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不倫とは?浮気との違いや慰謝料の請求方法や相場を弁護士が解説

不倫とは?浮気との違いや慰謝料の請求方法や相場を弁護士が解説
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不倫という言葉について、なんとなく婚外恋愛を指すことということはわかっていても、「浮気」とどう違うのだろう?と思ったことはないでしょうか。あるいは、芸能人や国会議員など有名人・公人の不倫という言葉はよく見聞きするけれど、芸能人〇〇の浮気とか国会議員〇〇氏の浮気等という言葉はほとんど聞かないのはなぜだろう?と思ったことがあるかもしれません。

本記事では、不倫と浮気の違い、不倫の慰謝料請求方法や慰謝料の相場等について解説します。

1.不倫とは

不倫という言葉は、法律用語のような専門用語ではないので厳密な定義がなされているわけではありません。しかし一般的な使われ方としてはほぼ、既婚者が配偶者以外の相手と性的関係を伴う交際をすることを指しています。その意味で、裁判で離婚を請求することができる離婚原因の1つである不貞行為(民法第770条1項1号)と事実上同じ意味であるといえます。

1-1. 不倫と浮気の違い

不倫と浮気という言葉は、広い意味で婚外恋愛、つまり既婚者が配偶者以外の相手と恋愛関係になることを指す点で共通します。また、既婚者の交際相手が異性に限られず、性的自認や指向を問わずあらゆる第三者を意味する点も同じです。また、どちらも厳密な定義があるわけではありません。

ただし、「不倫」という言葉で表される関係は性的関係を伴うことを意味するのに対し、「浮気」という言葉で表される関係は必ずしも性的関係を伴うことを意味していません。また、不倫の場合は当事者の少なくとも一方が既婚者であることが前提となりますが、浮気は独身のカップルの一方が第三者と交際した場合も含まれます。

1-2. なぜ不倫した配偶者は慰謝料支払い義務を負うことになるのか

配偶者が不倫した場合、つまり第三者と性的関係を伴う交際をした場合、法律上他方の配偶者は離婚を求めるか求めないかにかかわらず、不倫した配偶者に対して慰謝料を請求することができます。しかし、性的関係を持った事実がなかった場合には原則として慰謝料請求は認められません。

不倫によってどのような法律上保護されるべき権利・利益(保護法益)が侵害されるのかについては、争いがあるところですが、東京地方裁判所平成17年11月15日判決は、「婚姻共同生活の平和の維持によってもたらされる配偶者の人格的利益」であると示しています。一方が不倫した場合、他方のこの権利を侵害したことになります。

これによって、不倫した側は民法第709条の不法行為(故意または過失によって他人の権利または法律上保護される利益を侵害する行為)に基づく損害賠償責任を負います。

損害賠償責任には財産的損害の他、不法行為によって受けた精神的苦痛という非財産的な損害に対する賠償責任が含まれており(民法710条)、この「精神的苦痛という非財産的な損害」を慰謝料と呼んでいます。

2. 不倫や浮気が起こるキッカケとは

不倫や浮気が起こるキッカケは仕事中のやり取りや、会社の飲み会等の仕事関連のイベントであることが相対的に多いです。最近ではSNSやマッチングサイトで独身であると偽って交際相手を募ることも多くなっています。中には、既婚者であることを明かしながら不倫相手を募集することができるサービスもあるようです。

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3.不倫の前兆としてよくあること

不倫の前兆としてよく起こることとして以下のようなものがあります。

  • 仕事からの帰宅が遅くなることが増えた
  • 出張や外出が増えた
  • 配偶者が外出している間の連絡が取りづらくなった
  • スマホを肌身離さず持ち、置いたまま放置することがなくなった
  • ゲームをしている様子でもないのにスマホ画面を夢中で眺めている
  • 以前よりも明らかに外見を気にするようになった(鏡を見ることが増えた、服装が垢ぬけた、身だしなみが清潔になった、化粧の仕方が変わった等)
  • 配偶者に対する態度が不自然に変化した(急に冷淡になった、あるいは急に優しくなった)
  • 自家用車の車内に不自然な変化があった(助手席のシートの位置・角度、匂いの変化等)

