その他

労働基準法違反のケースや従業員がとるべき行動を弁護士が解説!

労働基準法違反のケースや従業員がとるべき行動を弁護士が解説!
この記事をSNSでシェア!

「残業代を何か月も払ってもらえない状態が続いている」

「有給休暇をまったく取らせてもらえない」

「突然、明日から来なくていいといわれた」

このようなケースでの会社側の従業員に対する取り扱いは、すべて労働基準法に違反しています。一方、法律違反ではないかと思った時にどこに相談すればよいか迷う方も少なくないのではないでしょうか。

本記事では、労働基準法違反となるケースや、労働基準法違反に対して従業員がとるべき行動について解説します。

目次

1.そもそも労働基準法とは

労働基準法は、「賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める」と規定された日本国憲法第27条2項を受けて1947[S22]年に制定された、労働条件の原則や決定についての最低基準を定める法律です

労働基準法が適用される「労働者」には、雇用形態にかかわらず事業主と雇用契約を締結しているすべての従業員が含まれます。従って、正社員(無期雇用従業員)に限られず、契約社員・派遣社員・アルバイトやパートの従業員であっても皆「労働者」として労働基準法の適用を受けることになります。

2.労働基準法の違反となるケースと罰則

本章では、労働基準法違反の代表的なケース及び該当する労働基準法条文・罰則の条文を挙げて解説します(本章で引用する条文はすべて労働基準法です)。

2-1.強制労働

強制労働とは、労働者の意思に反して強制的に働かせることをいいます。強制労働は第5条違反となります。会社の行為が労働基準法第5条違反となる場合は、1年以上10年以下の懲役または20万円以上300万円以下の罰金が科されます(第117条)。

強制労働に該当するケースとしては以下のものが考えられます。

  • 就業時間外に、「終わるまで帰らせない」等と従業員を恫喝して監視しながら無給で大量の業務を行わせる 
  • 退職する旨を伝えにきた従業員に「転職先に仕事の失敗を全部知らせる」等と脅迫して退職の意思を撤回させた上、それまでの業務に含まれていなかった大量の単純作業を強制する

2-2.賃金の中間搾取

賃金の中間搾取とは、雇用主や中間業者が労働者に対する報酬の一部を不当に差し引いて領得することをいいます。中間搾取行為は第6条に違反し、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます(第118条1項)。

2-3. 賃金支払い5原則の不遵守

賃金支払い5原則とは、第24条に定められた以下の原則をいいます。

①通貨払いの原則:通貨以外の現物給与の禁止

②直接払いの原則:本人以外への支払いの禁止

③全額払いの原則:税金・社会保険料分等の必要な控除以外は割増賃金も含めて全額支払う

④毎月払いの原則:毎月1回は賃金を支払わなければならない

⑤一定期日払いの原則:決められた期日に賃金を支払わなければならない

このうちの1つ以上に違反した場合は、30万円以下の罰金が科されます(第120条)。また、割増賃金の支払いに対して違反がある場合(いわゆる残業代未払いがこれにあたります)は、第119条1号により6か月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金が科されます。

2-4.予告なしの解雇

従業員を解雇する場合は、原則として30日以上前に予告する必要があります。また、予告をしない場合は30日分以上の賃金(解雇予告手当)を支払う義務があります(第20条1項)。

会社が従業員に対して解雇予告手当を支払わずに即日解雇した場合は第20条違反となり、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金を科せられます(第119条1号)。

ただし、従業員が重大犯罪容疑で起訴された等の理由によって解雇された場合は、自然災害によって会社の事業の継続が不可能になった場合等は、労働基準監督署長の認定を受けた上で、解雇予告手当を支払わずに解雇することができます(第20条1項但書)。

2-5.違約金を定めること

(1)労働者に対して違約金や賠償金を求めること

労働者が退職する場合等に、会社が労働者に対して違約金請求や損害賠償請求をすることは

第16条で禁止されています。これに該当する場合は6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されることになります。

(2)雇用契約に違約金・賠償金の支払いを予定すること

雇用契約書に「退職する場合は違約金〇〇万円を支払う」等の条件が定められている場合は、第16条で禁止される「労働契約の不履行について損害賠償額を予定する契約」に該当します。この場合(1)と同様に第119条1号により、事業者に6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。

