は避けられません。今後の友達との関係性とのトレードオフを検討してから弁護士に相談するようにしましょう。

3-4.民事調停を申し立てる

民事調停とは、簡易裁判所に調停を申し立てることにより、調停委員を交えて話し合いによる解決を図る手続きです。

裁判と異なり、訴状や準備書面といった書面を作成する必要はないため、弁護士に依頼しなくても本人だけで手続きを進めることができます。また、調停委員が間に入って話し合いの場を持ってくれるため、当事者同士で話し合うよりも解決しやすいというメリットがあります。

仮に調停で解決した場合には、その合意内容が調停調書に記載されます。調停調書は確定判決と同一の効力を有しますので、後で覆されるリスクを回避できます。

しかし、相手方が調停に欠席すると不調に終わってしまうおそれがあります。あくまで話し合いによる解決を目指す手続きのため、相手方が調停に協力しない場合、功を奏しないというデメリットがあります。

3-5.支払督促を申し立てる

支払督促とは、債権者の申立てにより、請求に理由があると認められる場合に、簡易裁判所を通じて支払いを督促してもらう手続きです。

友達が支払督促を受け取ってから2週間以内に異議の申立てをしなければ、こちらからの申立てにより、支払督促に仮執行宣言を付すことができ、これに基づいて強制執行の申立てをすることができます。

訴訟に比べて簡易迅速な手続きで強制執行ができる点がメリットです。

ただし、友達が支払督促を受け取ってから2週間以内に異議を申し立てると通常訴訟に移行してしまうため、注意が必要です。

友達がこちらからの連絡を無視して全く応じないようなケースについては、支払督促は有効ですが、友達との意見が相違しているようなケースについては異議申立てをされる可能性が高いです。

3-6.訴訟を提起する

友達がどうしても返済に応じない場合は、訴訟を提起することになります。裁判に勝訴して確定判決を得ることができれば、それを債務名義として相手方の財産に強制執行することができます。

訴訟を提起する裁判所は友達に貸した貸金の額によって異なります。140万円以下であれば簡易裁判所、140万円を超える債権額の場合は地方裁判所に提起することになります。

訴訟は時間と費用がかかるため、回収までに時間がかかるのがデメリットです。また、友達を訴えるということになればその後の友達との関係性が悪化することは必至ですから、今後の関係性を考えた上で訴訟を提起するかを検討するべきでしょう。

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4.友達から取り立てる際のNG行動

友達に貸したお金を取り立てる場合、その関係性ゆえに一般的な取り立てと異なる行動が求められます。関係を悪化させてもよいのであれば別ですが、今後も一定の関係性を維持したい場合に避けるべきNG行動を説明します。

4-1.友達の親や友人に相談する

友達であるがゆえに共通の友人に相談したい場合もあるでしょう。また、家族ぐるみの付き合いであれば友達の親と知り合いである場合もあると思います。そういった場合に友達の親や友人に相談することで返済を促したいという気持ちは理解できます。友達の親や友人に相談することで友達本人に返済を促してくれることもあるでしょう。友達の親や友人に相談することはプラスに働くこともありますが、友達の気持ちを逆なでしてしまうおそれもあります。友達との関係性を悪化させたくない場合は控えるべきでしょう。

4-2.友達の職場へ連絡する

返済の催促をしても友達が返済をしてくれない場合、友人の職場へ連絡して返済を促したい気持ちはわかりますが、これは原則としてNGです。友達とのお金の貸し借りは個人的な問題であって、職場は関係がありません。最悪の場合、あなたが逆に名誉毀損で訴えられる可能性があります。

友達の自宅の住所がわからずやむを得ず職場へ通知する場合、周りの人に悟られないよう親展とするなど配慮する必要があります。職場への通知は避けるべきでしょう。

4-3.返済を強く迫る

友達であるがゆえにきつい言葉で返済を迫ってしまう場合があるかもしれませんが、これも避けるべきNG行動です。最悪の場合、脅迫罪が成立してしまうおそれがあります。親しい間柄の友達だったとしても言葉遣いには気を付けるようにしましょう。

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5.友達同士の貸し借りQ&A

以下では、友達同士の貸し借りに関するよくある質問3つに回答してまいります。

5-1.契約書がないのですが返済を求めることは可能でしょうか?

友達同士の貸し借りでは契約書がないことも往々にしてあります。契約書がなければ返済を求めることができないわけではありません。お金を貸したことを示す証拠があれば、必ずしも契約書がなくても裁判所で勝訴できる可能性はあります。

銀行の振込明細票や友達とのメッセージのやり取りの履歴などは必ず残しておくようにしましょう。

5-2.友達が音信不通になり居場所がわからなくなってしまいました。回収可能でしょうか?