4.相手が不倫しているかもと思ったらするべきこと

確実な証拠があるわけではないが相手が不倫しているかもしれないと思った場合、この段階で相手のスマホのロックを解除して中身を見たりすると相手にも気づかれてガードを固められてしまう可能性があります。相手を問い詰めたりしても同様です。

そこで、前章で挙げたような不倫の前兆にあてはまる点があるかどうかをそれとなく注意して見るようにしてください。男性の場合は上着やワイシャツ・ズボン等のポケットに色々入れたまま洗濯機に入れてしまったり部屋に放置したりすることがよくあるので、不在の間にポケットの中を調べる程度は特に問題とならないでしょう。

ポケットに何か入れたまま洗濯機に入れてしまった場合は中身が何であっても取り出すべきなので(例えば紙類が入ったまま洗濯してしまったら破片が洗濯物全てにくっついて大変なことになります)、洗濯機に入れられた衣類は細かくチェックすることをおすすめします。

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5.不倫が発覚したときにするべきこと・してはいけないこと

本章では、不倫が発覚したときに何をすべきか、逆にしてはいけないことは何かについて解説します。

5-1. 不倫が発覚したときにすべきこと

配偶者が不倫していることを確信したとき、すべきことは「相手と交際して性的関係を持った事実」を証明するための証拠集めです。なぜなら、離婚を求めるか否かにかかわらず、慰謝料請求するためには最終的に裁判で「相手と交際して性的関係を持った事実」があったことを認めてもらう必要があるからです。

5-2. 不倫が発覚したときにしてはいけないこと

(1)違法な手段による証拠集め

不倫が発覚したときにすべきことが「相手と交際して性的関係を持った事実」を証明する証拠を集めることである一方、してはいけないことは違法な手段による証拠集めです。

(2)証拠を集める目的であっても犯罪に該当する行為は許されない

特に不倫相手に対して慰謝料請求する場合の証拠集めで注意が必要なのですが、不倫の証拠収集目的であっても相手の家に勝手に入ることは住居侵入罪(刑法第130条)にあたるでしょう。

(3)スマホをのぞき見することは許されるか

証拠集めでよく問題となるのがこれです。

厳密にいえば、配偶者のスマホのロックを解除して中身を見ること等は、プライバシー権という配偶者の人格権の侵害にあたると指摘される可能性もあるため、注意が必要です。

もっとも、これらの行為によって、収集した証拠が違法であるとして排斥されるケースは多くはありません。

(4)不正アクセス禁止法に違反する行為まではできない

不倫したという確信が持てる場合にスマホの中身を見ることは正当化できるのですが、不正アクセス禁止法に抵触することまでは許されないので注意が必要です。例えば、本人の承諾を得ないでIDやパスワードを使用してサーバーや情報システム内部に入ることは不正アクセス禁止法第4条2項に違反します。

(5)証拠収集目的以外での犯罪行為も認められない

証拠収集目的とは別に、不倫相手に対して犯罪に該当する行為を行うことも許されません。

例えば、不倫相手の所有物を壊したり使用できなくさせることは器物損壊罪(刑法第261条)にあたります。また、「これ以上(配偶者)と連絡を取ったら殺す」等と口頭や文面で脅すことは脅迫罪(刑法第222条)に該当します。ただし、相手の生命身体・財産・社会生活に危害を加える旨の言葉を入れずに「配偶者と会うことや連絡を取ることを禁止する」内容にとどまっていれば脅迫罪には該当しません。