2.6.法定労働時間超過

法定労働時間を1日8時間・週40時間と定めている会社が、労使間で時間外労働に関する協定(36協定)を締結している場合は、原則として月45時間・年360時間の時間外労働をさせることが可能です。しかし、36協定を締結していても、以下のような法定時間を超える労働に該当する場合は事業者に対して6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます(第119条1号)。

  • 1ヶ月100時間を超える時間外労働(第36条6項2号)
  • 2ヶ月~6ヶ月の各平均時間外労働が80時間(第36条6項3号)

2-7.時間外・深夜・休日労働の割増賃金の不払い

36協定に基づいて残業させた場合は、通常賃金の25%以上の割増賃金を支払わなければなりません(第37条1項)。22時~翌朝5時の深夜労働に対しても25%、休日労働については35%以上となります(第37条1項・4項)。これらの規定に違反し、残業代が支払われない場合は、事業者に対して6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます(第119条1号)。

2-8.産前産後休暇・育児休暇を与えない

会社は、女性従業員からの申し出があった場合は産前6週間以内の休業期間を与えなければなりません(第65条1項)。また、産後8週間以内は原則として女性従業員を就業させることが禁止されています(第65条2項)。例外として第65条2項但書により、産後6週間を経過した女性従業員の請求があった場合で、医師が支障がないと認めた業務に限り就業させることが認められます。

これらの規定に違反した場合は、会社に対して6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます(第119条1号)。

2-9.休憩時間・法定休日を与えない

会社に対しては、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩をとらせること(第34条)、及び週1日以上の休日を与えること(第35条)が義務付けられています。労働基準法で定められた休憩・休日を取らせない場合には、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます(第119条1号)。

2-10. 有給休暇を与えない

会社は、従業員が継続して6ヶ月以上勤務し、そのうちの8割以上出勤した場合は、有給休暇を与えなければなりません(第39条)。また、2019年の労働基準法改正により、事業者に対して1年間に5日の有給休暇を与えることが義務づけられました(第39条7項)。第39条7項に違反した場合は、労働者1人につき6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます(第119条1号)。

2-11.労働条件を明示しない

会社は労働契約締結時に、賃金や就労時間・休日・休暇・福利厚生などの労働条件を明示しなければなりません(第15条1項)。これに違反した場合は事業者に対して30万円以下の罰金が科されます(第120条1号)。

例えば、労働契約書の記載が不十分で、重要な労働条件が規定されていなかったり、労働契約書自体が作成されていないため労働者が自分の権利義務について正確に理解できていない場合等がこれに該当します。

2-12. 就業規則を作成/提出しない

従業員を常時10人以上雇用する事業所に対しては、就業規則を作成し、労働基準監督署に届け出た上で従業員に対して周知することが義務づけられています(第89条)。この規定に違反した場合は30万円以下の罰金が科されます(第120条1号)。

2-13.国籍・信条・社会的身分による差別的取り扱い

労働者個人の国籍・宗教・人種・性別・障害の有無・出身地などに基づいて不平等な取り扱いをすることは労働基準法第3条違反となります。これに該当する場合、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金を科せられます(第119条1号)。

なお、第3条の「労働条件」は、最高裁の判例によれば雇い入れ後の労働条件(賃金・昇進等)に関するもので、雇い入れそのものを意味するものではないとされます。従って、民間企業が特定の宗教や思想を持つことを理由に応募者を不採用にした場合は、第3条違反にはあたらないと解されています。

2-14.男女間の賃金差別

労働者が女性であることを理由として、男性労働者と賃金面で差別的な取り扱いをした場合は第4条に違反し、事業者には6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます(第119条1号)。

例えば、同じ内容の業務を行っているにもかかわらず、男性従業員のほうが女性従業員よりも高い賃金を受けているような状況がこれにあたります。

相談無料初回60分

少しでもお悩みでしたら、
弁護士にご相談ください。

3.労働基準法違反で問題になった事例

本章では、労働基準監督署による最近の送検事例の中で、労働基準法違反によるものをご紹介します。

参照:厚生労働省労働基準監督局監督課

「令和4年7月1日~令和5年6月30日 労働基準関係法令違反に係る公表事案」

3-1. 第15条違反(労働条件通知義務)

