残業代請求
忘年会や新年会の飲み会は残業代請求できるの?弁護士が解説!
1.本記事の要約
年の瀬も近づき、いわゆる忘年会や新年会のシーズンとなりました。
会社が主催する忘年会などの飲み会に、出席が強制されている従業員の方も多いのではないでしょうか。
では、このような参加が強制されている飲み会は残業代が請求できるのでしょうか。
結論として、強制参加の飲み会に出席した場合、残業代を請求できる可能性があります。
会社が、従業員に対し、指揮命令によって残業をさせた場合には、原則として会社は残業代を支払わなければなりません。
飲み会であっても強制参加又は参加決定の自由がない場合、それは会社の指揮監督下の業務であるといえ、忘年会の時間は労働時間であり、残業代を含む賃金を請求することができます。
2.本記事の対象者
- 忘年会や新年会などの飲み会への参加が強制されている方
- 会社の社風として、飲み会へ参加しないことが認められていない方
3.詳細
⑴争点について
残業代を請求するためには、指揮命令下にある労働時間であることが必要です。
そこで、強制的な飲み会の参加が「指揮命令下にある労働時間」といえるかが争点となります。
⑵争点についての結論
結論として、飲み会への参加が強制されている場合、会社の指揮命令下に置かれているといえますので、「指揮命令下にある労働時間」に該当し、残業代を請求できます。
会社の指揮命令下にあるかどうかにつき、具体的に以下のような事情があれば、「指揮命令下にある労働時間」といえそうです。
- 明示又は黙示の業務命令(全員参加であることの号令や不参加の場合の不利益等)がある
- 会社の業務としての性質が強い(成績の発表や来期の目標の発表がある等)
- 場所的時間的拘束(場所が限定されており、途中参加・退出の自由がない等)がある
⑶最終結論
忘年会や新年会などの飲み会は、他愛ない会話をするという印象が強いため、「業務」に当たらず、残業代を請求できないようにも思われるかもしれません。
しかし、参加が強制されている忘年会や新年会などの飲み会については、「会社の指揮監督命令」にあると言え、残業代が請求できる可能性があります。
4.諦めないでください!
年末が近くなり、忘年会や新年会など、会社主催の飲み会に参加を強制されている方は非常に多いと思います。
忘年会や新年会のような、いわゆる飲み会であっても、指揮命令があると言える場合には残業代を請求することが可能です。
飲み会への参加が強制されている場合、諦めないでまずは弁護士に相談してみることをお勧めします。
担当者
-
■経歴
2009年3月 法政大学法学部卒業
2011年3月 中央大学法科大学院法務研究科修了
2012年12月 弁護士登録(東京弁護士会)
2012年12月 都内大手法律事務所にて勤務
2020年6月 Kiitos法律事務所設立
2021年3月 優誠法律事務所設立
2023年1月 法律事務所リーガルスマートにて勤務
■著書
・交通事故に遭ったら読む本 第二版(出版社:日本実業出版社/監修)
・こんなときどうする 製造物責任法・企業賠償責任Q&A=その対策の全て=(出版社:第一法規株式会社/共著)
担当記事
- 不当解雇2月 28, 2024突然の解雇されたらどうなる?手当や対処法を弁護士が解説!
- 不当解雇2月 16, 2024無断欠勤は解雇になる?解雇される欠勤日数などを弁護士が解説!
- その他2月 16, 2024確実に退職できるやむを得ない理由とは?具体例を弁護士が解説!
- その他2月 5, 2024非正規雇用とは正規雇用との違いや課題点などを弁護士が解説!