6.不倫の慰謝料請求をする手順

配偶者が不倫していると確信して慰謝料請求を考えたとき、まず気になることは「どうやって慰謝料請求すればよいか」であると思います。

本章では不倫の慰謝料請求の手順について解説します。

6-1.相手と話し合いの機会を持つ

まず、慰謝料請求する相手と話し合い(示談交渉)の機会を持ち、そこで不倫の事実を認めさせて慰謝料請求するという方法をとることができます。離婚を求める場合は離婚協議の中で配偶者と話し合うか、不倫相手も入れて三者で話し合います。離婚を求めない場合は夫婦間・三者間または不倫相手との間で慰謝料について交渉することになります。

交渉が成立した場合は、離婚協議書または和解書の原文を作成して公証役場に持参し、公正証書として作成することをお勧めします。これは公正証書が裁判の判決と同等の強制力を持つため、慰謝料の支払いが行われなかったり分割払いが途中で滞ったりした場合に強制執行が可能になるからです。

6-2.話し合いを拒否された場合・会いたくない場合は内容証明で請求書を送る

相手から話し合いを拒否されたり、配偶者とも不倫相手とも直接会いたくないという場合は慰謝料請求書を作成して内容証明郵便で郵送するようにしてください。内容証明郵便を利用することにより郵便局がその郵便の内容と発送日時・到達日時を記録して証明してくれるので、慰謝料請求権が消滅時効(民法第724条1号)にかかるのを防ぐことができる場合もあります。ただし、内容証明郵便を利用しても慰謝料を強制的に取り立てる効力は発生しません。

6-3. 交渉不成立の場合や請求を無視された場合は訴訟を提起する

示談交渉が成立しなかったり、内容証明を送っても支払いが行われなかった場合は裁判所に慰謝料請求訴訟を提起することになります。なお、離婚を求める場合は離婚協議・調停手続または審判手続が全て不成立になった場合に家庭裁判所に離婚訴訟を提起してその中で慰謝料請求を行います。慰謝料請求訴訟の場合、請求額が140万円以下の場合は簡易裁判所、140万円を超える場合は地方裁判所に訴訟提起します。

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7.不倫の慰謝料の相場

不倫した配偶者に対して慰謝料を請求することを考えたとき、次に気になることとして「こういう場合にいくらぐらい慰謝料を請求できるか」という相場の問題があると思います。本章では不倫の慰謝料相場について、不倫した配偶者に対して離婚を求める場合と離婚を求めない場合に分けて解説します。

7-1.離婚を求める場合

(1)離婚を求める場合の慰謝料の相場

不倫した配偶者に対して離婚を求める場合、請求できる慰謝料は(a)不倫が原因で離婚に至ったことにより受けた精神的苦痛に対する慰謝料(離婚慰謝料)と(b)配偶者以外の相手と性的関係を伴う交際をしていたことにより自身が受けた精神的苦痛に対する慰謝料(不貞行為慰謝料)との合計額となります。

離婚を求める裁判では、離婚慰謝料・不貞行為慰謝料とも婚姻期間や未成熟の子供の有無・年齢、不貞行為が行われた期間や不貞行為に至った交際の経緯等の様々な事情を総合的に考慮してケースバイケースで判断されますが、相場はおおむね100万円〜300万円とされています。

(2)不倫以外の原因で慰謝料が増額される場合

不倫した側の配偶者(有責配偶者)が不倫以外に配偶者に対して身体的暴力やモラハラ、生活費を渡さない・お金を取り上げる、行動を監視する等の「配偶者に対する暴力(DV)」にあたる行為を行っていた等、他に婚姻を破綻させる原因になるような事情がある場合には増額されます。ただし慰謝料の金額が1,000万円を超えることはめったになく、そのような請求ができるのはごく限られたケースであると言えるでしょう。

7-2.離婚を求めない場合

離婚を求めない場合は、上の(b)の不貞行為慰謝料のみを請求することができます。不倫の事実により権利・利益を侵害されたことは認められますが、それによって婚姻が破綻するには至らなかったことになるので離婚を求める場合に比べて相場の金額は低くなります。多くの場合50万円〜100万円程度で、高くても150万円程度とされています。