・2023[R5]年1月19日送検

神奈川県横浜市にある株式会社が、労働者1名に対して、労働条件について書面を交付する等による明示を行っていなかったとされる事案です。

3-2. 第20条違反(解雇予告)

・2023[R5]年2月28日送検

東京都豊島区にある株式会社が、労働者を即時解雇するにあたり、30日分以上の平均賃金を支払っていなかったとされる事案です。

3-3. 第24条違反(賃金支払5原則)

・2022[R4]年12月15日送検

東京都新宿区にある株式会社が、労働者9名に対して、4ヶ月分の定期賃金合計1,250万円を支払っていなかったとされる事案です。。

3-4. 第32条違反(法定労働時間)

・2023[R5]年4月13日送検

茨城県結城郡八千代町にある株式会社が、労働者9名に対して36協定で定めた延長時間を超える違法な時間外労働を行わせていたとされる事案です。。

3-5. 第35条違反(法定休日)

・2023[R5]年3月20日送検

大阪府大阪市鶴見区にある株式会社が、労働者1名に対して36協定の範囲を超える違法な休日労働を行わせていたとされる事案です。た。

相談無料初回60分

少しでもお悩みでしたら、
弁護士にご相談ください。

4.労働基準法に違反があった際に労働者がやるべきこと

本章では、会社の労働者に対する取り扱いが労働基準法に違反する場合、労働者がどのように対処すべきかを解説します。

4-1.社内通報窓口に通報する

社内で労働組合またはコンプライアンス部等が通報窓口を設けている場合、通報することで対処法を教えてもらうことができます。ただし、特にコンプライアンス担当部署が窓口となっている場合、案件によっては対応を期待できない場合があります(不当解雇、違法残業、残業代請求等)。

4-2.労働基準監督署に通報する

労働基準法違反の取り扱いを受けた場合、労働基準監督署に相談したり、あるいは違反事例として申告することができます。

申告は、その会社の事業場を管轄する労働基準監督署に直接赴くほか、電話やメールでも行うことができます。申告を受けた労働基準監督署ではその事業場に立ち入り調査を行い(申告監督)、協定の未提出や違法残業などの労働基準法違反の事実が明らかになった場合には是正勧告を行います。

是正勧告は発覚した法令違反に対して行われるので、複数の法令や条項に違反している場合には全てが是正勧告の対象となります。例えば違法な長時間残業の場合、残業代未払いが発生していることが多くあります。そのような場合は労働基準法第37条違反と併せて是正勧告が行われます。

是正勧告を受けた事業場は、定められた期限内に是正勧告に示された事項全ての是正を行った上で労働基準監督署に報告する義務があります。これにより、残業時間が減る・厳密な勤怠管理が行われるようになる・未払い残業代がある場合は支払ってもらえるなどの状況改善が期待できます。

4-3.労働条件や賃金未払いに対する相談窓口に相談する

相談窓口として、厚生労働省から委託を受けて民間企業が運営している無料の電話相談サービス「労働条件相談ほっとライン」があります。労働基準監督署が閉庁している土日の9時~21時と平日の17時~22時に相談を受け付けています。残業代不払いについても専門知識を持つ相談員が対応し、対処方法を教えてもらうことができます。

4-4.総合労働相談コーナーに相談する

労働基準監督署や労働局で開設している総合労働相談コーナーでは、未払い残業代などの労働問題について無料で相談することができます。労働基準監督署に相談内容引継ぎも行います。また、無料で利用できる個別労働紛争解決制度「あっせん」についての説明や申込み受付も行っています。

4-5.弁護士に相談する

労働基準監督署は労働関係法令遵守を徹底させることを目的とした公的機関であるため、是正勧告によって違法な状態はなくなりますが、個々の従業員の立場に立って権利を実現してくれるわけではありません。

例えば多数の従業員に対して未払い残業代がある場合、「当該従業員に対して残業代を支払いなさい」と勧告してくれることは期待できます。しかし、会社に対する残業代請求手続を行ってくれるわけではありません。

また、総合労働相談コーナー等の相談窓口は対処方法をアドバイスしてくれますが、会社との交渉は労働者本人が行わなければなりません。

個人の問題を解決したい場合は弁護士に相談するのが得策です。例えば違法な長時間労働と残業代未払いが重なっている場合には、その従業員の残業時間を減らすことと未払い残業代請求両方を可能にするため弁護士に相談することをお勧めします。なお、労働基準監督署に申告した場合でも、その前後に弁護士に相談することができます