友達に貸したお金の返済を求めていたところ、突然音信不通になり居場所がわからなくなってしまったというケースはよく聞きます。電話やチャットでのやり取りができなくなってしまった場合でも住所がわかれば法的措置を取ることは可能ですが、居場所がわからなくなってしまった場合には回収は難しくなります。

こうなってしまった場合はあきらめるしかない、というケースも少なくありません。

そもそもお金を貸しても大丈夫な友達かどうかを見極めた上で貸すようにしましょう。

5-3.友達に返済を求めても「いつか必ず返すから」と言うのみで一向に返してくれません。どうしたらよいでしょうか?

友達であるがゆえに甘く見られている可能性があります。友達だから強く言えないことを逆手にとって返済を逃れようとしているかもしれません。

そのような場合、弁護士に相談してみましょう。弁護士は回収についての相談に乗ってくれますし、代理人として友達との交渉をすることも可能です。弁護士が代理人に付いた場合、態度が急変して返済に応じてくれることもあります。

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6.友達とのお金の貸し借りに関するトラブルを弁護士に相談するメリット

友達とのお金の貸し借りは、ビジネス上のお金の貸し借りと違ってうやむやにされてしまう可能性があります。友達が返済に応じてくれない場合は弁護士に相談するのがよいでしょう。弁護士に相談するメリットとしては、以下の4つがあります。

6-1.時効更新等の手続きを取ってもらえる

友人間でのお金の貸し借りの場合、返済を求めることに躊躇してしまったり、あまり強く言えなかったりすることがあると思います。友達に期限の定めなくお金を貸した場合、その時から時効が進行することになります。貸金債権は5年で時効により消滅しますから、友達に強く言えないまま時が過ぎてしまうといつの間にか時効が完成してしまうということにもなりかねません。

弁護士に相談すれば、時効更新のための手続きを取ってもらえるため、時効により消滅してしまうことを防ぐことができます。

6-2.証拠収集のアドバイスがもらえる

友達同士のお金の貸し借りでは借用書等がないことのほうが多いでしょう。弁護士に相談することにより、借用書がない場合であっても将来の法的措置に備えた証拠収集のアドバイスをもらうことができます。

6-3.友達に対し回収の本気度を示すことができる

親しい友達同士ですと、友達だから強く返済を求められることはないだろうと甘く考えられてしまうおそれがあります。弁護士を代理人にした場合、こちら側の回収への本気度を示すことができます。友達は態度を変えて急に返済に応じることも考えられます。

6-4.法的措置を取ることができる

友達がどうしても返済に応じない場合、最終的には仮差押え、支払督促、訴訟などの法的措置を取ることになります。弁護士は法律に関するプロであり、債権回収についての手続きに精通していますから、事案に応じた適切な法的措置を取ることが可能です。

また、弁護士に依頼すれば複雑な法的手続きを自ら行う必要はなく、全て弁護士に一任することができます。

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7.まとめ

友達にお金を貸したけれど返済に応じない場合の対処法やNG行動について解説しました。友達同士の貸し借りの場合、一般的な貸し借りと異なり、甘く考えられてしまったり、強く言えなかったりして返済に応じてくれない場合が多いのではないかと思います。

友達へ貸したお金の返還を求めるために弁護士へ相談すること自体に躊躇を覚える方もいるかもしれませんが、まずは弁護士に相談することをおすすめします。友達との関係性を維持したいのか、悪化してもかまわないのかを弁護士に伝えた上で、希望に応じた適切な措置を取ってもらうようにしましょう。

私たち法律事務所リーガルスマートは、初回60分無料でのご相談をお受付しています。不安なことがあったら、一人で悩まず、お気軽にご相談ください。

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担当者

牧野 孝二郎
牧野 孝二郎法律事務所リーガルスマート弁護士
■経歴
2009年3月 法政大学法学部卒業
2011年3月 中央大学法科大学院法務研究科修了
2012年12月 弁護士登録(東京弁護士会)
2012年12月 都内大手法律事務所にて勤務
2020年6月 Kiitos法律事務所設立
2021年3月 優誠法律事務所設立
2023年1月 法律事務所リーガルスマートにて勤務

■著書
・交通事故に遭ったら読む本 第二版(出版社:日本実業出版社/監修)
・こんなときどうする 製造物責任法・企業賠償責任Q&A=その対策の全て=(出版社:第一法規株式会社/共著)
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