8.不倫相手に慰謝料を請求できる場合・できない場合

不倫相手に対しても、一定の条件を満たしていれば慰謝料請求することができます。本章では、不倫相手に対して不倫の慰謝料を請求できる場合とできない場合について解説します。

8-1.慰謝料請求できる場合

(1)配偶者に対して慰謝料請求する場合

①不倫相手が不倫の事実を認めたかその事実が証明された

慰謝料請求権は不貞行為という不法行為によって受けた精神的苦痛に対する賠償請求権です。そのため、まず不貞行為を行ったした側が、不貞行為を行った事実を認めた場合には慰謝料を請求することができるでしょう。

また、不倫の事実を認めなかった場合は最終的に裁判で不倫の有無が争われることになりますが、慰謝料請求する側が不貞行為の事実を証拠によって証明した場合には慰謝料請求が認められることになります。

②不倫が行われた時点で婚姻関係が破綻していなかった

慰謝料請求権の保護法益は、「婚姻共同生活の平和の維持によってもたらされる配偶者の人格的利益」と考えられています。従って、既婚者が配偶者以外の相手と性的関係を持った場合に、最初に性的関係を持った時点で婚姻関係が破綻していたとはいえない場合には不法行為が成立します。婚姻関係が破綻していたといえるか否かが争われた場合は、最終的に裁判官が婚姻状況を総合的に考慮して判断することになります。

③不倫相手を特定した時点から3年経過していない

不倫の慰謝料請求権については不法行為による損害賠償権の消滅時効規定(民法第724条)が適用されます。これにより、慰謝料請求権は ①被害者が損害及び加害者を知った時から3年間それを行使しないとき(1号)、及び②不法行為の時から20年間行使しないとき(2号)には時効により消滅します。厳密には②の20年という期間は「除斥期間」と呼ばれています。

従って、不倫相手に対する慰謝料請求権は、被害者が不貞行為の事実を知った上で不倫相手を特定した時点から3年を経過すると時効消滅してしまいます。また、被害者が不貞行為の事実や不倫相手を知らなかった場合でも、不倫が最後に行われた時点から20年経過すると慰謝料請求権が消滅します。

配偶者に対して慰謝料請求する場合は民法第724条1号の「加害者を知った時」という要件が問題にならないのに対して、不倫相手に対して慰謝料請求する場合は「加害者を知った時」つまり被害者が不倫相手を特定した時が起算点になります。通常は不倫の事実発覚よりも不倫相手特定のほうが時間的に後になるので、被害者が不倫相手を特定した時点から3年経過していない時点では不倫相手に対する慰謝料請求が認められます。

なお、被害者が不倫相手を特定したか否かにかかわらず、最後に不倫が行われた時から20年経過した場合も慰謝料請求権が認められないことになります。

(2)不倫相手に対して慰謝料請求する場合

④不倫相手の身元が特定できている

配偶者に対する慰謝料請求は不倫相手の氏名住所が不明でも可能です。しかし不倫相手に対して慰謝料請求する場合は、人違いが許されないことはもちろん、相手の氏名・住所が特定できていなければ慰謝料請求の内容証明や訴状を送ることができません。

⑤性的関係を持った相手が既婚者であることを知っていた

不倫が行われた場合、既婚者と不倫相手とは既婚者の配偶者に対する1個の慰謝料支払義務について連帯責任を負うことになります(民法第719条1項:共同不法行為)。

しかし不倫相手が共同不法行為者と認められるのは、不法行為の故意がある場合、つまり相手が既婚者であることを知っていた又は知らなかったことに過失がある場合に限られます。従って、相手が既婚であるかどうかを全く話さなかったり、あるいは「独身である」「配偶者とは離婚した」等と偽っていた場合には不倫相手に不法行為の故意や過失が認められないと判断される可能性があります。