相談無料初回60分

少しでもお悩みでしたら、
弁護士にご相談ください。

5.労働問題を弁護士に相談するメリット

本章では、労働問題を弁護士に相談するメリットをご説明します。

5-1.会社に対しての請求の可否を教えてもらえる

例えば会社から解雇された場合、あるいは解雇されそうな状況になった場合に弁護士に相談すれば、①その解雇が適法といえるか、②不当解雇の場合には会社に対して解雇の無効とともに復職を求めるか、あるいは③退職する意思があれば解決金を請求できるか、④未払い残業代を請求できるか等、会社に対して主張できる権利について詳細に教えてもらうことが可能です。

5-2.会社と交渉するのに必要な証拠収集方法を教えてもらえる

例えば未払い残業代を請求する場合、雇用契約書や労働条件通知書など自身が保管していれば利用できるもの以外に、タイムカードや業務アカウントによるメールの送受信履歴等、会社側だけが保持しているデータもあります。

容易に入手できない証拠についても収集が必要なのか、必要であればどのように入手すればよいか等についても弁護士に教えてもらうことができます。また、会社に対する資料開示請求が労働者本人では難しい場合、請求手続を代理してもらうことができます。

5-3.会社との交渉を任せることができる

請求にあたっては会社側と交渉しなければなりません。しかし、労働者本人が交渉しようとすると取り合ってくれない可能性があります。また逆に会社側が顧問弁護士を立ててくることもあります。弁護士に依頼していれば会社側の対応に関係なく、請求に向けての交渉を対等に行うことができます。

5-4. 労働審判や民事訴訟などの法的手続を任せることができる

請求にあたり、証拠収集・交渉とともに壁となるのが法的手段をとる場合です。労働審判は手続が比較的単純で短期間で終結させることができますが、やはり申立てから審理まで全て一人でやることは容易ではありません。

さらに訴訟提起するとなると、証拠収集に加えて口頭弁論での陳述も求められるため少額訴訟や簡易裁判所への訴訟提起であっても一人でやることには大きな負担が伴います。弁護士に依頼していれば労働審判・民事訴訟ともすべて任せることができます。

例えば未払い残業代や解決金等の請求手続を労働者が一人で行うことは困難であるといえます。請求手続代理・代行には費用がかかりますが、弁護士に依頼することで確実に未払残業代の支払いを受けることができます。

また、多くの法律事務所では初回相談や初回相談の一定時間(30分~60分程度)を無料としているので、無料相談を利用して問題点を的確に整理することで費用を抑えることが可能です。

相談無料初回60分

少しでもお悩みでしたら、
弁護士にご相談ください。

6.労働基準法に関するよくあるQ&A

本章では、労働基準法に関して、法律事務所が頂くことの多い質問と、それに対する回答をご紹介します。 

6-1.会社による有給休暇時季指定の意味

Q.最近の労働法改正で年5日は必ず有給休暇が取れるようになったのは知っているのですが、その5日間をお盆休みの8月11日~15日に指定されてしまいました。うちの会社には夏季休暇の制度はありません。勤続年数や出勤率の条件は満たしているので、他にも取れる日があるはずですが、うちの部署で取っている人がいないことなどから、実際には取れそうもありません。何より、事実上唯一の有給がお盆休みというのは不当ではないでしょうか。

A. 労働基準法第39条7項の5日の有給休暇について会社は「時季を指定して」与えることが義務づけられています。しかし、有給休暇は法律上労働者に与えられた権利であることから、時季の指定についても当該労働者の意見を聞いた上で行わなければなりません。

多くの会社で定めている夏季休暇を与えることについては法律上の義務ではないので、夏季休暇の定めがないこと自体は違法ではありません。しかし、与えることが義務づけられている年5日の有給休暇を、労働者の意思に反してお盆休みの時期に当ててしまうことは労働基準法第39条7項に違反するといえます。

6-2.休日出勤を拒否できるか

Q. 土曜日に子供の小学校の運動会を見に行くつもりだったのに、休日出勤を命じられてしまいました。拒否することはできるでしょうか?

A.休日出勤については、①36協定が締結されている ②休日出勤を命じることができる場合等について労働契約書や就業規則で定められている ③当該命令がその場合に該当する ④休日出勤した従業員に対して労働時間分の割増賃金が支払われている等、労働関係法に従った対応がなされている場合は、労働者は原則としてこれを拒否することができません。

仮に、正当な理由なく休日出勤を拒否した場合、業務命令違反として減給等の懲戒処分を受ける可能性があります。

逆に、①~④のいずれかが欠けている場合は休日出勤を命じることは違法となります。そこで、事前に確認することができる①~③について確認すると良いでしょう。

6-3.突然の解雇(即日解雇)の違法性

Q. 会社の正社員です。ある日突然「明日から来なくていい」といわれてしまいました。何か不正なことをした覚えもありません。かなりブラックな会社なので転職を考えてはいたのですが、それにしても突然解雇するのは不当ではないでしょうか。自主退職にした場合は会社に対して未払いの賃金や残業代等を請求することはできますか?

A.結論から申し上げると、本件の解雇は違法です。法律上、従業員を解雇する場合はその30日以上前に予告をするか、予告しない場合は平均賃金の30日分以上(解雇予告手当)を支払う義務があります(労働基準法第20条)。そのどちらも行うことなく解雇することは労働基準法第20条違反となります。

例外的に予告なしの解雇が適法とされるケースとして、解雇予告手当を支払っている場合以外に以下の3つがあるのですが、本件はそのいずれにも該当しないと考えられます。

  • やむを得ない事由(過失なく起こった火災や自然災害等)により事業の継続が不可能となった場合
  • 労働者の責めに帰すべき事由がある場合
  • 労働者の属性により予告が不要とされるケース(日々雇い入れられる労働者、2ヶ月以内の有期雇用の労働者、試用期間中の労働者等)

そこで、会社に対しては、直前の給与支払い以後、退職予定日までの賃金や不当解雇により受けた精神的苦痛に対する慰謝料等を請求することができる場合があります。

それぞれの請求には証拠が必要となることや、会社が交渉に対応してくれない可能性があること等から、会社に対して不当解雇や解決金を請求するにあたっては労働問題に強い弁護士に相談することをお勧めします。

相談無料初回60分

少しでもお悩みでしたら、
弁護士にご相談ください。

7.まとめ

サービス残業や違法な長時間残業や不当解雇など、会社による労働基準法違反の取り扱いは日々至る所で行われているといっても過言ではありません。

労働基準監督署に申告した場合、悪質な事例に対しては是正勧告や送検措置を行ってくれます。しかし、労基署の対応として従業員の身体安全にかかわる労働安全衛生法違反の案件が優先される傾向にあることは否定できません。また各種の相談窓口は、専門家が対処方法を詳細に教えてくれますが、請求手続等の権利行使は本人が行う必要があります。

労働者本人が労働基準法違反の取り扱いを受け、それに対して正当な権利を行使したい場合は、会社との交渉から訴訟まですべての法的手続を任せることができる弁護士に相談することをお勧めします。

会社による労働基準法違反の取り扱いを受けて悩んでいる方はぜひ、法律事務所の無料法律相談をご利用ください。

この記事をSNSでシェア!

少しでもお悩みでしたら、
弁護士にご相談ください。

相談無料初回60分

担当者

牧野 孝二郎
牧野 孝二郎法律事務所リーガルスマート弁護士
■経歴
2009年3月 法政大学法学部卒業
2011年3月 中央大学法科大学院法務研究科修了
2012年12月 弁護士登録(東京弁護士会)
2012年12月 都内大手法律事務所にて勤務
2020年6月 Kiitos法律事務所設立
2021年3月 優誠法律事務所設立
2023年1月 法律事務所リーガルスマートにて勤務

■著書
・交通事故に遭ったら読む本 第二版(出版社:日本実業出版社/監修)
・こんなときどうする 製造物責任法・企業賠償責任Q&A=その対策の全て=(出版社:第一法規株式会社/共著)
ホーム お役立ちコラム 労働問題 その他 労働基準法違反のケースや従業員がとるべき行動を弁護士が解説!

電話受付時間 10:00〜17:30 (土日祝・年末年始を除く)