なお、裁判では原告側(慰謝料請求する側)が、被告(不倫相手)が性的関係を持った時点で相手(原告の配偶者)が既婚者であることを知っていた旨を立証しなければなりません。

8-2. 慰謝料を請求できない場合

(1)配偶者に対して慰謝料請求できない場合

①不貞行為の事実がないか事実を証明できなかった場合

配偶者が結婚後に第三者と交際した事実はあるが、性的関係を持った事実がない場合、またはその事実を証明できなかった場合は原則として慰謝料請求が認められません。前述のように、不倫に基づく損害賠償請求の保護法益を「婚姻共同生活の平和の維持によってもたらされる配偶者の人格的利益」と考えますと、不貞行為に類似する行為があったものとして例外的に損害賠償請求が認められるケースがあります。

②交際相手と性的関係を持った時点で婚姻関係が破綻していた場合

配偶者が交際相手と性的関係を持った時点で別居中であった等、婚姻関係が破綻していた場合には権利利益の侵害が認められないため、慰謝料請求できないことになります。

③不貞行為の事実を知ってから3年経過した場合

離婚しない場合は、被害者側が不貞行為の事実を知ってから3年経過した場合に慰謝料請求権が時効消滅して請求できなくなります。離婚した場合は、離婚成立日から3年経過した場合に慰謝料請求権が時効消滅します。

不倫相手に対して慰謝料請求する場合、慰謝料請求が認められない事情として上記①②③に加えて以下の条件のいずれかに該当する必要があります。

④不倫相手の身元が確認できていない

まず、不倫相手の住所及び氏名が特定できていない場合には慰謝料請求することができません。住所及び氏名は、被害者個人で特定することが難しい場合でも固定電話番号・携帯電話番号・自家用車のナンバーのいずれかがわかっていればそれを手がかりに弁護士照会制度(弁護士法第23条の2)を利用して特定することができる場合があります。

⑤配偶者と性的関係を持った事実がない

配偶者と性的関係を持った事実がない、あるいはその事実を裁判で原告が立証できなかった場合には不倫相手に対する慰謝料請求権も認められません。

ただし、不貞行為の事実の証明に成功した場合と比べると慰謝料額は少なくなりますが、その交際によって婚姻生活が破壊されたといえるような事情がある場合には、不貞行為に類似する行為があったものとして例外的に損害賠償請求が認められるケースがあります。

⑥性的関係を持った相手が既婚者であることを知らなかった

慰謝料請求された時点で性的関係を持った相手が既婚者であることを知らなかった場合、あるいは相手が「自分は独身である」「妻(夫)とは離婚した」「離婚協議中である」等と偽っていた場合には、不法行為の故意又は過失が認められない可能性があり、慰謝料を請求することができない場合があります。訴訟で不倫相手に対して慰謝料請求する場合は、原告側が被告に故意又は過失があったことについて立証責任を負います。

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9.不倫の慰謝料請求を弁護士に相談するメリット

配偶者が不倫していたことに対する確信が持てれば、慰謝料を請求することは可能です。

ただし、どのくらい請求すればよいか個人で判断することは難しく、また内容証明郵便には支払いを法的に強制する効力がないため、無視された場合も無理やり取り立てることはできません。強制的に取り立てるためには裁判で請求認容判決を得ることが必要です。しかし訴訟では不貞行為の事実を立証しなければならないため単独で行うことは困難です。

この点、不倫の慰謝料請求について弁護士に相談することで、これらの問題を解決することができます。本章では、不倫の慰謝料請求を弁護士に相談するメリットについて解説します。

9-1. 証拠収集方法について助言を受けられる

(1)証拠収集を個人で行うのは困難

不倫の慰謝料請求で最初にネックとなりやすいのが「証拠収集」です。配偶者や不倫相手が不倫の事実をすぐに認めて慰謝料請求に応じてくれれば証拠は必要ありません。しかし、多くの場合は不倫の事実を認めさせるための証拠を集める必要が生じます。また、離婚請求や不倫の慰謝料請求の交渉が成立せずに訴訟になった場合は、原告側(離婚や慰謝料を請求する側)が配偶者の不倫の事実を立証しなければなりません。

(2)弁護士に相談すれば証拠収集の悩みが解決する

この点、男女問題に強い弁護士に相談すれば個別の事情に応じて必要となる証拠の種類や、それぞれの証拠の集め方について詳しいアドバイスを受けることができます。また、不倫相手の特定等、個人情報を得る必要がある場合は弁護士照会制度を利用して行うことが可能です。さらに、必要な場合は信用できる探偵事務所(興信所)を紹介してもらうことができる場合もあるでしょう。

9-2. 適正な請求額を算定してもらえる

不倫の慰謝料を請求する場合、まず気になるのは「いくらぐらい請求できるか」ということだと思います。配偶者が不倫していたことを知ってしまうと憤りにかられて多額の慰謝料を取りたいと思うのは当然です。しかし、慰謝料額の算定は不倫の状況、結婚生活の状況、離婚を求めるか求めないか、離婚を求める場合は他に財産分与や養育費等財産的な問題で交渉する必要があるか否か、離婚を求めない場合は配偶者と不倫相手の一方または両方に請求するか等、さまざまな要素を総合的に判断して行う必要があります。弁護士に相談することにより、経験に基づいて適正な慰謝料額を算定してもらうことができます。

9-3. 内容証明送付・示談交渉・訴訟等の法的手続を任せることができる

不倫の慰謝料を請求するにあたっては法的な手続きを行う必要があることも、個人にとってはネックとなりがちです。最初に行うのは示談交渉や内容証明送付ですが、個人で内容証明を送っても相手が無視したり交渉に応じてくれない可能性があります。あるいは相手側が弁護士を立ててくるということも想定されます。

弁護士に相談することにより、弁護士名義での慰謝料請求が可能になるので相手が交渉に応じてくれる可能性が高くなります。また相手側が弁護士を依頼している場合でも対等に交渉することができます。さらに、離婚請求や慰謝料請求の交渉がまとまらずに裁判で争うことになった場合も、個人で行うのが難しい訴状作成や証拠の提出、期日出席・弁論等の訴訟関連の手続きをすべて任せることができます。

10.まとめ

不倫の慰謝料請求をする場合、証拠収集方法や示談交渉など個人で行うのは困難なことが多くあります。特に不倫相手の特定を個人で行おうとすると違法な手段によることになりやすく、逆に相手から告訴されたり損害賠償請求されたりする可能性もあります。また離婚を求める場合、慰謝料請求の認否や金額をめぐる争いになることは少なくありません。

そこで弁護士に相談することにより、証拠収集や交渉等、慰謝料請求実現に向けた適切な手段をとることが可能になります。

「不倫されたので離婚したいが、離婚することには応じてくれたがこちらにも非があるなどといって慰謝料支払いを拒否された」

「不倫の証拠としてメールやLINEのやり取りを押さえたいが、配偶者のスマホを勝手に見ても許されるものでしょうか」

など、不倫の慰謝料請求に関してお悩みや御質問がありましたら、ぜひ法律事務所の無料法律相談をご利用ください。

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担当者

牧野 孝二郎
牧野 孝二郎法律事務所リーガルスマート弁護士
■経歴
2009年3月 法政大学法学部卒業
2011年3月 中央大学法科大学院法務研究科修了
2012年12月 弁護士登録(東京弁護士会)
2012年12月 都内大手法律事務所にて勤務
2020年6月 Kiitos法律事務所設立
2021年3月 優誠法律事務所設立
2023年1月 法律事務所リーガルスマートにて勤務

■著書
・交通事故に遭ったら読む本 第二版(出版社:日本実業出版社/監修)
・こんなときどうする 製造物責任法・企業賠償責任Q&A=その対策の全て=(出版社:第一法規株式会社/共著)
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